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#この書き出しいかがですか まとめその33(8/25~9/4)
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「もしもさ、俺が突然おまえに話しかけたらびっくりするか?」と犬が言った。僕は笑った。「気づいてないの?何度も夜中にしゃべってるのみたよ。驚くとすれば、秘密にしてるんじゃなかったんだ、ってことかな」「え?見てたのか?」「うん。芸人の物真似してたよね」 #twnovel #書き出し
2012-08-26 12:36:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「夏なのにひんやりと冷たいなんておかしいね。」なんて、涙をこらえる君が笑うもんだから僕も苦々しく笑ってみせた。病院の窓に蝉がぶつかって大きな音がしたけれど、目の前の彼女が驚くことはもうないのだった。 #書き出し
2012-08-26 13:09:01![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
涙を湛えた黒雲が支配する心に、ぴり、とした痛みが横切った。重く垂れこめた天井は、私の足取りにまで足枷を絡めるようである。思わず吐いた溜息が、せめてこの日差しを遮る雲にでも変われば良いのにと思った。 #書き出し @sekisato1 さんからいただきました♪
2012-08-28 17:22:08![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ふと気付くと遠くから笛の音が聴こえてきました。顔を上げれば、いつの間に夕刻だったでしょう、赤い太陽が私の顔を照らしています。いけない、こんな時間。私は読みかけの本を閉じました。私に時間を思い出させてしまった、あの笛の音を少し恨みながら。#書き出し @hanakanokoさんから!
2012-08-28 17:28:03![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
きみとの思い出を話すぼく。されどきみはこたえない。涙で湿った少しの土と、煙草でつくった小さな墓標。灯火は消え、灰だけになってしまった。#書き出し
2012-08-29 22:09:28![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
薄い雲が漂う空。雲間に見える太陽は今日も元気だ。ぼくはコンビニで買ったお昼を片手に、シャカシャカとビニールの擦れる音をたてて歩く。空に割り箸をあてがって「わたあめ」なんてやりたい子どものような衝動を抑えつつ、雨上がりの道を水溜まりをわざと踏みながら歩く。#書き出し
2012-09-03 06:31:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
そうして、陽光に照らされて暑さが耐えきれないという訳でもなく、ただ漠然と、長雨に濡れそぼる苔生した道祖神に一人心を重ねていたのであった。 #書き出し
2012-09-03 15:23:35