フォークロア・アバウト・ボブ・アンド・ニンジャスレイヤー
古代人の秘宝を探して世界中を数十年渡り歩いたが、ついに探しだした宝箱の中には塩がほんの少しだけあって愕然とするみたいな >幻のエピソード、ロブスター伝説
2012-09-26 18:34:10年老いたニンジャヘッズに物語を聞きに行ったはずが実際ヘッズを自称する元フジキドパーティだったりヴィラン・ニンジャだったりするんだろ?その上それぞれが話すフジキドの最後が全部別の内容なんだろ?
2012-09-26 18:34:40「いいか、『銀の鍵』を探せ」「そこにカタオキクランの全てがある」「かつてキョート・ヘル・オン・アースの際、備え続けた一人のヘッズがいる」「合言葉は『カタオキカワイイ』だ」「君も…コトダマ空間の真実…ユメミル・ジツに…」
2012-09-26 18:36:16カタリベたちの長は代々女性が慣習で、ある決まった名前を襲名していく。長は親しみと尊敬を込めて、こう呼ばれている。マディソンおばあちゃん、と。
2012-09-26 18:40:15「……しかし記録にはこうあるのです。唯一、ほんやくチームのアジトを知るヘッズがいたと」「そうかね」「あなたがそうなのではないですか。ボ――」「それ以上言ってはならぬよ」老人は、穏やかに手で制した。「エルフのせんしが来るかもしれぬからな」そして、いたずらな少年のように笑うのだった。
2012-09-26 18:42:56「なんだ爺さん、ニンジャスレイヤーなら俺も知ってるぜ。ロブスターをこらしめる話だろ。子供の頃にパパが読み聞かせてくれたよ。でも、なんであれが"ニンジャスレイヤー"なんだろうな?"ロブスタースレイヤー"じゃ駄目なのか?」
2012-09-26 18:43:37「そうではない……ニンジャスレイヤーという物語は、もっと深く、もっと長大なもの……かつての電子戦争によってログは消失し、焚書によって書籍版も残らず失われた。だが、それでも、どこかに残っているはずだ。幻の初回版が、幻のイラストペーパー6枚組と共に……」
2012-09-26 18:44:38迫害を逃れるため、タヌキの暗号を組み込んだ形で本編の暗記を行うカタリベたち。だが長い時の間に解読方法は失われ、意味不明な文字列のみが現在も伝承され続けている。
2012-09-26 18:47:39「ねーねーおばーちゃん、トンソクって、なーにぃ?」「ブタの足のことだよ。戦争前にはね、ブタって生き物がいたんだよ。ほら、今日はもう寝なさい」
2012-09-26 18:48:02なんで焚書されてるのに「読み聞かせ」なんだろうとセルフツッコミしかけたけど「デイ・オブ・ザ・ロブスター」だけを収録した絵本だけが「ニンジャスレイヤー」として普及しているとかそういうアレなら良いだろう
2012-09-26 18:48:52「幻のイラストペーパー…!?」「そうだ、息子よ。イラストペーパーを探せ。残る5枚の…世界に、散った…」「馬鹿野郎ッ!こんな豊満絵なんてくれてやればよかったんだ!そうすれば、野盗だって――」「…それだけは、ゴホッ、できなかったのさ…一人の、ヘッズとして――」「父さん……父さん!!」
2012-09-26 18:49:44「おまえボブになるのか?」「ボブ?」「遺跡に潜ってニンジャスレイヤー断章を集める奴のことをボブっていうんだ。知らなくていい真実を知って自滅する、冒険家気取りのばかな連中」「バカじゃないよ。知ろうとするって、バカじゃないだろ」「死ぬのはバカだろ」「知らずにいるよりバカじゃない」
2012-09-26 18:53:43「――いかにも。儂こそ『ヤモト』の守護者。だが、『イラストペーパー』を狙ったヘッズの血族など過去にもごまんとおった。そしてその全てが、土の下にいる」「その手の御託は聞き飽きた。お前は何を賭ける、廃墟の王」「無論、命と……『ヤモト』。貴様はどうだ。小僧」「命。そして――『ユカノ』」
2012-09-26 18:54:01あるいは、伝承のうちに「正義のニンジャスレイヤーが悪のダークニンジャを滅ぼす物語」という形に変容してしまった世界。単純な勧善懲悪の物語にどうしても馴染めない少年がいた。「ママ、ダークニンジャは僕くらいの頃どんな子だったの?」「遅いからもう寝なさい、アイボリーイーグルが来るわよ」
2012-09-26 18:55:43そんなある日、街にやってきた電子吟遊詩人が語り出したのは、それまで誰も聞いたことのないエピソードだった。すなわち「カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル」。皆は恐れおののくが、少年はひとり目を輝かす。
2012-09-26 18:56:41「あはは、もう…ダメかな、あたし」「…おい。冗談だろ!一緒にニンジャスレイヤーを集めるって、誓ったじゃねえか!キョート城の、ジャビオブみたいによ…!」「最後に、渡したいの。これ…」「…これは」「『ラオモト』の守護者は――あたしだったの」「嘘、嘘だろ…」「…騙して…ご、ごめん…ね」
2012-09-26 18:58:50新たに築かれた都市深く埋もれたネオサイタマ遺跡。そこに潜むニンジャ真実を求める冒険者たち──効率だけが正義となった時代において、過去を重点する非効率で愚かな生き方をする彼らを、人々は蔑称を込めボブと読んだ。これは、ボブに憧れた少年の絶望と成長を描く物語である。などという妄想。
2012-09-26 19:00:01「おかーさん、今、窓の外になにかいたよ、赤黒い服来てた!ねね、もしかしてニンジャスレイヤーかな!」「ばかね、ニンジャスレイヤーなんているわけないでしょ。あれはね、おとぎばなしなのよ。ほら、早くご飯たべちゃいなさい」少女は再び外を見たが、影はもうどこにもなかった。
2012-09-26 19:01:06「おじさんは、どうしてみんなが知らない話を知っているの?」「原典に近い形でログを守り語り継ぐ一族がいた。俺はその最後の一人なんだ」「もっと聞かせてほしいんだ、ダークニンジャの……フジオの話を」「じゃあこれはどうだい、『ドゥームズデイ・デヴァイス』」
2012-09-26 19:01:47