#へぎゅ異母兄弟

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「行ってらっしゃい」いつもの日常。深夜残業の多い彼氏ドンヘを朝見送って、勤務先の図書館へ歩いていく。振り返ると、ちょうど角を曲がる頃、ドンヘがふざけてキスを投げてくれる。ああ幸せだな。こんな日常が本当に幸せで、ずっと長く永遠に続くと思っていた。　#へぎゅ異母兄弟 #SJで妄想 1

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ドンヘと半同棲状態を続けて早１年。そろそろかなーなんて思ってるけど、あまり意識せずに過ごしてる。 「とか言って焦ってるくせに～」同僚からはよく茶化される。ドンヘの横に居られるだけで幸せなんだよ、って返すけど、嘘じゃない。　#へぎゅ異母兄弟 #SJで妄想 2

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「また来てる」ある日、同僚が語尾にハートを飛ばして指をさした先に、学生のような社会人のような。熱心に本を読んでは、時に想いに更ける、不思議な雰囲気を持つ男性がいた。　#へぎゅ異母兄弟 #SJで妄想 3

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ある日、突然“ルネサンス期 西洋美術史”そう記されていたメモ書きが視界に入る。「この本ありますか？」顔を上げると、同僚が気になってた彼だ。「あ、」つい指さしてしまうと、彼はくすっと笑って「？」首を傾げた。その仕草に少なからずドキッとした。　#へぎゅ異母兄弟 #SJで妄想 4

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ここ数年で誰も借りることなんて無い古書。「3階の美術書棚に１冊在庫ありました、ここから」場所を説明しようとすると「…分からないので、案内してもらえませんか？」「…へ？」同僚の羨む声が聞こえた。　#へぎゅ異母兄弟　#SJで妄想　5

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平日の昼間。受験生や地域の方が多く溢れてる。美術書のあるフロアは古書で、重く、貸し出しが出来ないものが多いので、あまり人がいない静かな場所。「ここです、…ありました。これですか？」すると彼は「ああ、良かった」柔らかい笑顔を見せ、本を受け取った。　#へぎゅ異母兄弟　#SJで妄想　6

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「すみません…この本は貴重なもので閲覧だけなんです…」そう伝えると、絵に描いたように残念そうに俯く彼を観て、少し微笑ましくなる。随分最初と印象が違う人。しばらく様子を見ていると、「あの…お名前は？」「…へ？」少しの沈黙の後、切り出した彼。#へぎゅ異母兄弟　#SJで妄想　7

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「…こういう時は自分からですね」本を閉じ、立ち上がり、「キュヒョンです、貴方は？」突然の自己紹介と距離の近さに驚いてると、"キュヒョン"は笑い、「そんな怪しい者じゃないですよ、僕は隣の大学で美術史専攻してる院生です。」図書館の窓の先を示す。#へぎゅ異母兄弟　#SJで妄想　8

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―名前と年齢、それしか言えなかった。そんな突然のこと初めてで、戸惑う。「また来ますね、ヌナ」綺麗な長い指で本の背表紙を撫で、惜しげな視線を本に送る。「…ここでしか見れない本たくさんあるみたいだから。」そう言って図書館を後にする"キュヒョン"　#へぎゅ異母兄弟　#SJで妄想　9

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脳裏から"キュヒョン"笑顔が離れない、何でだろう…、「…わっ」「気づかなかった？」家に着く直前ドンへが後ろから抱きついてきた。「びっくりした、もう！」「だって電話出てくれないんだもん」…彼の電話にも気づかない程何を考えていたんだか、私。反省。　#SJで妄想　#へぎゅ異母兄弟　10

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ガシャン、「痛…ッ」「…どうした!?」リビングで寛いでたドンへが駆け寄る。「ごめん、グラス…」この前、一緒に買ったワイングラスを割ってしまった。「それより大丈夫？見せて？」指を取って軽く唇に含むと、ふふっと笑って「どうしたの、今日？」　#SJで妄想　#へぎゅ異母兄弟 11

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「…今日、おかしいよ？何かあったの？」手を取り心配そうに見つめるドンへ。「…暑いからかな？」無理して笑うと、頬を抓る。「なら、いいんだけど、心配」甘くマシュマロみたいな笑顔で、抱きしめる。…何も悪い事はしていない筈なのに、心では謝っていた。#SJで妄想　#へぎゅ異母兄弟 12

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「またグラス買いに行こう」落ち込む私の頭を撫で、割れたグラスを片付けてくれた。…ドンヘは出会ったときから変わらず、優しく心綺麗で、誰にでも愛情の深い誰からも好かれる素敵な人。私には勿体無いぐらい。#SJで妄想　#へぎゅ異母兄弟 13

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ドンヘとの出会いは電車の中だった。決まった通勤電車。毎日顔を合わせる彼に、気付いたら恋をしていた。ある日痴漢から守ってくれて、少し照れながら『…もう君にそんな怖い想いはさせない』って言ってくれたのを覚えている。もうそれも2年前。　#SJで妄想 #へぎゅ異母兄弟 14

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きっとドンヘは周りから愛情をたくさん注がれて生きてきた。人を無暗に傷つけず、疑わず…。そして周りを幸せにするひと。愛しくて堪らなくて、寝てる彼の腕をぎゅうっと握る。「…ん」夢の中なのに抱きしめ返してくれた。... ずっと一緒にいられたら。　#SJで妄想 #へぎゅ異母兄弟 15

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「ヌナ、あの画集、入荷するって言ってたのに」「ごめん、高くてまだ検討中なの」「…うそつき」「…ごめんってば」…あれから随分と不定期に現れる“キュヒョン”と冗談を言い合うまで仲良くなった。会うのはいつも人気のない3階。　#SJで妄想 #へぎゅ異母兄弟 16

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意識をしてないと言えば、嘘になる。…ドンヘとは少し違ってキュヒョンと過ごす時間は、緩やかで新鮮。以上でも以下でもない、不思議な距離感が心地良いのだ。「…」好きな画家の画集を並べては、じっくり見てる。その横顔を傍で見てるだけ、なんだけど。　#SJで妄想 #へぎゅ異母兄弟 17

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「絵は描かないの？」すると彼は微笑んで、「一応描きますよ」、広げていた本をもとに戻し始める。…この時間が終わってしまう合図だ。「…見たいですか？」キュヒョンは真直ぐ私を見つめ、「帰り、寄ればいいのに。研究室、」そうやって突然距離を縮めてきた。　#SJで妄想 #へぎゅ異母兄弟 18

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「ドンヘはどう思う？」昼後のMTG中、同僚のヒョクに問いかけられると同時にポケットに入れていた携帯が震えた。"今日そっち行くの少し遅くなる、ごめんね"　彼女からのメール。最近よく謝るな…。「…どんへー、俺の話聞いてる？」「あ、ごめん、何？」　#SJで妄想 #へぎゅ異母兄弟 19

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「…このプロジェクト、上長の承認がいるから明日までに一回…」ヒョクの言葉が、右から左へ。頭に入ってこない。何だかここ１ヵ月の彼女の様子がおかしい。どこがと言われれば明確に応えられないけど、何だか違和感を感じる。何か俺がしちゃったんだろうか？　#SJで妄想 #へぎゅ異母兄弟 20

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図書館を出ると夕陽が落ちかけていた。大学の門をくぐるとベンチに腰掛けてスタバのコーヒーを飲みながら、待っていた。「…ほんとに来ましたね」立ち上がり、「…研究室汚いですよ、覚悟は？」いたずらっ子のように笑うキュヒョン。 #SJで妄想　#へぎゅ異母兄弟 21

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クラシック調の講堂を抜けて、静かな一角にキュヒョンの研究室があった。「どうぞ、」今時珍しいドアノブを握り、部屋に入ると想像していた以上に広く、石膏像やら古書、描きかけの油彩、レポート用紙と絵具であふれていた。「秘密基地みたい、」「でしょ、」 #SJで妄想　#へぎゅ異母兄弟 22

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暫く部屋を見渡したあと、「えっ、この本すごく貴重な…？」背後に立っていたキュヒョンに問いかけようと振り返ると、「…そうですよ、」余裕な笑みで、じりじりと距離を縮めてくる。「キュ…ヒョン？」「…」無言で迫る彼、私の背後は本棚。―逃げられない。#SJで妄想　#へぎゅ異母兄弟 23

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壁一面に広がった脆い本棚の縁に、大きなキュヒョンの手が触れる。「キュヒョ…」持っていた本を床に落としてしまった。逆光で顔が良く見えない。空いている右手が唇近くの頬に沿い、「…しちゃう？」「しなっ…」抵抗する時間もなく、唇が合わさる。　#SJで妄想　#へぎゅ異母兄弟 24

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角度を変え執拗に攻めてくるキュヒョン、首を掴まれて身動きとれない。―ドンヘ、 脳裏に彼の顔が浮かび、「やめて…っ」キュヒョンを振り払った。「…びっくり、した…何するの…」すると唇を拭って「…こういうこと、期待してたんじゃないの？」核心をつく。　#SJで妄想　#へぎゅ異母兄弟 25