カフェと虫

@Airmitsu

アイスコーヒーをたのしむ、朝のカフェ。テーブルは２０近く。他の客は１組。新しい客。僕の向かいに座る。気まずい。気まずい。気まずい。

@Airmitsu

僕は席を移動した。勝ち負けでいえば、この状況で移動できる僕の方が勝ちだろう。

@Airmitsu

気に入らないことはもう一つ。アイスコーヒーのグラスにｐｅｐｓｉと書かれていること。

@Airmitsu

この店はジャズだけでなく虫の音を聞かせてくれるんだな、とおもっていたら、なんか飛んできた　 http://t.co/rDDUFtQu

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@Airmitsu

さきほど向かいに座ったおっさんが話しかけてきた。「すみません、僕の虫がこちらに飛んできませんでしたか？」　　　　　　お　ま　え　が　も　ち　こ　ん　だ　の　か　！

@Airmitsu

おっさんは悪びれた様子もなく虫を回収し僕の後ろの席に戻った。箱を開けるような音とともに「あ」という声が聞こえた。つづけて１組の家族連れの叫び声がこだまする。

@Airmitsu

そして気づく。やまない虫の音は、虫の羽音ではなくエアコンの羽がきしむ音だということに。

@Airmitsu

こんどはおっさん、知らんぷりしてた。さすがのおっさんも空気を読んだらしい。

@Airmitsu

家族連れのお父さん、慌てたのか食べ終わったプレートを厨房まで持ち込んで、ウェイターに「お客様ぁぁぁぁ」と追われている。

@Airmitsu

家族連れはすぐに会計を済ませる。子供はお詫びのおもちゃにご機嫌だ。おっさんは詫びなかったけれど。

@Airmitsu

おっさんは家族連れが帰ってウェイターがひっこんだ隙に虫を探している模様。ウェイター呼ぼうかな。

@Airmitsu

さて、帰るか、とおもってふと足をみたら、いた http://t.co/wQKQHYib

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@Airmitsu

こいつは…おっさんより僕といたいのか？　会計ついでにそのまま連れ出してやろうか。

@Airmitsu

こいつ、僕のズボンを食べたりしないよね？

@Airmitsu

移動先すら僕の服　 http://t.co/PBqenEGm

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@Airmitsu

僕の服がお花畑に見えたのか。おっさんが詫びていれば返していたろうけれども、彼にとってその程度の存在だったのだ。僕はそのまま会計をすませ外にでた。

@Airmitsu

自転車に乗っても彼は僕の服にしがみついていた。しかし信号待ちで確認すると目の届く範囲にはいなかった。おそらく自由な世界に飛び立ったのであろう。帰り際にいちべつしたおっさんの座るテーブルにはキュウリの入った透明の箱がポツンと置いてあった。