シー・ノー・イーヴル・ニンジャを解説してみる。

二重音声のコメンタリーみたいなものを目指してみました。 うざいほどに 語りたい。
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最初のこれはスリケンマークと呼ばれています。
これがTwitterに飛んできたら更新のはじまりだ!

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

第二部「キョート殺伐都市」より:「シー・ノー・イーヴル・ニンジャ」#1

2011-07-22 07:57:38

シー・ノー・イーヴルは「(悪を)見ざる聞かざる言わざる」の「見ざる」を現す英諺です。
誰が何を見ず、そして誰が何を見てしまったのか。
力はそれ自体が悪であるか。人の中の悪意とは如何なるものか。
などと別に深く考えないで読んで全然大丈夫。

プロローグが主人公以外から始まるということはこれは重要キャラなのではと思われるかもしれませんが、
ニンジャスレイヤーでは知らないキャラからエピソードが始まる事は珍しくなく、
しかも出てきてすぐに爆発四散して死ぬかもしれないので大物っぽく登場したキャラでも油断は出来ません。

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

高速上昇するシリンダー型の息苦しい垂直エレベーターに五人。四人はガイオン中央拘置所のケビーシ・ガードであり、残る一人が問題の被疑者である。このケビーシ・ガードの装備は極めて用心深い。二秒通電で脳が沸騰して死ぬショック・ジュッテは勿論、防護服も重装ケンドー機動隊に匹敵するものだ。

2011-07-22 08:10:03

ガイオンはキョートの街全体を指します。
マトリックスのザイオンみたいな語感ですが字面は祇園と推定されています。
ケビーシガードはまあ、ただの強いガードマンです。
二秒通電で脳が沸騰して死ぬショック・ジュッテはジュッテの部分よりも
非人道武器が平気で振るわれる世界である事に注目してみてください。

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

シリンダー内、四人に東西南北の四聖獣ゲートめいて、あるいは梱包剤めいてガッチリと囲まれたその被疑者は最新式の拘束具で両手足と首、腰を固定され、あらゆるカラテ攻撃の試みを予防されている。オジギすらも許されない。

2011-07-22 08:19:51

この世界の四聖獣はドラゴンイーグルタコゴリラです。
中心にいるのはキリンです。
ゴリラは赤いですが南ではありません。
カラテ攻撃とはこの場合一般的な素手による攻撃を指します。

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

全身を覆う拘束具から外気にあらわになっているのは両目だけであるが、ウカツにその目を覗き込んだ市民は良くて失禁、下手をすれば発狂、それどころか急性のストレスで血泡を吹いてショック死する者すらいるやもしれぬ。

2011-07-22 08:24:13

この世界の一般市民は作中でよく失禁しますが、彼らの膀胱が脆弱なのではなく
それだけニンジャという異形の存在が恐ろしいという事を表しています。
この拘束者は今の段階で人間ですが今の時点で周囲に与える影響力は異形並です。

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

拘束具は猿轡も含んでおり、言葉を発することも許されない。被疑者はただニヤついた目でケビーシ達に視線を走らせていた。下劣な表情であった。ケビーシ達は居心地が悪そうにお互い目配せし、身じろぎした。ポーン!「到着ドスエ」合成マイコ音声とオコト音が鳴り、目の前の闇が四角く切り取られる。

2011-07-22 08:30:08

猿轡が無かったら周囲の人間の喉に噛み付くタイプです。
攻撃に行かなくても被害者の親族の心をわざと抉るような事を
喜んで言うタイプでもあります。要するにクズです。
マイコ音声は大概の設備に設置されています。

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

エレベーターを出ると、そこはそのまま法廷の被告人席であった。ただし檻で囲まれている。被疑者は彼をコロシアムの観客めいて見下ろす傍聴人らをニヤニヤと檻越しに見渡した。「アイエエエ!」傍聴人席から悲鳴が上がった。彼と目のあった者が失禁でもしたのだろう。

2011-07-22 08:37:13

出た先は檻の中。この時も四方をケビーシガードに固められています。
法廷をコロシアムに喩えられていますが、傍聴人が一種の娯楽として裁判を聞きにきた可能性もあります。
そういう世界観です。
自分を見下ろす人間を逆に見返して嘲笑うのは彼の継続的なテーマの一つです。

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

法廷の壁には規則正しく額縁入りの掛け軸がかかっている。「正義」「遵法精神」「不如帰」「マナー」「ちょっとやめないか」といったショドーは、それ自体が叱責となって被告人を精神的に打ち据える仕組みだ。しかしこの男はただニヤついた目を覗かせるだけだ……。

2011-07-22 09:21:16

「被告人を精神的に打ち据える仕組み」
何を言われているかよく分からないかもしれませんが、
この世界はパワーワードというかコトダマ、言葉が威力を発する様であり、
照らした相手が動けなくなるカンジサーチライトなどの存在も確認されています。

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

イヨオー!と合成音声が鳴った。男の正面上方に位置する「罪を憎んで人を憎まず」のノレンが巻き上げられ、三人の裁判官席が現れる。ダークモンツキを羽織り、黒光りする四角いエボシ帽という儀礼的な出で立ちだ。エボシ帽からは顔面を覆い隠す黒いメッシュ布が垂れている。意趣返しを防ぐ意味合いだ。

2011-07-22 09:36:50

イヨオー!の合成音声もさまざまな設備で使われています。
裁判官は三人。この空間で一番高い場所から被告人を見下ろしています。
ここ後でテストに出すから覚えておいてね。

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「エートそれでは、事件エート、処理番号『ぬ015441121号』第一審のですね、エー本日は結審ということで、始めます」中央の裁判長が宣告した。ざわついた傍聴席は一瞬静まり返るが、すぐにまた囁き声が交わされ出す。「……死刑だろ」「死刑」「死刑しか……」「いくらなんでも……」

2011-07-22 10:00:46

「エート」の多さにイラつくのは正しい反応です。
死刑だろうと噂されていますが、そもそも何故逮捕の時点で射殺されなかったかが
不思議なほどです。この世界で裁判を受けれるのはたぶんかなり幸運な人間です。

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「エー、本件において、被告人ゴトー・ボリスは、己の鬱積した感情のはけ口に……」主文後回しである!キョートの裁判において、判決を読み上げず理由から話す場合、これすなわち死刑を意味する。これはキョート・リパブリックが独立国となる以前からの伝統である。伝統は何よりも重んじられるのだ。

2011-07-22 10:15:39

この世界では珍妙な響きの名前がデフォルトですが
「ゴトー・ボリス」などのようにスラヴ系の外国名が入る名前はかなり珍しいです。
そしてキョートは独立国。なんと日本ではありません。

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

通常このような場合、己の命が風前の灯と決まった被告人はこの判決理由朗読の最中にブザマに泣き叫び、あるいは裁判官に対して無力な恫喝を叫び、セプクを試みたり、大声でハイクを詠む。だがゴトー・ボリスは……拘束椅子に座らされて何もできない事もあるが……落ち着きはらってニヤついていた。

2011-07-22 10:22:03
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