玉井先生の「大学と就職」について

玉井先生の、現代の大学と学生、そして就職についての意見です。
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玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

大学や学生についての議論、正直、一時代前の状況を念頭に置いていると見えるものが多いですね。バブル期には、たしかによくこういうことが言われていました。 RT @Takao_Komine …「学生は他人から教わるべきでない、自分で学べ」…

2010-07-24 14:31:43
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)当時は就職がきわめて楽。卒業しさえすれば一流とされる企業に入れる、という状況が広く見られました。大学時代には勉強などするより、ゴルフや麻雀でもやっておいた方が将来役に立つと広く信じられていました。 RT @Takao_Komine

2010-07-24 14:34:59
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)そう信じている相手を、「指導」などできるはずがない。「学生は他人から教わるべきでない、自分で学べ」というのは、自ら何事かを学んで教師となった者の実感であると同時に、笛を吹いても踊らない学生の教育を断念したことを示す文句だったと思います。 RT @Takao_Komine

2010-07-24 14:38:40
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)有り体に言えば、かつての大学、特に文科系学部は、勉強しない学生と教育しない教師が暗黙裏に共謀して、出すべきでない卒業証書を発給する組織だったといってよい。企業も実態を知っていて「大学で勉強したことなど皆忘れろ」と新人によく言っていました。 RT @Takao_Komine

2010-07-24 14:43:08
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(念のため、元の発言をリツイートしました)(続き)しかし、状況はまったく変わりました。いまの学生は、よく勉強します。大学で何事かを学んで社会に出ようという意欲は、非常に強い。授業料を払っているわけだから当然のことで、大いなる進歩だと申せます。 RT @tetteresearch

2010-07-24 14:52:14
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)しかし、学生のほとんどは、社会人経験を持ちません。卒業後の進路をにらんで何かを学びたいという意欲は非常に強いが、何を学べばよいかはわからない。古くからあるカリキュラムも、多くの場合、何をすればよいかを学生に教えるようにはできていません。 RT @tetteresearch

2010-07-24 14:57:45
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)たとえば、法学部のカリキュラムは、多くの場合、資格のある法曹か、それに準じた職業人となることを前提に作られています。しかし、法学部の卒業生年間約5万人に対し、法科大学院の受験生が約7千人ですから、そのような前提はまったくの絵空事です。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:00:43
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)大学学部は四年、修士まで出てもプラス二年、それに対して卒業後の人生は60年くらいあるわけですから、卒業後のことを学生が強く意識するのは当然です。それに正面から対応することを謳い、「キャリアデザイン学部」を新設した大学もあります。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:07:32
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)だが、医学部のように職業と直結した学部・大学院を除き、卒業後の進路選択について大学が直接に貢献できることは、限られています。学生たちの進路が既存の職業の一つだとは限りません。しかも、教師の多くが、大学以外での社会人経験がないのです。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:11:55
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)したがって、将来自分が何をするのか、そのために大学で何を学ぶかは、学生たちが自分で決めなければなりません。その最後の点については、「自分で学べ」というほかありません。しかし、教師にできることもあります。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:14:50
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)それは、「将来のことを考えるのならば、真剣に考えよ」と教えることです。教師の多くは「就活」というものをしたことがないのですが、いかに愚劣なものであるかは、毎年毎年見聞きしています。大勢に流されがちな決定のあり方にも、疑問を感じています。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:18:03
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)なぜそういうことになるかというと、大学入学までの意思決定のあり方が、大勢に従っておけば無難だ、というものだったからです。学生の多くは、偏差値の高いところに入っておけば低いところよりもよい結果が得られる、と無条件に信じています。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:21:34
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)仮にそうした判断で大過がないとしても、それは、教育という特別な場だからです。優秀な学生が集まっていれば、将来性豊かな学生との交流はできるし、OB/OGとの人脈もできる。たとえ教師がまともに教えなくとも、その関係は成り立ちます。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:24:58
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)これまた有り体に言えば、一流校と呼ばれる大学のビジネスモデルはそういうことなので、大学は、競争による逆転のほとんど起こらない、安定した産業です。日本だけでなく、世界でも、「一流校」の番付にはほとんど変化がありません。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:28:43
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)しかし、一般の実社会は、まったく産業構造が違います。トヨタやマイクロソフトが10年後も業界のリーダーでいられるかどうか、当事者が最も不安を感じているはずです。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:31:16
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)起業や大学院進学を含めた夥しい選択肢から自分の将来像を構築するというのは途方もなく大変ですし、自分自身以外の判断をアテにすることはできません。その大変な作業を省略して「就活」に臨むと後悔することが多い、というのが私の観察です。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:33:42
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)しかも、大学の教員というのは、研究という特殊な分野を生涯の職業として選び、ひたすらにその初志を貫徹して成功したという稀な経験しかないのが普通なので、ロールモデルにはなりません。長島や松井の人生がモデルにならないのと、同様です。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:38:32
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)したがって、就職については、(もう一つの「人生の大事」である恋愛と同様)教師自身が教えられることはほとんどない、ということになります。しかし、教師は多くの人を知っているわけですから、「自ら学ぶ」ための機会を与えることはできます。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:43:35
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)それが、教室で十年一律の授業ノートを読んでいればよかった時代と異なる、今日の大学教師に課せられた役割ということになるでしょう。即ち、専門の研究をし、それを生かした授業をするのは当然で、さらに加えて、 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:46:05
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)人生を賭けた学生の選択についても側面支援をする、ということです。そして、就職と恋愛という二大分野のうち、後者について側面支援のできる人は稀(慶應の金先生くらい)なので、前者については何か貢献したい、というのが、大学教師の志向でしょう。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:48:30
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(続き)なお、こういうことを申すと、学問以外のことを学生に意識させるのはけしからん、と的外れな批判をする人がいて困るのですが、学生がただただひたすらに学問だけにいそしむというのは、ベルリン大学創建当時にフンボルトという人が掲げた理念で、 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:50:43
玉井克哉(Katsuya TAMAI) @tamai1961

(最終回)①古典文献学という研究と教育が直結した分野で、②ごく少数の学生のみが存在を許され、③卒業後の進路など思い煩う必要などなかったという状況には当て嵌まっても、今日の日本の大学全部に適用できるはずもありません。時代錯誤というべきでしょう。 RT @tetteresearch

2010-07-24 15:54:33