◆◆◆ナゴンスレイヤー NAGON SLAYER◆◆◆
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春はあけぼの。定子様が好きで好きで仕方ない平安貴族です。只今絶賛宮仕え中。 エッセイスト/古文解説/ガチ百合 「逢坂の関越えさせろ」みたいな和歌はスパム報告&ブロック。出家・東下りはご自由に。 ※ファンの非公式botです。
(これまでのあらすじ:聖なる儀式カイアワセにより結ばれようとしていたチューグー・テーシと彼女に使えるクノイチ、セーショーナゴン。しかしその前夜、謎のニンジャ、ナゴンスレイヤーが現れ、テーシを奪い去っていった。)
2012-10-14 20:18:02(ナゴンスレイヤーの正体が最強のオン・ミョージ、アヴェ・セーメーのニンジャソウルに憑依されたレディ・ムラサキであることを突き止めたショーナゴンは、放浪の哲学剣士ムサシ・ミヤモトに弟子入りし、ファイブリングスの教えを授かる。)
2012-10-14 20:18:53(奥義を会得したショーナゴンは、トットリ・デザートでの試練を乗り越え、神話の地イズモにて、古事記に記された伝説の剣を譲り受ける。)
2012-10-14 20:21:38(時は、まさに世紀末!!セッカンポリシーをめぐるテーシ・サロンとショーシ・サロンの対立は、遂にジパング全土を巻き込む大会戦へと発展した!おおブッダ!これこそは、預言者ヒミコが言い残した終末のゲンペー・バトルなのか!?)
2012-10-14 20:23:12平安の都、ピースフル・キョート。かつて風流典雅の代名詞とされ、風香り、花咲き乱れた美しい街並みは、もはや見る影もない。テンプルは崩れ、川は腐り、都の入り口ラショーゲートには死体の山が積み上げられている。 1
2012-10-14 20:30:17荒廃したのは地上ばかりではない。天は厚い黒雲に覆われ、おどろおどろしい雷鳴が、休むことなく鳴り響く。深き怨みを抱く最凶のニンジャソウル、ミチザネの所業である。 2
2012-10-14 20:33:10ミチザネはその恨みの念があまりに深く、強かったため、憑依する先さえ見つけられずにいた。その怒りは、彼の子孫タカスエドーターが悲壮な最期を告げてから、ますます激しくなるばかりである。 3
2012-10-14 20:34:35しかし、その雷鳴に耳を澄ませ、むしろ心良さ気に目を細める人物があった。ベストセラーポルノ『ゲンジ・ノヴェル』の著者、レディ・ムラサキ。いや、今はナゴンンスレイヤーと呼ぶべきか……。 4
2012-10-14 20:39:09彼女はリラックスした態度で、スシを口へと放り込んだ。ネタは、彼女の好物イワシである。この時代、スシもイワシも貴族が口にするものではないとされていた。これらは被支配階級であるイーストエヴィスの食べ物として、存在そものもが蔑まれていた。 5
2012-10-14 20:42:42しかし、それでも彼女はやめられなかった。それだけの魅力が、スシとイワシにはあった。以前は人知れず食していたが、上司ミチナガの死後、ショーシサロンの実質上の支配者となってからは、遠慮することもなく、堂々とその味に酔いしれている。 6
2012-10-14 20:45:32ショーシサロンの本拠地、そしてセーメーのかつての住居であったアースゲートマンションに、彼女以外の人影は見えない。仲間のクノイチは、すべてショーナゴンに倒されてしまった。花も草も伸び放題になった庭に、牛のつながれないカウ・トラックが一台停まっている。 7
2012-10-14 20:49:26カウ・トラックは、小ぶりだが趣味の良いエイトリーブスのデザイン。よく手入れされていて、ホイールもシャフトも丁寧に磨き上げられ、索く牛がいないにもかかわらず、今にも走り出しそうである。荒れるがままにされたマンションと対比して、若干の違和感がなくもない。 8
2012-10-14 20:55:21「……来たか」ナゴンスレイヤーのニンジャ第六感が、待ち望んだ宿敵の来訪を告げた。スシを放り出し、立ち上がる。顔の下半分を覆うのは、「納」と「殺」の二字が打たれた鋼鉄製のメンポ(面頬)。 9
2012-10-14 20:59:07はたして、奴は来た。体中から、ただならぬニンジャオーラを漂わせている。訓練を受けたケビーシでさえ、並の使い手ならば目にしただけで恐慌状態に陥るであろう。その眼光はドラゴンのごとく、踏み出すその脚はタイガーの風格。テーシサロンのトップクノイチ、セーショーナゴンである。 10
2012-10-14 21:03:03「ドーモ、ナゴンスレイヤーです」闘気に臆することもなく、レディ・ムラサキはアイサツを放った。「ドーモ……」ショーナゴンは答えた。その声は重々しい。少しの間をおき、やっと口にする名乗りには必殺の覚悟! 「……セー・ショーナゴンです」 11
2012-10-14 21:08:28カチャリ…… だらりと下げた両手の中で、硬質な音が鳴る。ショーナゴンは手ぶらではなかった。右手には、幻刀・アメノハバキリブレード! 左手に、神剣・アメノムラクモソード! ムサシ直伝ダブルウェポン!!! 12
2012-10-14 21:11:36「シマネェ……サイコォォ……」 地鳴りのような呻きがショーナゴンの口から漏れた。剣を振るうにあたっては、必ずシマネのプロモーションを行う……それが、彼女に神剣を託した秘密結社ホークズクロウとの契約であった。 13
2012-10-14 21:14:42◆◆◆右手には、幻刀・アメノハバキリブレード! 左手に、神剣・アメノムラクモソード! ムサシ直伝ダブルウェポン!!!◆◆◆ http://t.co/kZB3kKPb #ナゴンスレイヤー #ngnslyr #ウキヨエ
2012-10-14 21:18:23ガカァッ!!! ショーナゴンの背後で、ミチザネの雷鳴が轟いた。ナゴンスレイヤーの目が、僅かに細くなる。稲妻がまぶしかったのだろうか?それとも鋼鉄製のメンポの下で、ひそかに微笑んでいるのだろうか?「テーシ様を、返してもらうぞ」ショーナゴンは言った。 14
2012-10-14 21:23:06