ハックルさんのはてな村民への思い

はてな村やはてな村反省会などについて
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岩崎夏海 @huckleberry2008

承認欲求の強いやつがあれほどけんかっ早いかよ。承認欲求の強いやつはおれもぼくを褒めるから君も褒めてってなるだろ?気持ち悪い前向きな言葉ばかり並んでるのが承認欲求の強いやつのブログだよ。それにおれ、ブログ以外では信じられないくらい社会から承認されてるけど、そっちに向かうんじゃないの

2012-08-21 20:36:33
岩崎夏海 @huckleberry2008

おれはそういうの。これまで言わないでおいたんだよな。でも、言った方がいいかもね。はてな反省会でそれは思った。言うといいかもって。そういう舞台裏見せるのかっこ悪いし裏切ることになるかもしれないって思いもあったけど、彼らはコアなメンツだから言ってもいいかなと思った。

2012-08-21 20:37:39
岩崎夏海 @huckleberry2008

だから言ったんだけどそしたら意外とみんなそこの部分も含めて受け取ってくれて、あ、それも受け取ってくれるんだ、と、思った。おれのやってることは、戯作者としての業に絡め取られたものの宿命というか、その意味では悪魔に魂うっちゃってるから、分かってもらえないかと思ったの。

2012-08-21 20:39:00
岩崎夏海 @huckleberry2008

でも、それは杞憂だった。みんな特別心が広いのか、あるいは頭がいいというのもあったかもしれないけど、そういうエンタメの悪魔に魂を売ったやつがいてもおかしくないって思ってくれた。それはおれ、これまで生きてきてあまり体験したことがなかった。ないこともなかったけど、ほんとに少数だった。

2012-08-21 20:40:07
岩崎夏海 @huckleberry2008

だけどああいう形で複数の人にいっぺんに話聞いてもらえて、あ、こういうこともあるんだって思ったね。だからおれ、これからはもう少し正直になれそうな気がするよ。こんなこと言うとキチガイに思う人も多いかもしれないけど、おれ、ほんとにソクラテスとか、釈迦が見た景色まで見たいと思ってる。

2012-08-21 20:41:46
岩崎夏海 @huckleberry2008

実際、これからの生き方次第でそういう場所に辿り着けそうな予感があるんだ。この世のかなりの部分まで見知った実感がある。

2012-08-21 20:42:43
岩崎夏海 @huckleberry2008

「もしドラ」はその道筋の途中に書いたんだよね。だから、実はけっこう深いものが込められているんだ。もちろんカムフラージュしてね。「もしドラ」がよく似ているのは「緋色の研究」だと思う。あれも当時の大ベストセラー。

2012-08-21 20:43:39
岩崎夏海 @huckleberry2008

だけど、「緋色の研究」は単なるエンタメじゃない。深い深い文学だ。それはしかし、今でも分かっている人は少ない。いや、当時に比べればとても多いけどね。今では偉大な世界文学としての立場をしっかりと確保している。でも、当時はそんなことはなかった。

2012-08-21 20:44:53
岩崎夏海 @huckleberry2008

こんなことを言うとヒステリックに、「もしドラ」なんて一年後は誰にも見向きされないよって言う人がいるんだけど、おまえに何が分かるのかと思うね。おまえは未来が見えるの?そのための訓練を積んだの?

2012-08-21 20:45:46
岩崎夏海 @huckleberry2008

実際、もしドラが発売された直後に、こんなのはすぐ消えるというはてなーは大勢いた。「恋愛が絡んでいれば化けたかもしれないのに!」という人もいた。だけど、いいんだよ。売れたことは問題じゃないから。それであの本の価値が決まるわけじゃない。

2012-08-21 20:46:49
岩崎夏海 @huckleberry2008

「もしドラ」は、売れたから価値があるんじゃない。文学的に高い位置に到達しているところに価値がある。同様に「エースの系譜」も「チャボとウサギの事件」も文学的に価値がある。

2012-08-21 20:47:41
岩崎夏海 @huckleberry2008

だけど、矛盾するようだけど、ビジネスとして出す以上、商品としての価値もなくちゃダメだと思う。「もしドラ」みたいに、文学とビジネス、両立させなきゃ。その意味で、「エースの系譜」はまあまあ売れたけど、「チャボとウサギの事件」は、今はそれほど売れてない。だから悩んでいる。

2012-08-21 20:49:10
岩崎夏海 @huckleberry2008

おれは昔ビジネスをバカにしていたけど(芸術家を気取ってたけど9それじゃダメだと反省して、両方やろうとした。だから、ビジネスで失敗するのはそれはそれでとてもつらい。

2012-08-21 20:49:54
岩崎夏海 @huckleberry2008

ところで、話は変わるけど(あんまり変わらないけど)「エースの系譜」はオーディオブックになったんだ。朗読版が出た。そして、その朗読版は、テレビ東京の女性アナウンサーの方にしてもらったんだ。

2012-08-21 20:51:09
岩崎夏海 @huckleberry2008

してもらったのは、水原恵理さんと、森本智子さんと、大橋未歩さん。で、そのうち水原さんと大橋さんが、ここで「エースの系譜」の話をしてくれている。 http://t.co/sItPIy8W

2012-08-21 20:52:18
岩崎夏海 @huckleberry2008

ちなみに本編はここで売ってる。 http://t.co/FIMz7xGS けど、買わなくてもいいけど、試聴版はちょっと聞いてみてほしい。それと、水原さんと大橋さんの対談は、ぜひとも聞いてほしい。

2012-08-21 20:54:09
岩崎夏海 @huckleberry2008

実は、おれは恐くてまだ聞けてないんだ。でも、二人がおれの本をとても好きになってくれたのは分かった。水原さんは、自身が野球をしたこともあるスポーツ少女だった。そして大橋さんはご存じ旦那さんがプロ野球選手で、プロ野球の取材も長い。

2012-08-21 20:55:12
岩崎夏海 @huckleberry2008

それだからこそなのかもしれないけど、二人の作品解釈の深さに、おれはすごく感動した。これは作者としての至福であった。もしドラのオーディオブックでも感じたんだけど、朗読者の読みって、その作品の解釈に他ならないんだよね。いうならば批評。朗読は一つの文学批評なんだ。

2012-08-21 20:56:31
岩崎夏海 @huckleberry2008

だから、作者としてはすごく試される場でもあると思う。ぼく自身も胃が痛かった。でも、二人の朗読はすごかった。ぼくの想像を絶していた。ある種の読み手は、作者が絶対に到達し得ない解釈まで辿り着くことができる。それを、おれは彼らの朗読から学んだ。

2012-08-21 20:57:30
岩崎夏海 @huckleberry2008

ちなみに、恐くて聞けてないってのは、二人のインタビューの方ね。朗読そのものは、ぼくも収録に全部立ち会ったので全部聞きました。そして、プロの朗読者があらためてすごいと思ったのと同時に、朗読って二番目に最高の本の読み方だなって知った。

2012-08-21 20:58:53
岩崎夏海 @huckleberry2008

ガルシア=マルケスが昔ファンのおばあさんに「百年の孤独」はどう読むべきですかって聞かれて、咄嗟に「書き写しなさい」と答えたそうだけど、おれもそれが最高の読み方だと思う。そして、二番目は朗読だね。三番目は、その朗読を聞くことかな。

2012-08-21 20:59:53
岩崎夏海 @huckleberry2008

朗読を聞くって最高のエンタメなんだよね。というより、エンタメの源流かもしれない。おれは、自慢じゃないが44の人生のほとんどをエンタメを味わうことと、その面白さを読み解くことに費やしてきた。

2012-08-21 21:01:13
岩崎夏海 @huckleberry2008

だからマニアックな部分があるかもしれないけど、とにかく朗読はあらゆるエンタメで最高級の表現ジャンルであることは間違いない。朗読については語り出すとまた長くなるから、それこそいつか動画で語ろうかな。

2012-08-21 21:01:56
岩崎夏海 @huckleberry2008

おれは最近、というかかなり前から、ソクラテスの気持ちがよく分かるんだよね。自分が世界で一番頭がいい認識することによってしか、辿り着けない領域というのがある。

2012-08-21 21:06:17
岩崎夏海 @huckleberry2008

だけど、今でもみんなソクラテスのことを勘違いしている。ソクラテスを謙虚だと思っている人が多い。本当は違うのにね。ソクラテスは、謙虚は謙虚かもしれないけど、自分が世界で一番頭がいいとは認識していた。「無知の知」というのはそういう故事。

2012-08-21 21:07:18