福島県庁がドブに捨てた「安全」と「安心」の約束

福島県庁の総合安全管理室と「安全で安心な県づくりの推進に関する条例」は何を目指し、何を謳い、どう消えたか。
10
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

福島県が震災時の初動対応の反省風(≠反省)の文書を公表したのだが、担当部署が「生活環境部」となっており非常時を感じさせない。役人の世界はこういうものか。 http://t.co/WwSAn8XF 

2012-10-10 19:36:04
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

福島県庁の組織系統を見ていたら、こんな部署が目にとまる。→ 総合安全管理室。部局横断的な福島県知事直轄の機関だそうだ。 http://t.co/l3DpE4jE

2012-10-10 19:38:05
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

「平成18年3月に「福島県総合安全管理基本方針」を策定しました。「誰もが、いつでも、どこでも安心して暮らせる安全なふくしま」を理念として掲げています」← すばらしい理念。http://t.co/2WDOC4OA

2012-10-10 19:38:42
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

その文書→「福島県総合安全管理基本方針~誰もが、いつでも、どこでも安心して暮らせる安全なふくしまを目指して~」http://t.co/gATdy2ID

2012-10-10 19:39:26
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(基本方針抜粋1)「これらの安全・安心の取組みを通じて、経済効率性優先、情報公開の不徹底、縦割り行政の中での対応の遅れ、関係者だけで議論を進めるという国民的意思決定プロセスの欠如などの我が国における安全・安心に係る問題を提起するとともに、(続く)

2012-10-10 19:41:18
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(承前)これらの問題を貴重な教訓として、現場の状況を踏まえた迅速な対応を図るなど安全・安心な県づくりを推進してきました」← 国をリードする勢い。自信満々。

2012-10-10 19:42:02
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(基本方針抜粋2)「地方分権の大きな流れの中で、国から出発する中央集権的なベクトルから住民を出発点とするベクトルに変え「県民こそが主役」との視点から、県は県民の立場に立ち…本県独自の総合的な施策の展開に取り組むことが必要」← 地方自治体の鑑だ。

2012-10-10 19:42:45
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(基本方針抜粋3)「県は、防災対策を始めとした危機管理の強化、犯罪防止、食の安全、医療の充実など各般にわたる県民の安全・安心の確保に関する課題対応に当たって、共通する理念を掲げ、行政内部の業務の垣根を取り払い、部局横断的な取組みを更に進めることが必要」← 実に革新的。

2012-10-10 19:43:42
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(基本方針抜粋4)「未然防止の観点は、すべての分野に共通したものであり、日常業務自体が危機管理であるという認識の下、風通しのよい透明度の高い職場環境をつくるとともに(続く)

2012-10-10 19:44:40
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(承前)危機発生時の的確な対応や早期の復旧活動はもとより、県民生活や行政運営に悪影響を与える可能性をリスクとしてとらえ、事態の発生を未然に防止するための不断の取組みが重要」← 非の打ちどころ無し。

2012-10-10 19:45:41
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(基本方針抜粋5)「原子力発電所の安全対策など、県民の立場で国・事業者に対して徹底した情報公開を求め、県自体も徹底して情報公開を実施し対応してきました」「安全・安心が最優先との意識を組織全体に浸透させ、県民との情報共有による相互理解を図る

2012-10-10 19:46:34
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(基本方針抜粋6)「県民、地域が主役であり、県民の立場で考え、行動していきます」「県民の安全・安心を確保するためには、たとえ国が行う施策であったとしても、県民の視点、地域の視点から問題点を検証評価」← ヨウ素剤もきちんと配ってくれそうだ。

2012-10-10 19:48:52
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(基本方針抜粋7)「リスクなどに関する徹底した情報公開やリスクコミュニケーションに取り組みます」「安全・安心の追求に聖域を設けず、たとえ専門性の高い問題でも人任せにせず、「素人の専門家」として問題解決に徹底して取り組みます」← 御用学者の出番が無さそうだ。

2012-10-10 19:50:21
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(基本方針抜粋8)「未然防止から危機発生時の対応、復旧までの総合的な取組みであるリスク管理を強化し、計画・実行・評価・改善というマネジメントサイクルにより継続した取組みを実施」← 大船に乗った気分になれる。

2012-10-10 19:51:36
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

長々と引用したが、震災への県の対応を反省する際の欠くべからざる基準になる文書であろう。結論から言えば、これらの基本方針は全て吹き飛んだ。

2012-10-10 19:52:25
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

この県文書には「安全・安心」という言葉が頻出する。震災以降耳タコになった言葉であるが、ここではどことなく耳に心地よい。それは、「安心」という言葉が「安全」の付け足しに見える程度に影が薄いからだろう。震災後は「安心」が主になり「安全」が付け足しに変わってしまった。

2012-10-10 19:54:43
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

実は、「安全」「安心」を県はきちんと定義していた。総合安全管理室のリンク先にある「福島県安全で安心な県づくりの推進に関する条例」だ。(2008年12月24日公布) http://t.co/JSTUnoe2

2012-10-10 19:55:33
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(福島県・安全安心条例抜粋1)「次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。(1)安全 県民の生命、心身及び財産に被害を及ぼすおそれがないと社会的に認められる状態にあることをいう」← 学者や役人が「安全です」と言っただけでは安全を意味しないということだ。

2012-10-10 19:56:29
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(福島県・安全安心条例抜粋2)「(2)安心 将来にわたって県民の生命、心身及び財産に被害を及ぼすおそれがないと県民が信じる状態にあることをいう」← なかなか含蓄に富む。この定義に照らせば、現在の福島県に「安心」があろうはずがない。

2012-10-10 19:57:19
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(福島県・安全安心条例抜粋3)「第9条 県は、県民の安全に重大な影響を及ぼし、又は及ぼす可能性のある緊急の事態に備え、当該事態への対処及び当該事態の発生の防止に関する体制の整備その他の必要な措置を講ずるものとする」

2012-10-10 19:58:41
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(福島県・安全安心条例抜粋4)「第18条 県は、県民の健康保護を最優先し、及び消費者の視点を重視した生産から消費に至る一貫した食品の安全が確保された暮らしを実現するため、事業者に対する監視及び指導(続く)

2012-10-10 20:00:17
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

(承前)消費者及び事業者の活動の支援、国、市町村その他の関係機関等との連携の強化、リスクコミュニケーションの推進その他の必要な措置を講ずるものとする」

2012-10-10 20:00:44
道草クー太郎 @KutaroMichikusa

時間が無いのでここで総括。福島県知事直轄の総合安全管理室はこれら全てを反故にした。そして反省風(≠反省)の文書を「生活環境部」に出させた。以上(あとでまとめます)。

2012-10-10 20:02:01