「ログ・ホライズン外伝 HoneyMoonLogs」第9話に見るちくび隠し技法について

電撃大王にて連載されているログホラ外伝「ハネムーンログズ」の第9話について、 サービスカットにおけるちくび隠し技法の観点から寸評したものです。 そうです、湯気やら髪やらで肝心の部分が見えないあの技法についての話です。 その場の勢いとでっちあげだけで突っ走りました。
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へっぽこぴーすけ @hpsuke

まず、遅れましたが今月の普通のハニログ感想。今月はあのタライ事件! 今月も楽しく読ませていただきました。欲望のままに突っ走る野郎共はやっぱり見てて楽しいですね!(そっちかい)欲望と理性の狭間で揺れるアイゼルと義仲も実に思春期でした。一番乗り遅れるパターンだけどな!

2012-10-03 00:58:10
へっぽこぴーすけ @hpsuke

ていうか今回はマリエのサービス回に見せかけて飛燕×章介回だったような気がしますよ。あんだけ見たがってた裸を前にして動揺しかしていない飛燕を見ていると、お前ほんとは裸に興味ないんじゃないのかと。そういう名目で章介くんといちゃつきたかっただけちゃうんかいと。ですよねえ…?

2012-10-03 00:59:22
へっぽこぴーすけ @hpsuke

さて。今回はここからちょっとおまけに走ります。最初に謝っておきますがごめんなさい、サービス回なだけに夜のツイート気味で、しかも連投になります。テーマはずばり少年漫画でお馴染みの技法・裸の秘部隠しについてでございます

2012-10-03 01:01:47
へっぽこぴーすけ @hpsuke

そもそも少年漫画とえろは切っても切り離せない関係にございまして、第二次性長期を迎えた思春期の読者を惹きつける要素としてえろは必要不可欠です。しかし一応健全を謳っている今の少年誌で直截な描写の多用はご法度。そこで様々な手法が発達したわけですが…歴史語りは長いので省略します

2012-10-03 01:02:21
へっぽこぴーすけ @hpsuke

早速本題に入りましょう。手法を大きく分類すると、次の4種類のいずれかに該当すると考えられます。なお、ここで該当するのは「作中キャラの意図によらない隠蔽手法」に限らせていただいています。具体的には、タオルや手等で明確な意図を持って体を隠している場合は除外しています

2012-10-03 01:03:00
へっぽこぴーすけ @hpsuke

スタンダード…湯気、水飛沫、光源、服の切れ端、泡等の流動体や浮遊物を用いて隠蔽する方式。流動体や浮遊物は画面上の配置に関する制限が少なく扱いやすいため、最も多用される傾向にある。安直で芸がないと揶揄の対象になる一方、描き直しも容易なため、単行本化の際に変化の可能性が高い。

2012-10-03 01:04:22
へっぽこぴーすけ @hpsuke

ポージング…当該キャラ自身の肉体や動作を用いて隠蔽を行う方式。長髪や腕を使って無造作に隠す場合もあれば、アクションシーンの立ち回りを利用した大胆かつ派手なものも。スタンダードの亜種に過ぎないものから、イメージング(後述します)の一歩手前まで幅広い種類が存在する。

2012-10-03 01:04:53
へっぽこぴーすけ @hpsuke

オブジェクト…観葉植物や他のキャラ等、その場に存在する物体を用いて隠蔽する方式。コマ枠やフキダシを用いることも。カメラアングルとタイミングが命のため、自然な運用には高度な技術が必要とされるが、巧みな技が見事に決まった際にはサービスを越えたある種の芸術性を帯びることもある。

2012-10-03 01:05:32
へっぽこぴーすけ @hpsuke

イメージング…他の手法が「限界まで裸体を見せつつ肝心な部分だけを隠す」手法であるのに対して、「裸体は直接見せずに肝心な部分を強く想起させる」ことで逆説的に同じ効果を狙う高等テク。「画面に背を向けたキャラが他のキャラに裸を注視される」「タオルの特定の位置に虫が止まっている」等。

2012-10-03 01:06:14
へっぽこぴーすけ @hpsuke

もう少し詳細に解説。スタンダードは浮遊物の多い空間、つまり湿気の高い浴場で最も自然に使えるためサービスカットとの相性は抜群。服の切れ端や瓦礫で隠す手法も多用されるため、バトル漫画との相性も悪くありません。しかし浮遊物の飛ばない状況で無理に使うと多少の不自然さが出てしまいます。

2012-10-03 01:06:43
へっぽこぴーすけ @hpsuke

ポージングはどんな状況でも使える万能手法。静的なシーンで使えば覗き見しているかのような興奮を与えることも、動的なシーンで使えば大胆さで度肝を抜くことも可能です。カメラアングルがやや固定される傾向にあるのが難点ですが、工夫次第で無限の可能性を秘めています。

2012-10-03 01:07:21
へっぽこぴーすけ @hpsuke

オブジェクトは静的なシーン、遮蔽物の多い状況で威力を発揮する手法です。やはりカメラアングルの問題があるため難度は高いのですが、事前に物体を設置し伏線&回収のコンボが狙えるため、渾身の一撃が決まった時はえろがどうとかを超越します。逆に遮蔽物のないシーンで使うには工夫が必要です。

2012-10-03 01:08:13
へっぽこぴーすけ @hpsuke

イメージングは他の3手法とは根本的な発想が異なるので一概に比較はできないのですが、隠喩を駆使する手法であるからして、ストレートなサービスカットよりはひねった状況に向いているといえます。もっとも水滴をトップに誤認させる手法なんかもあるので、やはり描き手次第ではあるのですが…。

2012-10-03 01:09:02
へっぽこぴーすけ @hpsuke

ここで今月の「ハニログ」について見てみると、裸体が存在するコマは全部で13コマ。うち、全身描写がほとんどなく隠す余地のないp.1,016の1コマ目及び意図して布で隠蔽を行っているp.1,019の1コマ目は演出意図を鑑みて除外するとして、考察対象は全11コマとします。

2012-10-03 01:09:37
へっぽこぴーすけ @hpsuke

まず、p.1,014の開幕マリエはスタンダード(湯気)とポージング(右足)。p.1,015の1コマ目の俯瞰図はスタンダード(湯気)とポージング(右手)。接近して3コマ目はスタンダード(湯気)、やや背面から4コマ目はポージング(脚部)。

2012-10-03 01:10:51
へっぽこぴーすけ @hpsuke

p.1,016の3コマ目はスタンダード2種(水飛沫、光源)とポージング(手)。なお、同コマのタオル梅子さんは自らの意思で意図的に隠しているのでここでは除外とします。4コマ目のマリエはポージング(手)。これは際どいですが、隠す意図がない偶然と判断し該当。

2012-10-03 01:11:31
へっぽこぴーすけ @hpsuke

男子陣のあれやこれやを飛ばしてp.1,018の2コマ目はオブジェクト(フキダシ)、4コマ目はポージング(髪)とオブジェクト(原稿枠)。p.1,020の1コマ目の器具落下シーンは除外して、飛燕と梅子さんが乱入した3コマ目はスタンダード(湯気)。

2012-10-03 01:12:18
へっぽこぴーすけ @hpsuke

最後にp.1,021のアップのマリエはポージング(髪)にスタンダード(湯気)を重ねる二重構えの運用となっています。以上が今回の話で使用された技法であります。

2012-10-03 01:12:54
へっぽこぴーすけ @hpsuke

まとめてみると、全16箇所のうちスタンダードが7箇所(44%)、ポージングが7箇所(44%)、オブジェクトが2箇所(12%)、イメージングは該当なし。スタンダードとポージングでそれぞれ半数近くを占め、オブジェクトは数回のみ見られる構成となっていることがわかります。

2012-10-03 01:13:39
へっぽこぴーすけ @hpsuke

オブジェクトの比率がやや低めなことを除けば割と平均的なばらつきを見せておりますが、残念ながらメインが深夜のギルドの調理室という状況とは微妙にミスマッチだったことが悔やまれます。ここはスタンダードの割合を減らしつつオブジェクトを増やして欲しかったのが正直なところです。

2012-10-03 01:14:11
へっぽこぴーすけ @hpsuke

なぜなら調理室はメジャーな舞台である浴場と比べて「湿気は低いが物が多い」という特徴を備えており、スタンダード(湯気)の多用には向いていないからです。一方で調理器具や食器類等ピンポイントで体を隠すのに適した物体が多く、物の少ない浴場よりもオブジェクト方式に向いていると言えます。

2012-10-03 01:14:45
へっぽこぴーすけ @hpsuke

また、夜の光源に乏しい部屋というシチュエーションを最大限利用するのであれば、方向性のあるカンテラの光を使った影の演出を駆使して表現する手法も考えられました(分類としてはイメージング)。工夫し甲斐のある状況だっただけに、つくづく湯気に頼り切ってしまったのは無念であります。

2012-10-03 01:15:45
へっぽこぴーすけ @hpsuke

一方でもう一箇所の舞台である屋外の森の水浴びシーンは、「遮蔽物がなく湿気も充満しないが、動きを付けるのに向いている」という特性を活かしたポージングの多用が見られ、状況に適した手法の選択であったと言えます。体を隠すポーズが多いのも、変態共を警戒したと考えれば筋が通るでしょう。

2012-10-03 01:16:26
へっぽこぴーすけ @hpsuke

2回あるオブジェクト(フキダシと原稿枠)については、どちらも水浴びシーンでの利用となっており、遮蔽物の少なさを上手くカバーした運用と言えるでしょう。特に章介くんの大神殿送りのフキダシが結果的にマリエを守ったシーンは、キャラとも合致しており、高い評価を下すべきかと思います。

2012-10-03 01:17:20
へっぽこぴーすけ @hpsuke

以上、今回のサービスカット手法についてまとめると ○調理室にそぐわないスタンダード(湯気)の多用が目立つ ○水浴びシーンは適切なポージングの手法を採用している ○章介のフキダシガードはキャラ・状況とも一致して特に素晴らしい効果を上げている といったところでしょうか。

2012-10-03 01:18:03