- moya_koshi
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あまりにも有名で言葉で手垢のついたイディオムではありますが、この「我と存在」というテーマは過去にも現在にも、そしておそらくこれからの未来にも問いかけられていくものなのだと思います。 2
2012-08-31 12:47:312006年に放映されたゼーガペインは「我と存在」を問いかける物語の中にあって、未だテーマの最先端に数えられて良い作品です。 思う所に我はある、ということが絶望的に否定されたとき、それでも我を担保するものは何かをロボット物/青春アニメの構造を用いて痛烈に問いかけてくるのです。 3
2012-08-31 12:48:24物語の始まりはしかし単純な形で、主人公であるソゴル・キョウの扉をノックします。謎の美少女とロボットによる誘い――ペイン・オブ・ゼーガと呼ばれるゲームに半ば強引に引き込まれたキョウは、美少女=ミサキ・シズノと共にガルズオルムと呼ばれる敵生体との闘いに身を投じていきます。 4
2012-08-31 12:48:44それでもキョウのリアルはあくまでも高校生活にあり、幼馴染みであるカミナギ・リョーコの存在もそれを後押ししますが、ある事件をきっかけにキョウはそこに大きな揺らぎを感じてしまいます。学校というリアル、同じくらい現実味のあるゲームとしてのリアル。 5
2012-08-31 12:48:50二つのリアルに挟まれたキョウは教師の一人にある問いを発します。二つのどちらがリアルなのかと。対する教師の答えは「どちらかが現実なら、もう片方は必ず虚構である」というものでした。リアルが平穏な高校生活ならば、ゲームはやはり虚構である……キョウはその答えに納得できるはずでした。 6
2012-08-31 12:49:41だが、キョウは疑いを拭うことができず、カミナギとともにあることを実行しようとします。怖気付いた彼女を残し、行動した彼が体験したあり得ないこと。某然とするキョウにシズノは最悪の「現実」を復誦します。わたしたちは「」の中の「」に暮らす「」の「」に過ぎない。 7
2012-08-31 12:49:47キョウは事実から生まれたより重い責任に苦悩/煩悶しながら、それでもこれまで自分を支えてきたリアルを守るため、更なる戦いに身を投じていきます。ペイン・オブ・ゼーガ=そこは今や我が痛みを糧に闘うべき本物の戦場。 8
2012-08-31 12:49:54想いが痛みを生み、痛みが想いを導く――この循環の中でしか己を維持できない、あまりにも残酷な「人間」という存在。徐々に力を増していく敵生体。果たしてキョウは敵生体を退け、我と痛みを取り戻すことができるのか。 10
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