伊豆平成の語るバカ物語『お前の血は何色だ!!』

伊豆平成（現在、ノベライズのお仕事中！　３月以降のお仕事を熱烈募集中です！　オリジナルも書きたい！） @IzunoHiranari

「バカ物語」というのはバカカードの遊び方の一つで、普段の句会ではやらないが、二枚ずつ引いたバカカードを使って順番に即興で物語を語り継いでいく……というもの。登場人物も世界設定も白紙なので、そこまでの流れを酌み取りつつ、カードの言葉を使い、先の展開や設定を考えるという高度な遊びだ。

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で、物語として無茶なことになったり、支離滅裂になることもあるんだが、その瞬間瞬間はとてつもなくバカで楽しいことが多い。ある程度でも物語っぽく筋が通ってきたりすれば、なおさら楽しいのだ。と、これだけ書くとＲＰＧに似てるね。各人が専用のキャラを持っていたりはしないけど。

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面白かったＲＰＧのセッションを覚えているように、出来の良かったバカ物語は覚えている（録音して寝ながら聞く……という趣味があるので記憶してるんだけどね）。そんな中から、昨日メフィラスの話を引き合いに出した物語を、誰に聞かせるでもなくだらだら紹介しようとして長々と前置きしていたのだ。

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突然、どうしてそんなとち狂った話をつぶやきだしたのか？　とか思われるのも困るので、前置きしておかないと……って思ったものだから。

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テープ起こしするわけじゃないから、細かく全ての使ったカードを説明する気はないけど。

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まず、木造アパートに住む二人の若者が、楽しく酒を飲んでいると、窓の外に見える河原で自然石を割っている男がいた。「なんだありゃ？」と見ていると、アパートがいきなり火事になり、二人は炎にまかれて行方不明に。

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そのうちの一人は本郷猛で、気がつくと手術台に乗せられてもがいている。火事はショッカーの仕業だったのだ。「一週間後に本郷猛は改造人間に……」という声がして、気が遠くなっていく本郷。あ、カードのジャンルは漫画やアニメや特撮などの色々なセリフのやつね（今のは美味しんぼと仮面ライダー）。

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その後、本郷は脳改造はされなかったが、「火事で死にそうになったのを救ってやった命を我々の崇高な使命のために役立ててくれ」とショッカーに説得され、改造人間としての訓練やテストを受ける。秘孔を突く、胸に七つの傷を持つ男なんかもあっさり倒すほどの強さ。そしてある日、首領に呼ばれる。

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あ、待てよ、その前に改造した博士に説明を受けるんだった。彼の身体には色々な改造が施されていて、「もしフライパンがなかったらどうするか？　胸の所にはオーブンが内蔵されているから……」とか、ひどい改造がされている。博士は、コージ苑の田所博士のノリで「本郷くん」とか呼んでいた。

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で、本郷猛の最初の任務は……。「ターゲットは江田島平八だ」と過酷なもの。さすがの本郷も嫌がったが仕方なく男塾へ向かう。と、鬼ヒゲが出むかえて「この機械獣野郎め！　お前ごときに、塾長が呼ばれて飛び出てくるとでも思ったか！」などと言われる。改造人間なのに機械獣呼ばわりされ怒る本郷。

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だが江田島に「わしと戦いたければ、まずは塾生と戦って勝って見せよ」とか言われる。で、江田島は富樫を指名、二人で油風呂の勝負をすることになる（富樫はすごい嫌がってたけど）。ところが、富樫のほうが五秒長く耐え、負けた本郷はショッカー基地に戻って耐熱保護皮膚の再改造を受ける羽目に。

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一方そのころ、アパート裏の河原で自然石を割っていた男（って、こいつも物語に関わってたのかよ！　と驚かれつつも）は、中華料理屋で飯を食っていた。「美味いものを食わせろ」というと、蟹料理が出てきて、一口食べた彼が「俺は蟹料理は好みじゃないんだがな」と言う。と、店員は「ご安心ください」

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店員「この料理には本物の蟹は入ってません」。どっちもどっちな状況だが、男は怒って暴れて店の備品を壊し、警察に捕まって留置所に入れられてしまう。ちなみに彼の名は中村タイ造（珍遊記が連載中だったなあ）。そして、中華料理店の店長は「このインチキ料理商法はなかなかいけるな」とか思う。

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一方、本郷は耐熱保護皮膚に包まれただけではなく「本郷くん、他にも改造しておいたんだが……」と博士とコント中。象が踏んでも壊れないよう、腕が筆入れにされていたりする。「アーム筆入れじゃ」「君には歌が……」とカラオケまで内蔵される始末。

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ああもう、細かいところを思い出せないので今夜はここまでにしよう。しかし、この流れで、どうするとメフィラスが出てくるんだか……と、思われてもしょうがないよなあ。ていうか、こんなバカ物語をお気に入りにしたりされてたりして恥ずかしい。

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さて、バカ物語の続き。バカ物語が何かは昨日話したので省略。昨日のあらすじは……。ショッカーに改造された本郷猛が命令で江田島平八を倒すために男塾に行ったが、油風呂勝負で富樫に負けたので引き返し、そのころ中村タイ造は中華料理屋で暴れて留置場にぶちこまれていた。というあたりまでか。

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ここまでの細かい話を知りたい人（なんているのか？）は、私のツイートを19時間前辺りまで戻ってみてください。大したツイート数じゃないので。

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@needleshoot わわっ。本当に戻る方がいらっしゃるとはっ。では、だらだらと続かせていただきます。

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そのころ、中華料理屋。店主はカニの入ってないインチキ蟹料理を振る舞って儲けていたが、そこへ虎丸と富樫が来る。散々食べてから「おい店主！　この料理にはカニが入ってないぞ！」と文句つけ、店主と言い争いになる。と、「騒がしいですな。食事は静かにするものです」と店の奥にいた別の客が……

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その、人間にしては少し変な客は、立ち上がって富樫と虎丸の肩を後ろからつかんで注意する。「なんじゃお前は～！」とふり向いた富樫たちは呆気にとられる。「メ、メフィラス……」立っていたのは、静かに食事をしていたスーツ姿のメフィラス星人だった。「もう少し君たちは紳士的に話ができんのかね」

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やっとメフィラスが登場したよ。

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そのころショッカー基地では、始めに本郷と一緒に火事に巻きこまれたもう一人の若者も改造手術が完成して２号として覚醒していた。強力な改造人間になったはずなのだが、人間的に出来が悪く、ショッカーが必死に説得しても面倒くさがって何もしないでいた。

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それより中華料理屋である。メフィラスに注意された虎丸と富樫は、初めは驚いたけれどだんだん腹が立ってきて、「なにを言うか、このメフィラスのクソ馬鹿野郎が～！」とか言って殴りかかったりするのだが、「君たちは本当にしょうなないやつだな」とメフィラスは戦いの構えをとった。

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どういう攻撃なのかよくわからないのだが、メフィラスは富樫に向かって「私はお前の父だ」と言い放つ。するとこれまたなぜだかわからないが、富樫はサーッと青ざめて、「お、おたすけください！」と即座に降参した。メフィラスが「じゃあ、やめといてやる」と言うと、ホッと肩をなで下ろす二人。

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二人が言いくるめられて帰ってしまうと、メフィラスと店主が「まあ騒動もあったが、この商法はぼろい儲けになるな」とか話している。実はメフィラスは、この店のオーナーだったのだ。それどころか、この街で手広く商売をしていて街の名士なのもわかってくる。裏で、せこい悪事を働いているらしいのだ。