土居一洋さんのじてんしゃ図書館の話 by 一色登希彦さん

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一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

「怨」と「上目遣い」で出来上がっている精神というものが存在するのだなということは少し理解出来る。そして、しばしば、ひととき、強い。どうでもいいと放っておきたいところだけれど、しばしば歴史に残るレベルで他者の魂を吸い寄せることがある。

2012-10-22 21:55:26
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

さて。別の話。本日の自分の話を書き記しておく。

2012-10-22 22:06:14
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

土居一洋 @hyakunenno さん http://t.co/3Zo4df4C という人。自分の広めたい本を広める為に自転車で「図書館」を引いて全国を移動している人。・・・とのこと。(すみません、僕もまったく知らなかった)

2012-10-22 22:12:53
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

その土居さん。「水車を引いた自転車の人が国道を移動している」という噂がこの数日、自分の住まいの知人の間で広まっていた。僕はそれを断片的に耳にしていたのだけれど、どういう事なのかさっぱりわからなかった。(わからないよね?「水車を引いた自転車」なんて言われても…) ところが、

2012-10-22 22:17:47
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

近所の知人が「水車の自転車、国道で見た! 戻って、本人に話を聞いた。これが、本人から貰った本」と言って少し詳しい話をしてくれた。 僕はそれで、だいたいのことがわかった気がした。(聡明なフォロワーさんしかいないので、興味があったら前段のリンクから把握して下され)

2012-10-22 22:21:39
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

僕は、この、「何かによってそれまでの人生が全く変わってしまった」土居さんのことが、とてもよくわかる気がした。

2012-10-22 22:26:47
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

「あなたの気持ちがとてもよくわかる気がする」。そのことを、何かしら本人に伝えたいと思い、あるいは図書館の本を貸してもらいたいと思い、あるいはカンパなり何らかの形で支援をしたいと思い、単車を乗り出して本人を探して国道を走ってみた。

2012-10-22 22:28:55
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

国道の数十キロの果てに彼を見つけた。場所は「南島(なんとう)」あたり。三重県、芦浜原発の建設で大きく揺れ動いた場所。1車線の国道の上り坂では止まることも呼び止めることも容易ではなく、単車でそのまま追い越して通り過ぎ、少し先の公園エリアで待とうかと停車。

2012-10-22 22:33:24
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

待つ間に、まだよく知らぬ「彼」のことを少しググる。「旅先で出逢う人々からの奉仕は基本的に受けず」と(真偽はわからぬが)。 …であれば、僕に出来ることは、あまり無いな…と思い至る。

2012-10-22 22:37:35
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

僕は土居さんのことを聞くなり、彼の気持ちがとてもよくわかる気がした。ただ、そのこと自体を伝えても詮無いことだし、逆に・・・逆に土居さんの図書館にある本は、僕がとても好きな本に決まっている、あるいは僕も既に持っている本であるに決まっている。

2012-10-22 22:42:38
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

僕は僕なりに彼を理解しているし、彼の広めたい本は、僕はきっと持っている。そうであるなら、ひたすら自転車を漕ぎ進む彼を呼び止めることがむしろ彼を疲れさせるのでは?くらいの気もしてきた。このまま、過ぎ去りざまにもう一度彼の姿を見させてもらって帰ろうと思い、来た道を単車で戻り始めた。

2012-10-22 22:45:56
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

周辺はずいぶんな峠道だ。想像して欲しい。実物大の風車を模した重量の書架を牽引したフル積載の自転車を漕いで峠道を登る困難を。 果たして予想した通り、来る時に僕が彼を追い抜いた直後に存在した「工事中の対面通行規制路線」を彼は登って来る所だった。カーブの向こうから彼の姿が見え始める。

2012-10-22 22:50:27
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

こちら側から、「1台の自転車」が登って来終わるのを少なからぬ「自動車」が待っている。警備員は「我々」に気を遣って、その彼の自転車が早く登って来てくれないかと促す。 無理だよ。 本棚を牽引して登って来る自転車で、立派な「車輛」だ。我々「車輛」にもちろん彼を邪魔者扱いする権利は無い。

2012-10-22 22:55:08
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

警備員が手伝って後ろを押してようやく区間を登りきった彼の姿と、僕はすれ違う。息も絶え絶えで汗だくに見えた。目が合ったように思う。僕はせめて手を振って、それに応えてくれたように思う。

2012-10-22 22:59:30
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

きっと彼は、その、水車を模した重い書架を「自分が運ぶべき荷物」と決めたのだろうと思う。 そして、自分の肉体以外の何のエネルギーも使わずに移動し続けることを選んだのだろうと思う(原動機は使わない)。 何としても彼は、自分の脚で移動を続け、重い本を運び続けるのだろう。

2012-10-22 23:03:06
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

自分の人力だけでやる。 僕はそれがとてもよくわかる。 僕の知っている多くの人が、形を変え、それをやっている。 でもそのことを今は彼に上手く簡潔に伝えられない。去年よりはるか以前に、「この世界、何かおかしいでしょう?」と伝え始めた人に。

2012-10-22 23:06:32
一色登希彦_B面 @ishiki_b_side

ひとつ、思い返したら、彼の図書館に託したい本があったことを、今になって思い出して悔やんでいる。また会えることがあれば託したいと思う。 どうか続く道中、安全に往かれますよう。

2012-10-22 23:09:40

↓これは、安冨歩さんが漫画家の佐藤秀峰さんとのやりとりで述べた言葉(なので「漫画家」は一色さんではない)だけれど、みんながサラリーマンをやって、へんな一戸建てやマンションを買うのを当たり前だと思う世界はやはりどこかおかしい。おかしいと思わない人が多いのが怖い。土居さんや一色さんはそれに気づいて行動できた側のひとたち。

安冨歩(やすとみ あゆみ) @anmintei

誰もがサラリーマンになってローンを組んでヘンチクリンな家を建て、そのために里山や街並みが今も破壊され、人々は巨額の負債のために身動きがとれずに窒息し、それを成功した漫画家が羨んで「誇りを持てない」と言.. http://t.co/CQXHTHb5

2012-10-22 18:36:29