光嶋裕介さんの「オーケストラと指揮者の話」

建築家・光嶋裕介さんが高校生の「数学が苦手だけど、建築家になれますか?」という質問に答えた内容に関するつぶやきをまとめました。
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光嶋裕介@『ここちよさの建築』 @yusuke_koshima

【オーケストラと指揮者の話】昨日のオープンキャンパスで高校生に「数学が苦手だけど、デザインにはすごく興味があるんです。それでも建築家になれますか?」といった内容の質問を受けた。その時、僕は建築という世界に携わる人々の複雑さを説明するのにオーケストラのようであると説明した。

2012-08-19 10:42:52
光嶋裕介@『ここちよさの建築』 @yusuke_koshima

(承前)つまり、ヴァイオリンやチェロ、コントラバスに、ホルンなどたくさんの楽器がそれぞれに奏で合って素晴らしい音楽が立ち上がる。建築家はその時、指揮者のように振る舞う必要がある。それは、それぞれの楽器を弾くのではなく、スペシャリストである演奏者に対しての道しるべを示す役割だ。

2012-08-19 10:46:37
光嶋裕介@『ここちよさの建築』 @yusuke_koshima

(承前)つまりヴィジョンが必要なのだ。追い求めている音楽のイメージを伝えねばならない。これは難しい作業である。楽譜や図面は完全ではない。その向かっている先にあるものを情熱を持って伝えるのだ。そうした対話の連続が唯一無二の魅力となって音楽となり、建築となる。

2012-08-19 10:49:52
光嶋裕介@『ここちよさの建築』 @yusuke_koshima

(承前)僕があの高校生に伝えたことは、建築家になりたければ、とにかく勉強し、世界が広く大きなモノであることを知ることで、自分の価値観を柔軟に広げて欲しいと伝えた。旅に出るもよし、小説家の全集を読むもよし。もちろん苦手なものもあるだろうが、長所を最大限伸ばすことに集中して欲しい。

2012-08-19 10:55:57
光嶋裕介@『ここちよさの建築』 @yusuke_koshima

(承前)要するにまだ何も知らないと言っていいほど、建築という世界の入口に立っている者として、不得意科目があるくらいのささいなことで、その道に進まないということがあってはならないと思う。建築という魅力的な豊潤の海に飛び込むことで、その中での自分の居場所をそれぞれに見つけて欲しい。

2012-08-19 10:59:19
光嶋裕介@『ここちよさの建築』 @yusuke_koshima

(承前)建築には建築家になることだけが全てじゃない。構造家、設備家、ランドスケープデザイナー、職人、ハウスメーカー、建築写真家、建築雑誌の編集者、とにかくありとあらゆる仕事がある。学生時代に大いに勉強し、自分の人生をかけてもいい分野をみつけて、そこで全力投球するばいい。

2012-08-19 11:03:11
光嶋裕介@『ここちよさの建築』 @yusuke_koshima

(承前)最後にそんな学生時代を送るためにはとにかく魅力的な人間関係をつくること。トモダチは一生の財産。自分の知らない世界にも首を突っ込み、たくさん恋愛して、人間として成熟するのが最大の課題。そのためには、親友をみつけること、師をみつけること。これに限る!以上、連ツイでした。

2012-08-19 11:06:25
光嶋裕介@『ここちよさの建築』 @yusuke_koshima

あ、ちなみにさっきの【オーケストラと指揮者のお話】は、高校生に向けて熱弁した訳だけど、これ1年生から修士の院生まで、みんなに言えることですよ。建築という世界にどういうスタンスで対峙するのかを考えるのは、いつだって遅くない。でも、入口である高校生には尚大切であるだけ!ファイト!

2012-08-19 11:30:08