洋画「パンズラビリンス」 コメンタリーメモ

洋画「パンズラビリンス」の監督によるコメンタリーで興味深かったコメントをメモしたもののまとめ
2
vfx2000 @vfx2000

パンズラビリンス。劇場で観ましたが友人がDVDを借してくれたのでもう一度観る。劇場で観た時は暗い現実の話が中心でポスターに騙されたと思ってしまいましたが、そこも含めてやっぱり良いですね。。今からコメンタリー。

2010-06-20 21:07:52
vfx2000 @vfx2000

作品の発想は異質の世界を並列させること。スペイン内戦終結後の1944年の現実世界と、主人公の少女オフェリアの空想世界が対照をなす。現実世界はベルチーテという場所の映像

2010-06-20 21:23:58
vfx2000 @vfx2000

主人公の置かれる状況にあわせて色調を変えているのか。。石像はケルト美術。そうそう、ナナフシ視点のカメラワークがとても印象的なんですよね。

2010-06-20 21:29:22
vfx2000 @vfx2000

メイキングは確かシネフェックスで見ました。色々な童話を引用。オズの魔法使い、オスカー・ワイルドやアンデルセン、グリム兄弟、不思議の国のアリスなど

2010-06-20 21:35:56
vfx2000 @vfx2000

元来おとぎ話は大人に聞かせるものだった。暴力と現実が多分に含まれていた。どのおとぎ話にも疫病や戦争や飢饉が投影されている。例えばヘンゼルとグレーテルは飢饉のため両親はやむを得ず森に子供たちを捨てる

2010-06-20 21:39:35
vfx2000 @vfx2000

精神医学者のベッテルハイムによるとおとぎ話は人間の心の葛藤を表現したもので、世界を理解するのに役立つものだそうだ。オフェリアは魔法という要素を通して現実世界を理解しようとしている。大事なのは、現実世界と 魔法の世界が互いに影響を与えること

2010-06-20 21:44:55
vfx2000 @vfx2000

仕込みとして扉の頭や階段のてすりなどいたるところにパンの彫刻などを入れている。魔法世界は暖色&丸いくて柔らかい形を、現実世界は寒色&直線を使った描写が多く、オフェリアがいる部屋や場所には丸いものが多い

2010-06-20 21:52:31
vfx2000 @vfx2000

このような視覚的な隠喩はデビルズ・バックボーンで始めた。なるほど。。色や形の持つ意味や印象のコントロールなんかはゲームでもやってたりしますね。

2010-06-20 21:56:48
vfx2000 @vfx2000

カメラの水平移動で木や梁をまたいで場面を切り替えているのを多用しているのは、物語の連続性を表現するため。執務室は大尉の頭の中を表現するようにバロック調に飾り立てた。唯一オフェリアが寄り付かない場所

2010-06-20 22:04:56
vfx2000 @vfx2000

背景美術だけでなく、物語や場面の対比など色々行われていて、とても勉強になるなぁ。。監督によるコメンタリーはDVDならではですね。素敵

2010-06-20 22:11:12
vfx2000 @vfx2000

残客な描写も多いが、大尉の言動や戦闘の様子など、当時の内戦を生き抜いた人々の証言を基にしている。そういう証言を記した本やドキュメンタリーがある。

2010-06-20 22:15:41
vfx2000 @vfx2000

物語中、月は必ず迷宮の左側に来る。重要なシンボル。月は女性を表していて、古代の人々は母親と月を関連付けて考えていた。この物語では月は不安定や変身といった象徴となっている。

2010-06-20 22:24:10
vfx2000 @vfx2000

ファンタジー要素の色調や小物がうまく馴染むデザインなのが良いです。鍵とか短剣もカッコ良いし、エフェクトばりばり炊くのが魔法って訳じゃないですよね。

2010-06-20 22:30:44
vfx2000 @vfx2000

パンがいなくなる際は背景の暗がりに同化するように消えるのがまた良いです。

2010-06-20 22:35:27
vfx2000 @vfx2000

大尉の暖炉の部屋は、魔法の世界のベイルマンの部屋と同じ配置にしている。

2010-06-20 23:00:31
vfx2000 @vfx2000

パンは登場するたびに若返り、話し方が変わり、要求が厳しくなっていく。最後に登場するパンは動きも穏やかで滑らかになり、吹き替えの声も穏やかになる。しかしカメラワークだけは前より威嚇的になる

2010-06-20 23:03:30
vfx2000 @vfx2000

おとぎ話の"3"の法則。視覚的に韻を踏んで映像にリズムを持たせている

2010-06-20 23:06:59
vfx2000 @vfx2000

アメリカ映画は3部構成を求められ、形式にとても厳しい。登場人物の描写手順も、それぞれの個性を一人ずつ見せてゆく。もし車好きの人物が出てくるなら3〜5場面でその嗜好を強調する。だが僕は人物の一面を多角的に 描写することに関心があった

2010-06-20 23:37:26
vfx2000 @vfx2000

暴力シーンのカメラが後半になるにつれロングショットの長回しになる。カットを強調せず、暴力が日常的になっていくのを表している。

2010-06-20 23:44:40
vfx2000 @vfx2000

コメンタリー終了。。とても勉強になった~

2010-06-21 00:28:32