西荻のフォレスト・ガンプ安藤久蔵さんの講演会概要

moegi nakano @ship_ahoy

今日はかがやき亭にて安藤久蔵さんの講演会を拝聴。ものすごい話がたくさんで本当におもしろかった。昭和三年頃、銀座の高級なカフェーは一見さんお断りだったので資生堂パーラーには友人に連れて行ってもらった。バンドの生演奏もあり、ウェイトレスは洋装に耳かくしでモダンガールだったそう。

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［安藤さんのお話・その2］銀座の高級カフェーのウェイトレスは洋装だったが、浅草など庶民的な場所の女給はまだ着物にエプロンだった。高級カフェーの顧客には名士が多く、井伏鱒二や山田耕筰、小津安二郎にも知り合った。井伏鱒二の清水町の家に昼時に訪問すると奥さんが天丼をごちそうしてくれた。

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［安藤さんのお話・その3］山田耕筰のあだ名は「電気ハゲ」で当時は池上のほうに住んでいた。山田耕筰の家ではじめてグランドピアノを見た。家にもよくお邪魔して、行くとよく寿司をご馳走してもらったが「高いだろうかあ」とおもい、遠慮してしまった。天丼だったらそんなに気兼ねはしなかったけど。

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［安藤さんのお話・その4］井伏鱒二から書生だよと言って太宰を紹介された。太宰も家に遊びにこいよと言ってくれたのでよく遊びに行った。テーブルに置いたコップをまっすぐ並べるような神経質な人だった。入水した山崎富栄にも会ったことがある。パーマ屋の姉さんだったね。

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［安藤さんのお話・その5］小津安二郎とは今のテアトル銀座の場所にあったカフェー（どこだろうか？）で会った。シャンソンなんかが流れているような粋なお店。役者（悪役？）にならないか、ということで蒲田撮影所にも遊びに行った。彼に近づいたのはたべものではなく、骨のある人だと思っていたので

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［安藤さんのお話・その6］小津安二郎は蓮沼に住んでいて、トタン屋根の平屋を借りていた。蒲田撮影所では原節子にも会ったし、桑野通子（！）にも会ったことがある。なんとか役者にしたかったようだけれど、学士が芸人になんかなったら親が泣くからと言って断った。当時の芸人は河原乞食だからね。

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そのほかにも、見合いで結婚したお嫁さんが鍋島家のお姫様で乳母二人を連れて嫁入り、家ではもっぱら「姫殿」と呼んでいて、毎朝「お目覚めですか？」とご機嫌伺いに行った、だとかおもしろい話がたくさん聞けてほんとうに得難い機会だった。来月もまたぜひ聴きに行きたい！

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［安藤さんのお話・その7］小林多喜二には昭和7年に会った。ニコライ堂そばの下宿に友人に連れられて家に行った。多喜二が話をはじめると「弁士中止！」と声があがり、それでも続けると笛を吹いて特高が来た。4人以上の集会は届出制だったので全員逮捕された。多喜二が亡くなったのはその翌年だった