《原発事故から日本は回復できるかどうかに関する課題。》

あえて、経済問題や産業問題は抜いて書いてみました。 経済や産業を議論に巻き込んだら、軸が多くなりすぎます。 個人的に、現在一番重要だと考えてる論点は、山林の除染は可能か不可能か、です。
5
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「除染すれば線量は下がる」は、基本的に正しい。ただし、毎時0.2μ未満まで下がるか、下がったままでいるか、半径1キロに毎時0.2μを超える場所を皆無にできるか、が問題だと私は考えている。原発事故発生から1年半。収束まで数十年。確実な線量低下まではどれだけかかるか、不明。

2012-09-07 21:04:21
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)2 まずは「チェルノブイリに比べて福島の状況はマシなのか」という問に対する答が違ったら、話はかみ合わない。チェルノブイリは炉1つ。約1週間で収束。福島は原子炉3つ燃料プール4つ。収束まで数十年。ただし、チェルノブイリは水蒸気爆発確定。福島は爆発の形式と回数も未確定。

2012-09-07 21:30:19
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)3 次に「チェルノブイリ事故でどれだけの健康被害がどれだけあるのか」に関する答が違うので、かみ合わない。「甲状腺がんの増加だけで死者は数十人だけ」なのか、「各種がんで広範囲に健康被害あり」なのか、「がん以外にも欧州全土で各種被害が出て死者は100万人程度」なのか。

2012-09-07 21:33:58
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)4 さらに「除染すれば線量が下がったままになり、健康被害無しに住めるようになるのか」という論点もある。福島県中通りにも、いまだに民家の敷地の庭などで(別に雨どいや側溝に関係なく)毎時1μを超えるところはざらにある。除染すれば、毎時0,23マイクロ未満に維持できるのか?

2012-09-07 21:38:08
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)5 農地はどうなのか、というのも意見が分かれる。放射性物質が移行しないように土を深く漉き込んでカリウムを散布すれば良いのか?ある程度の深さまで表土を除去すればよいのか?農地の除染はそもそも不可能と考えるのか?土の問題だけを考えても意見は分かれる。

2012-09-07 21:41:49
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)6 果樹はどうするか、という問題もある。樹皮を剥ぎ取り、土を改良すれば大丈夫なのか?一度樹を切り倒して根も掘り起こし、土だけじゃなく果樹そのものも植えなおせば大丈夫なのか?汚染がある地域の果樹農業自体が無理なのか?これも2年程度では答が出ないだろう。

2012-09-07 21:45:03
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)7 牧草栽培やきのこの栽培に使う樹木の育成はどうなのか、という問題もある。今年は福島県よりも岩手県の牧草の問題がクローズアップされたが、福島県にも牧草地がないわけではない。どのように対策が可能か、この問題については完全に後手に回っている感がある。

2012-09-07 21:48:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)8 次の問題は大きい。山林の除染は可能か?この問題に関しては、私は一貫して「不可能」と書き続けてきた。これまで「可能」と言い続けてきた環境省は、ついに「不可能」ではなく「不必要」と言いはじめている。日本の生活にとって里山に入れるかどうかは、大問題なのだが。

2012-09-07 21:51:55
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)9 河川の汚染除去は可能だろうか?作業量から考えて、人為的に何とかなるとも思えないが、まだ政府や官僚、専門家は「不可能」といっていない以上、国民の中には可能だと思う人がいるだろう。

2012-09-07 21:54:06
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)10 海洋汚染については、除去や低減は不可能なので、論点は深刻な汚染が発生するか?深刻な汚染が継続するか?になるだろう。この場合は、汚染を深刻と認める基準を誰がどう決め、どう認定するかに問題が集中するだろう。可食部分1キロ100ベクレルで良いのだろうか?

2012-09-07 21:59:21
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)11 国の基準は、現在年間被曝に関していくらなのか?という根本的な問題もある。国は、「ICRPを参考にしている」とは言うものの、どの基準をどのように定義して決めているかは明確にしない。国の方針を決める学者の多くは100ミリ安全の人たち。官僚が口にするのは年20ミリ。

2012-09-07 22:06:00
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)11の2 しかし、国は避難指定区域の帰還準備指定に関しては「その地域の平均で年20ミリ」を使用していて、世帯によっては20ミリを超えていても立ち入り制限を解除している。またICRPの「現存被曝状況」なら、事故の収束が前提だ。ICRP基準を使っているということは言えない。

2012-09-07 22:09:43
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)12 これまでの論題も全て、「これ以上東電福島第一原発の事故が深刻化せず、他の核施設でも大事故が起きないとして」という前提の上での議論でしかない。こんな話を続けることができるなら、ある意味幸運の結果なのかもしれない。しかし、日本国民は本当に「幸運」なんだろうか?

2012-09-07 22:12:40