【Chrys】作品集

創作物、ざっくり纏めてみた。
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@Chrys_ris

(静か過ぎる)罠だ、と判ってて飛び込むのは些か不安もあったが仕方無い。遅刻もしていなけれは早過ぎもしないタイミングでの出勤にも関わらず、人が全く居ないのだ――勿論休日だとか、悪天候でもない。さて、どう無策に踏み込むか。入口を張り込み、溜息を吐いた。 #twnovel #Chrys

2012-10-01 12:18:33
@Chrys_ris

「……なにやってんの」「うわ!」上司に遭遇したので、入口を無言で示す。「……あれ」いつもなら警備員が居て、セキュリティカードの通過音がする。それが無い事に、不信感を抱いたらしい。「どうしますかね」「行くしかないでしょ」「ですよね」 #Chrys #twnovel

2012-10-01 12:24:18
@Chrys_ris

解っていたが、なかなか危険だ。恐る恐る入口へ向かうと、上司は堂々と警備員の前に立ち――「え、はぁっ!?」何かを取り出そうとした警備員をハイキックで倒した上司に呆然としていたら、ごそごそと漁っているではないか。「身分証付けてない警備員なんて居る?」 #Chrys #twnovel

2012-10-01 12:35:26
@Chrys_ris

尤もだが、警備員――偽だが――相手にいきなり蹴りを出せる反射神経も相当の物だ。「怪しい方が悪いんだって……走ろっか」急に引っ張られて、後ろから銃弾の雨に追い駆けられる。「ちょっ、本気かこれ?」「みたいだねー」暢気な上司が恨めしい。 #Chrys #twnovel

2012-10-01 12:50:15
@Chrys_ris

「確かにあの警備員、見た事無かったですけど……」3ヶ月通勤して、新人の警備員が入った事もあったが必ず先輩が傍に居たのを知っている。朝のラッシュに初顔が1人なんて有り得ないと、冷静になればわかるが――「大丈夫?」走り慣れない身体が、悲鳴を上げそうだ。 #twnovel #Chrys

2012-10-02 08:44:45
@Chrys_ris

「やっぱ基礎体力の違いか……」早々に上司とはぐれた。予期していなかったと言えば嘘になる、軽く20cm違う身長差や男女差を抜きにしても階段で2階迄上がるのがやっとの人間にしては銃弾の雨から逃げられただけで奇跡だ。始業前とは思えない静けさに、身震い。 #Chrys #twnovel

2012-10-02 11:53:25
@Chrys_ris

「あ、れ?」人影に身構えるも、それは倒れていた。私服の様だが、傍らに拳銃が落ちていたので油断ならない。近付いても動かないので、武器だけ回収。彼と擦れ違わなかった事から考えると――「誰か、無事……なのかな?」それなら心許無いので、早目に合流したい。 #Chrys #twnovel

2012-10-02 11:58:01
@Chrys_ris

「……重」倒れていた人が身に着けていた武器を失敬したのは良かったが、身体に不釣り合い過ぎて疲れる。ただ、放置して未知の敵に使われるのも困る訳で――「誰、かな」微妙に、気配を感じる。先程迄行動を共にした上司、吉原ではないようだ。 #twnovel #Chrys

2012-10-03 08:19:20
@Chrys_ris

陰から窺うと、黒光りするものが見えた。人そのものは、見えない。「んー……味方なのかな」武器をたまたま拾って警戒してるだけだとしたら、無闇に近寄れない。誤解を解いてから、の必要がある。「ちょっと探ってみようか?」「あー、その方が……は?」 #twnovel #Chrys

2012-10-03 08:22:44
@Chrys_ris

「吉原さん、いつの間に居たんですか」叫ばなかっただけ良いと思いたい、一緒になって様子を見ていたのは吉原だった。「何か応戦出来るもの無いかな、って……2つも拾ったの?」「ハンドガンとマシンガン、ですかねぇ」ハンドガンは良いが、マシンガンは何せ重い。 #twnovel #Chrys

2012-10-03 08:25:46
@Chrys_ris

「じゃあ、そっち俺に頂戴」「渡した瞬間蜂の巣は嫌ですよ?」「そうする気なら最初とか、今見付けた時に蹴ってるから」笑顔で言う台詞ではないが、説得力はある。試し撃ちする気も起こらないそれを渡して、ハンドガンを構えた。悔しいが、吉原の方が様になった。 #twnovel #Chrys

2012-10-03 08:54:38
@Chrys_ris

そもそも、手より先に足が出るのはどうかと思ったがそれに救われたのは事実だ。「あの、どうします……?」「援護よろしくねー」頼もしいと言うべきか、無謀か。慌てて姿を現すと、そこには――「尾野さん!」「あれー、2人とも無事だったんだぁ」別の上司が居た。 #twnovel #Chrys

2012-10-03 09:37:04
千早 @tatsuya_chi

紅玉の 如き瞳は 何求め 何を言はむと するかを知らじ #tanka #jtanka #Chrys #arhm http://t.co/DxWKFqbF

2012-10-03 22:44:19
千早 @tatsuya_chi

雨粒が 織り成す波紋 数えつつ 見上げる空は 垂れ込めし雲 #tanka #jtanka #Chrys #arhm http://t.co/SUv92UAf

2012-10-03 22:49:57
@Chrys_ris

「無事、ですかねぇ……この状況って」吉原と新たに合流した尾野は向かい合って、警戒を解く気配が無い。見知らぬ人からまだしも、上司同士で何故。「ホントだよー、君もそう思うでしょ?」「……」尾野は普段通りの柔和な口調だったが、吉原は厳しい目をしていた。 #Chrys #twnovel

2012-10-04 00:58:09
@Chrys_ris

「まず吉原さんに質問があるんですが」 「何」 「私より尾野さんを優先して助けない理由は何ですかね?」 知り合ってからの年月、仕事上での立場――全て私より近いのに。 「だって最初に教えてくれたでしょ? あれだけで理由になる」「じゃあ尾野さんにも」 #twnovel #Chrys

2012-10-04 01:01:56
@Chrys_ris

「そんなに難しい質問じゃありません」寧ろ、本題なだけ。吉原にぶつけたのは本音だが、答えに期待はしていない。「何故、最初に武器を向けたんですか?」「え……そこ?」吉原と尾野の視線が、一斉に向く。「だってこの状況で」「尾野さんは、最初に無事を確認した」 #Chrys #twnovel

2012-10-04 01:05:34
@Chrys_ris

「尾野さんは見ず知らずの人に、タメ口で無事を確認する性格じゃありませんよね」「……」「しかも、冷静だ。無闇に攻撃する意思は無い」「……何が言いたいの?」「私と吉原さんだってわかってて、武器を向けた理由は何ですか?」 #twnovel #Chrys

2012-10-05 08:54:41
@Chrys_ris

この時点では半々だったが、笑顔のままの尾野から返って来たのは言葉では無かった。「っわ!」「あっぶな……!」身を低くして何とか避けられたらしい、何処も痛くない。「スゴいね2人とも。どうやってここまできたんだろー……」 #Chrys #twnovel

2012-10-07 00:01:11
千早 @tatsuya_chi

あの時に ぽつりと言った 君の声 今でも耳の 奥に残りて #jtanka #Chrys #utayomi75

2012-10-07 19:22:42
千早 @tatsuya_chi

二人の褥 ぽつりと言った 「そろそろ結婚 しようか」と #Chrys #utayomi75

2012-10-07 19:24:41
千早 @tatsuya_chi

ポストには 包みが一つ リボン付き 届いた気持ち 痛いほど 伝わってきた 高まる想い #Chrys #折句 #長歌 #utayomi75

2012-10-07 20:55:27