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第二部「キョート殺伐都市」より:「シー・ノー・イーヴル・ニンジャ」#1
シリンダー内、四人に東西南北の四聖獣ゲートめいて、あるいは梱包剤めいてガッチリと囲まれたその被疑者は最新式の拘束具で両手足と首、腰を固定され、あらゆるカラテ攻撃の試みを予防されている。オジギすらも許されない。
2011-07-22 08:19:51全身を覆う拘束具から外気にあらわになっているのは両目だけであるが、ウカツにその目を覗き込んだ市民は良くて失禁、下手をすれば発狂、それどころか急性のストレスで血泡を吹いてショック死する者すらいるやもしれぬ。
2011-07-22 08:24:13拘束具は猿轡も含んでおり、言葉を発することも許されない。被疑者はただニヤついた目でケビーシ達に視線を走らせていた。下劣な表情であった。ケビーシ達は居心地が悪そうにお互い目配せし、身じろぎした。ポーン!「到着ドスエ」合成マイコ音声とオコト音が鳴り、目の前の闇が四角く切り取られる。
2011-07-22 08:30:08「アーッ!アーッ!アーッ!」ゴトーも絶叫していた。四つん這いになり、その苦しみに耐える……そう、四つん這いだ。全身の拘束が解けている。正確には、拘束具が変形している……ニンジャ装束に!「アーッ!アーッ!アアアア、ああ……あー」ゴトーの痙攣が止まった。彼は立ち上がった。「……フー」
2011-07-22 12:05:48「正当防衛重点!」裁判官が直々に宣言し、ハンマーで「非常」と書かれた赤いボタンを叩いた。ビガー!ビガー!途端に警報音と「御用!御用!」という警告音声が法廷内に鳴り響く。「正当防衛?へへ!」ゴトーはせせら笑う。頭部拘束マスクは鼻から上が融解し、ジゴクじみた黒髪が逆立って揺れている。
2011-07-22 12:34:49溶け残った下半分もやはり変形し、奇怪なメンポ(金属製マスク)となっていた。ゴトーの足元に黒い液体がわだかまり、泡立ちながらその質量を増してゆく。「スゲぇだろ!エエッ!?スゲぇよな?」ゼリー?油?スライムめいてべとつくその暗黒物質は、ゴトーを取り囲む檻に巻き付く!
2011-07-22 12:45:03……ナムアミダブツ……デスドレインの覚醒から、ものの五分で法廷は静寂につつまれた。生きているのはただ一人、デスドレインのみである。拘束具が変形したニンジャ装束のフードを頭から被り、押し潰され窒息した死体を踏みつけて出口へ向かう彼の目は、邪な悦楽に濁っていた……ナムアミダブツ……!
2011-07-22 18:01:18デスドレインが歩いた後を、黒い暗黒物質が長い影あるいは黒いスライム・オバケめいて這いずりながら追う。それらはスタスタと歩く彼の踵から背中、首へ登り、目や耳、メンポの呼吸孔へ這い上がり、吸い込まれてゆく。
2011-07-22 18:07:51第二部「キョート殺伐都市」より:「シー・ノー・イーヴル・ニンジャ」#5
「エート、ドーモ、どっかのニンジャ=サン。デスドレインです!」拘束衣めいたニンジャ装束を着たそのニンジャは嘲るようにオジギした。その足下に、じくじくと黒い質量存在が染み出し、わだかまる。「祭りは終わっちまったの?」
2011-08-08 19:35:55第2部「キョート殺伐都市」より 「カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル」#8
情報によれば、レーザー人工衛星をハッキングしたニンジャが1人混じっているはずであり、それが最重点攻撃目標だ。だがニーズヘグの琥珀色の目は、大路中央にそびえる暗黒触手ツリーとその上に乗るニンジャに、実際強く引き寄せられた。この男から、吐気がするほど邪悪なニンジャソウルを感じる。 6
2011-12-29 00:08:49第2部「キョート殺伐都市」より 「カース・オブ・エンシェント・カンジ、オア・ザ・シークレット・オブ・ダークニンジャ・ソウル」 #9
「「イヤーッ!」」アイサツ終了直後、間髪入れずにダークニンジャとデスドレインは動いた!ダークニンジャは眉間目掛け、クナイを投擲!拘束服ニンジャ装束を着たデスドレインは、口元を覆う囚人メンポから暗黒ヘドロを吐き出して自らの足下に撒き散らし、そこから触手を伸ばしてクナイを掴む! 11
2012-01-02 23:33:24「アァァァア!?畜生が!最強じゃ無いのかよ!?カラテ食らってンじゃねえか!?」デスドレインは囚人メンポから血を吐きながら起き上がる。両手が怒りに震え、周囲にドロ沼のごとく広がった暗黒スライムが泡立つ。ニンジャソウルに憑依されて以来、彼はジツだけで全ての敵に勝利してきたのだ。 16
2012-01-03 00:37:41「グワーッ!」死刑囚は全身に電気ショックを浴びたかのように仰け反る!ダークニンジャは動かない!キンタロアメめいて細切れにされた無数の暗黒触手が、ずるりと滑って地に落ちる!「咎」の漢字に沿ってデスドレインの顔から胸、背中、脚まで、全身に深々と真赤な斬撃の傷が開き……大量出血! 29
2012-01-03 23:26:40第二部「キョート殺伐都市」より:「アウェイクニング・イン・ジ・アビス」#1
「バカだ!お前!へへへへ!」デスドレインは手を叩いて笑った。拘束衣型ニンジャ装束をはだけた彼の上半身(顔にもだ)には、ケルト戦士の戦刺青めいて、恐るべき傷跡が残されている。彼のそれは刺青ではなく無残な刀傷なのだ。 5
2012-01-24 12:42:38第二部「キョート殺伐都市」より:「アウェイクニング・イン・ジ・アビス」 #4
「アー……」拘束衣めいたニンジャ装束を着た男が小首を傾げ、耳穴をほじくりながら、彼ら三人を順繰りに見た。メンポは着けているが頭巾は無く、黒髪は逆立ち、眠たげな目が、よからぬ期待に濁っている。「いる?アイツ。いねェんじゃねェの?これ。よォ」「……ああ。いないようだ」 57
2012-02-03 00:20:51第二部「キョート殺伐都市」より:「ドゥームズデイ・ディヴァイス」#1
「……やってみるか」ランペイジが掠れ声で言った。デスドレインのニューロンを粘つく殺意が駆けた。彼はもう一度舌打ちした。ランペイジを撥ねつけ、寝ているアズールを蹴った。「うッ」少女の苦しげな呻き。デスドレインは部屋から出てゆく。その背には「咎」のカンジ状に抉られた傷痕の一部。 6
2012-04-13 00:53:14第二部「キョート殺伐都市」より:「ドゥームズデイ・ディヴァイス」 #3
「おう、おう、おう」デスドレインが猫背になり、前方の人だかりに手をかざした。「なンか、おっぱじまってンの?」「そのようだな」「そのようだな、じゃねェーッての!」デスドレインは首を曲げてランペイジを見た。「つまンねぇじゃねえかよ、これじゃあよ」「……やる、だけだ」 35
2012-04-19 17:43:06