｢ナナドラ｣リアルタイムリプレイ -33- 嘆きの皇妃･7

みきぽん @miki_deco

私は強くなりたい。

みきぽん @miki_deco

アイゼンでは、私は自分が強いと思っていた。でも全然そうじゃなかった。私が知らなかっただけだ。逆立ちしてもかなわない強さがある。どこまで行っても果てがない、広い草原がある。どうすることもできないほど圧倒的な恐怖がある。・・・ゴウガ竹林で、私は初めてドラゴンを見た。何もできなかった。

みきぽん @miki_deco

悔しい。

みきぽん @miki_deco

強くなりたい。私は強くなんかなかった。弱くてちっぽけで、何もできない子供だった。なにも知らなかった。この世にほんとうに、どうしても歯が立たないものがあるなんて知らなかった。そのくせ、目の前のちいさな絶望に、もう真面目に生きるのを放り出していた。

みきぽん @miki_deco

くやしい。あいつに勝ちたい。もっと、もっと強く・・・あいつみたいに、いつでも真剣に、世界に真っすぐ向き合えるほど強くなりたい。

みきぽん @miki_deco

さっき、料理に必要な鳥の肢の、最後の1本を手に入れた。私がこの弓で仕留めた。あいつは笑って、頭を撫でてくれた。

みきぽん @miki_deco

私の手のなかに、鳥の肢と、カエルの皮と、キノコの石突きがたくさんある。全部私が集めた。こんな変な気持ちは初めてだ。

みきぽん @miki_deco

これから、サイモンでこれを弁当にしてもらって、それからアイゼンに帰る。アイゼンに帰ったら・・・それから・・・私は何をしよう。

みきぽん @miki_deco

私も強くなれるだろうか。なにか変われるだろうか。どうしたら、あいつみたいに強くなれるだろうか。