『GUNSLINGER GIRL』視聴四回目のつぶやき
「こばしょく」の唐揚げバーとミニ唐揚げを買って帰宅。さて、晩飯食いながら『GUNSLINGER GIRL』続き。今夜は第10話「熱病」から。
2012-10-26 19:49:49『GUNSLINGER GIRL』10話「熱病」。原作の「エルザ・デ・シーカの死(前)」にほぼ忠実な作り。2課(義体運用)を快く思わない1課の意をうけた切れ者・フェルミ(cv池田秀一さん)と相棒エレノラさんから見た客観目線で義体は人か道具かということを再び考えさせられる。
2012-10-26 20:26:16フェルミが声のせいでまんまシャア・アズナブルなのはご愛嬌。今回エルザの殺風景な部屋の中でほとんど唯一の個性だったラウーロの写真をちゃっかりくすねる所は原作通りだが、前日譚をやってくれたお陰で「写真」の重みがまるで違った。
2012-10-26 20:31:01VHSとDVDとU-NEXTで都合3回見た作品だが、今回の新たな発見はこの回でヘンリエッタもジョゼさんから贈られたカメラ(←けっこうゴツイ)でジャンとジョゼを遠巻きに見ながら「写真」を撮っていることが、エルザと係り結びになっていたことだ。
2012-10-26 20:36:31エルザがフォトスタンドに入れて所持していたラウーロの写真の由来はアニメオリジナルだが、原作では背面だけで正面からの画すら出てこない「写真」を前日譚によって原作でヘンリエッタが撮ったジャン&ジョゼの「写真」と意味的に綺麗に対置している。
2012-10-26 20:45:51『GUNSLINGER GIRL』11話「恋慕」。原作の「エルザ・デ・シーカの死(後)」にほぼ忠実。ここでも前日譚が生きている。原作ではヘンリエッタが「普通の女の子」ではなく「義体」であるという境遇上の相似からエルザの死の真相を謎解きするが、これは唐突かつ弱い。
2012-10-26 21:19:11前日譚でエルザが座学中や普段の生活もぼっち(ラウーロ一筋)な様子や、任務に失敗してラウーロに「使えない奴」認定される際にヘンリエッタが居合わせているからこそ彼女にはエルザの動機が分かるのである。このアニメによるアシストは見事だ。
2012-10-26 21:23:58そして原作ではフェルミとエレノラに「いい義体担当官」になれるとジョゼが水を向けて(救いなく)終了だったのが、アニメではジョゼがヘンリエッタにシチリア見物に(カメラを持って)行こうと誘うシーンを持ってくる。視聴者的に実に救われるのだ。
2012-10-26 21:29:25『GUNSLINGER GIRL』12話「共生」。9話の「彼岸花」とともにアニメオリジナル回である。今回見返すと、これは次回で着地させなければならないため、色々無理はある。しかしそこはこれまで話数をかけて丁寧に掘り下げてきたキャラクターたちが十二分に補っている。
2012-10-26 22:03:43フランカさんの粋な計らい、クラエスの眼鏡の誓い、(エルザの死による)2課への逆風、条件付け(薬漬け)によるアンジェリカの不調とマルコーとの行き違いからの焦燥、などなど原作既読者からも思わず「ニヤリ」とさせる仕掛けに満ちている。
2012-10-26 22:08:59難をあげれば、一応フィリッポさん(「守護」回の会計士)の情報で議員の子息誘拐を察知と前の話を引いて来ているのだがそれは「大掛かりなテロ」なのか? フランカ&フランコから爆弾を入手していることから爆弾テロも行うようだが「同時進行」は無茶だろう。
2012-10-26 22:22:40オリジナルエンドへ導くために、要はアンジェリカに致命的なミスを冒させることが今回の目的なのでこういう筋立てなのだろうが、犯人側が何をしたいのかが不明瞭だ。
2012-10-26 22:29:05まあ、そこはいい。私が最も違和感を覚えたのはアンジェリカの病室に義体が全員集合して遣り取りする精神的ケアの面で微妙な場面に、担当官も職員も1人も立ち会っていないことだ。「どうせもう死ぬんだわ」というアンジェリカのセリフを際立たせるためなのは百も承知だけど…。
2012-10-26 22:34:39『GUNSLINGER GIRL』13話「流星」。これは原作「歓びの歌」、フランカ&フランコ登場回の直後、フィレンツェ回の直前にあたる。原作ではフランカ&フランコ回(香水・ローマの休日)→本回(音楽・第九)→フィレンツェ回(美術)という流れに無理はない。
2012-10-26 23:18:19浅香監督がこの回をラストに回したのは色々理由はあるのだろうが、一番大きい理由は2話(実質1話目にあたる)「天体観測」という冒頭に対応する末尾として相応しいからであろう。この点からも1話目の過剰サービスは如何なものだったのだろうと残念に思うのだ。
2012-10-26 23:28:04その他の理由として、この時点で漫画は終了しておらず、既刊はどう見積もっても4巻ぐらい、将来的にもし2期(これは実現したがこの時点では不明)をやるなら3巻のピノッキオを中心に据える必要があり、それ以前から選ばなければならない「大人の事情」もあったであろう。
2012-10-26 23:37:05そして条件付けの副作用など既刊で「フラグ」が立っていたアンジェリカが入院しているというシチュエーションが作劇的に改変し易いという技術的なことも大きいだろう。実際追加シーンはクラエスとの和解、お見舞い客の記憶混濁、マルコーさんとの和解で済んでいる。
2012-10-26 23:42:37もう1つ付け加えるなら、端役のアルフォンソが「義体は人か道具か」というテーマに即した絶妙なセリフを(作者もそこまで想定してなかったくらい適切に)吐いている点だ。いわゆる「いい最終回だった」という奴だ。
2012-10-26 23:48:35ヒルシャー「どうした? アルフォンソ」/アルフォンソ「普段テロリストどもをなぎ倒し/三ヶ国語を話す小娘が…/今度はこのくそ寒い中/ベートーヴェンですよ?」
2012-10-26 23:53:13