宮本ヒッチハイク帰省

みやもと @amanojaku_m9

【番外編】でもこのまま休んでいるだけでは先へ進むことは出来ないのでもう一回頑張ろうと自分を奮い立たせて外に出ようと荷物を持ったとき、お前ヒッチハイクでどこまで行くつもりや？と後ろから話しかけられた。誰かと思って振り向くと昨日長椅子で寝ていたおっさんだった。#ヒッチハイク帰省

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【番外編】大阪までですけど…おれは答えた。大阪までか、じゃあ簡単やなとおっさんは言った。それまで約１時間半頑張っていたおれは頭にきて、まあそんな簡単でもないですけどねとぶっきらぼうに返した。お前は気合が足らん、大阪なんて気合あればすぐ着くわとおっさんは言った。#ヒッチハイク帰省

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【番外編】気合い？おれは答えた。大体何でヒッチハイク始めたんや？とおっさんは聞いてきた。舐められるのが癪だったのでおれはそれっぽいことを２つ３つ並べた。おっさんはおれの返答には触れずに、最近の若いもんはあかん。昔のヒッチハイカーはもっと気概があったと言った。#ヒッチハイク帰省

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【番外編】ここでおれは変な奴に絡まれたなあと思った。このおっさんと話してても時間の無駄と考えたおれは、じゃあもうちょっと頑張ってみますと適当に言い残しておっさんから離れてヒッチハイクを再開した。２０分ほど続けたがやはり乗せてくれる人は誰もいなかった。#ヒッチハイク帰省

みやもと @amanojaku_m9

【番外編】おれはもうさすがにやばいとかなり焦ってきた。すると先ほどのおっさんが外に出てきておれに手招きしていた。あー面倒だなあと思いながらもおれはおっさんに近づいた。近くに行くとおっさんはおれに向かってこう言った、ヒッチハイクのやり方教えたる。#ヒッチハイク帰省

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【番外編】え？おれはこのおっさんは一体何を言い出したんだろうと困惑した。するとおっさんは、とりあえずあそこのベンチに座れと言ってベンチに座らされた。ベンチに座ると、わしにまかしとけ絶対に見つかるからと確信めいた調子で言った。不覚にも少し心強かった。#ヒッチハイク帰省

みやもと @amanojaku_m9

【番外編】おっさんはおれに、数撃てばいいってもんじゃない。よく観察して狙い撃ちでいけ。狙うのは家族連れやカップルじゃない、一人でおる中年の男や。と熱く語ってきた。この時にはおれはもしかしたらいけるかもしれないと感じていた。#ヒッチハイク帰省

みやもと @amanojaku_m9

【番外編】あいつなんかいいんちゃうか、おっさんは言った。見ると確かに車から一人で出てきた中年の男だった。あいつ帰ってきたら行って来い、おっさんは言った。そしてその人が帰ってきた。行ってきます、おれはおっさんに伝えてその人のもとに走った。#ヒッチハイク帰省

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【番外編】その人の車の近くに行って車内を見ると２歳くらいの子供がいた。厳しいかなと思いながら頼むとやはり断られた。おっさんのところに戻って家族連れであったと伝えると、家族連れやったらあかんわなとおっさんは残念そうに言った。おれはこの人すごいなと思った。#ヒッチハイク帰省

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【番外編】しばらく観察を続けるとまたおっさんが、あいついい感じやなと言った。例のごとく中年の男で一人だった。じゃあ行ってきます、おっさんにそう言い残しベンチを立ち上がりおれは荷物も持たず走り出した。近くに行って車を見ると三重ナンバー、これはいけると確信した。#ヒッチハイク帰省

みやもと @amanojaku_m9

【番外編】大阪方面どこでもいいんで乗せて頂けませんか、おれは頼んだ。相手の方は近くのSAまでならいいよと承諾してくれた。この人は結局三重県まで送ってくれた人だった。この時朝から始めて既に３時間以上経過していた。おれはようやく見つかったと思って滅茶苦茶嬉しかった。#ヒッチハイク帰省

みやもと @amanojaku_m9

【番外編】荷物を取りに行くのとおっさんにお礼を言おうとベンチの方を振り向くとそこにはだれもおらず自分の荷物だけがあった。どこを見渡してもおっさんの姿は見えなかった。彼は一体何者だったのだろうか？この後おっさんの教えを守ったところすぐ大阪まで行けた。【完結】#ヒッチハイク帰省