ががまるボックス

ががまるくんの手記より
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蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「――聖華、力は制御できるか?」不意に水奏が聖華にそう言い放った。「勿論…」聖華はそう言った。そして拳に刻印を浮かべ、白丸に殴り掛かった。「さすがはおっさん――膂力が半端じゃない」白丸はそれを防ぎ、面倒そうに呟いた。「――私の相手は貴様か」レトルトテイまーが静かに、水奏を見据えた

2012-10-07 21:27:09
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「俺まさかの仲間外れ…」キンが残念そうに呟いた。仕方無いので後方で被害が及ばない様に控えている暁、れもねーどと合流した。「先ずは――不意打ちかな」水奏が紅茶の翼を広げた。「魅入れなよ」彼が飛ばした紅茶は、えのきに付着した。「一体何のつもり――」えのきの顔が渋った

2012-10-07 21:34:17
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「――君の力は厄介だ。だから、死なずに生かしておくよ――可愛いお嬢さん(フロイライン)」水奏がそう言い放った。えのきは紅茶の縄で縛られていた…「まさか…こんな方法で……」えのきは不意を突かれて悔しそうだ。「あーあ…私がやりたかったんだけど……」阿呼は残念そうだった

2012-10-07 21:38:34
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「――敵が二人に増えようと、我が信念は未だ曲らず。眼前敵を捻じ伏せるのみ」レトルトテイまーは静かにそう呟いた。「―――声が小せえんだよ、仮面趣味の変態野郎。ま…その仮面ごと叩ッ斬るから問題ないな!」阿呼が不敵な笑みを浮かべる――

2012-10-07 21:46:52
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「しんどいですわあ…」白丸が緊張感の無い言葉を吐いた。「貴方――ふざけているの?」聖華が相手を睨みつけながらそう言った。「…ハッ、星十字過負荷でありながら陛下に逆らうお前らの方がふざけてるよ。でさー…その性と容姿と名は、本物なの?」白丸がさぞおかしそうに言った

2012-10-07 21:55:11
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

阿呼の剣撃を受けたレトルトテイまーは、彼女から一歩離れた場所に居た。「――大した威力だ…同時に此処で無くすには惜しい力だ」彼が残念そうに呟いた。「ああ!?てめえ今の状況を解った上で――」彼女が怒声をあげると同時に、レトルトテイまーが叫んだ。「陛下に仕えるのは私達だけではない!」

2012-10-07 21:59:27
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

不意に阿呼と水奏の真上に数名の星十字過負荷のメンバーが現れた。「クッ――」二人は素早く危機だと察知し、その場から三歩離れた。「さすがは獣。危機には敏いな」「終ワラセヨう」「占めて絞めちゃいましょうか」「クマー」現れたのは三名。雷輝、水銀、ナデシコ、かましゃんだった

2012-10-07 22:05:40
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「老獪な事だな、仮面趣味。だがそんなんじゃ――」彼女が言葉を言い切る前に、ナデシコが彼女に斬り掛かった。「貴女は――絶望を認識した時、どんな表情するのかなあ」笑みを浮かべる彼女は、楽しそうだった。「ふざけやがって――」水銀も彼女に斬りかかった。二人の攻撃に阿呼も窮地に追い込まれた

2012-10-07 22:11:07
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

そして遂に――水銀の矢が阿呼を貫いた。「ハッ、この位どうって――」だが、彼女は自信の異変に気がついた。いつのまにか、自分の手が震えてる。頭が揺れる。視界が揺らぐ。息が荒い。足が――そんな彼女に矢と同じ様に突き刺さる言葉。「気ガ憑イテる?毒カト思ッた?違ウよ」

2012-10-07 22:20:24
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「ソレハ――"恐怖"だ」水銀がそう言った。阿呼は心中で「馬鹿馬鹿しい」と思った。そんな訳ある筈が無い――彼女はその思いを振り切る為に水銀へと斬りかかった。――不意に浮かんだ妹の笑顔…その顔が、いつのまにか目の飛び出た骸骨へと変貌していた。目を見開く阿呼――

2012-10-07 22:25:06
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

気づけば阿呼は、水銀の手によって貫かれていた。溜め出でる声と共に吐血する――「恐ダロう?――我々ハ本能カラハ逃レラレナヰ」水銀が冷たく言い放った。「――うおおおおおおオオッ!!」阿呼が叫びながら斬りかかった――が、背後に居たナデシコの剣によって斬り捨てられた

2012-10-07 22:31:04
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「阿呼!!」水奏が叫んだ――「クマー」かましゃんが背後に立つ。「舐め過ぎだろ」雷輝が吐き捨てた。「終わりだ――賊軍の長」レトルトテイまーがそう呟いた。遅れてあずきと黄瀬も到着した。「――立て!!!」不意にキンが叫んだ――その声は割れ響く歌の様だった

2012-10-07 22:35:27
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「拘束制御――解放!」聖華がキンの怒号を聞いて真の力を発揮した。「うおおっ…」「ちょっ…私これから用事があるのに」黄瀬が驚き、あずきは戸惑っていた。憎悪の表情を浮かべるは、白丸。「うおおっ、いいっすね!!」キンが嬉しそうに呟いた。何とも嬉々としている。

2012-10-07 23:25:47
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「――残風の太刀」後方に待機していた暁が水銀とナデシコの前に現れた。「そんな――そんな剣で私達に立ち向かうつもり?笑わせないで…」いつも笑顔を貼り付けているナデシコの顔が渋った。嫌悪からくる表情だ…しかし、水銀はそれを静止した。「アノ太刀ハ触レルモノ全テヲ風デ斬リ刻む」

2012-10-07 23:30:21
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「――さて、俺も出ますかね」キンが水奏と肩を並べる。負傷した阿呼はれもねーどとふーによって介抱された。「――相も変わらず空気が読めない御方ですね」えのきが顔をしかめる。「――僕の紅茶に縛られているというのに、大した自信だ」水奏が吐き捨てた。その表情は不快そうだ

2012-10-07 23:33:52
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「――ご苦労様でした、中将」半刻程たったその場所に現れた蝶ヶ崎は、レトルトテイまーにそう労った。そして見据えるは――後方で自分を睨みつけている水奏と聖華だ。「漸く大将のお出ましだ――長かった」水奏はれもねーどのお陰で傷はほとんど見受けられない。蝶ヶ崎はそれを静かに見ていた

2012-10-07 23:39:39
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「――どうしたよ、蝶ヶ崎。咎める言葉とかはねえのか」阿呼が問う。それに蝶ヶ崎は何の意思も感じさせぬ口調で「寧ろ良い事ですよ。誰も信じずに上の存在へと挑むその気概、大切にして下さい」――蝶ヶ崎が歩を進めた・刹那、暁が残風の太刀で斬りかかった

2012-10-07 23:44:21
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

不意に仕掛けられた攻撃。それを蝶ヶ崎はかわし――そして斬り捨てた。「――ッ!!」水奏は驚いた…まさか、今の攻撃がいとも容易くかわされるとは思っていなかったからだ。「――恐いですか?私が、理解出来ない事が、力の及ばない境地を目にした事が」蝶ヶ崎は何の感慨も覚えず、そう問う

2012-10-07 23:48:40
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

彼の後ろに居たふーもれもねーども――そして聖華も何時の間にか斬り捨てられていた。もう彼には蝶ヶ崎に反抗する気概さえ無かった――いや、違う。叩き潰されたのだ。絶対なる力の前に。「それでは――皆さんの治療は任せましたよ、中将」蝶ヶ崎は清清しい表情で言った

2012-10-07 23:51:59
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

―Two weeks later― 拠点は元の姿を取り戻した。しかし、水奏は浮かない顔だ…「僕は……今まで何をしていたんだ?紅茶界の貴公子を名乗っても、この様じゃないか。本当に……」彼は自分の無力さを呪った。これ以上に、これまで異常に

2012-10-07 23:58:14
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

次回は優雅な紅茶男の活躍が描かれます

2012-10-08 00:02:22
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

STARMINUS 3 The beast which is provoked by sweet honey――「いやー、今日は良い天気ですね」キンが照りつける太陽を見ながらそう言った。「ええ、眩しい程ですよ」その声に答えるは、同じ星十字過負荷であるれもねーどであった

2012-10-08 21:31:13
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「今日は皆さんに自家製の蜂蜜を配りたいと思います!」れもねーどが集まってきた星十字過負荷のメンバーに大声で伝えた。その声は実によく通り、聞く者を元気にさせる事だろう。「へえ…血以外の液体なんて飲んだ事無いけど」ナデシコが興味深そうに蜂蜜を眺めている。気になっているのだろう

2012-10-08 21:34:06
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「あ!よかったら食べてみますか?」れもねーどがナデシコに訊いた。「うーん…じゃあ少し」ナデシコがれもねーどから蜂蜜を少量貰った。それを指に絡めて舐めてみると――とても美味だった。甘過ぎず薄すぎず。自家製と言うだけあるだろうとナデシコは納得した

2012-10-08 21:36:37
蝶ヶ崎蛾々丸 @encounter_ggmr

「ふふ、気に入って貰えたみたいで良かったです!また食べて下さいね」れもねーどが美味しそうに食べるナデシコを嬉しそうに見ていた。「ええ、また食べさせてもらうわ…じゃ水銀の分も貰っておくわね」ナデシコはれもねーどから水銀が食べる分の蜂蜜も貰い、感謝の言葉を述べてからその場を立ち去った

2012-10-08 21:40:21