「教養」の文化領域の編制 と 90年代後半の宗教関連や「サブカル」
- ttt_ceinture
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ケネス・アンガーの『ハリウッド・バビロン』(これもリブロポート!)はまったくひどいゴシップ本。だがヴィジュアルセンスがすべてを救う。彼の映画、特に後期オカルト路線はこの本の嫌なところを拡大したような感じだが、視覚的な鮮明さはつねに確かだし、初期作品をコクトーが激賞したのも頷ける。
2010-08-02 01:02:13フリッツ・ラング『リリオム』(1934)。ラングがアメリカに渡る前にフランスで監督した映画。遊園地で働く遊び人リリオムはジュリィと出会い、ともに暮らすも…という物語だが、ラスト30分の超展開に驚いた。書き割りめいた天国の場面。おそらく冒頭の遊園地とよく似ているのがポイントだろう。
2010-08-03 03:20:00昨日に続くフリッツ・ラング祭り。『死神の谷』(1921) http://amzn.to/cMdfLY はイントレランスの影響か、バグダッド、ヴェネツィア、中国にまたがる物語だが、ほとんどループものノベルゲームのように思えた。ただし主人公は女性。
2010-08-04 03:42:15『死神の谷』がループものノベルに見える理由は明白で、主人公女性は死神から、死んだ恋人の復活条件として、三つの場所の消え行く命のいずれかを救ってみせよというクエストを受けるからだ。各時代で女性は、死にゆく男性の恋人ポジションに置かれる。もちろん三つの試みは失敗する。そしてラストは?
2010-08-04 03:47:46結果的に『リリオム』『死神の谷』と続けてみたことは正解だったように思う。どちらも恋人たちの生死をめぐる物語で、特殊撮影で天国や死神の世界が描かれるという共通点があったからだ。
2010-08-04 03:50:54実は『死神の谷』をみて直接連想したのは、ファミコンディスクシステムの『タイムツイスト 歴史のかたすみで…』(1991) http://bit.ly/9L3IjI 。こちらは各時代を経巡るだけでなく「世紀末物」でもある点が、今考えると興味深い。1995年が鍵ということも含めて。
2010-08-04 04:17:18既にハリウッド-バビロンのネタ元が挙げられた…。RT @yishioka ケネス・アンガーの『ハリウッド・バビロン』(これもリブロポート!)//後期オカルト路線はこの本の嫌なところを拡大したような感じだが、視覚的な鮮明さはつねに確かだし、初期作品をコクトーが激賞したのも頷ける。
2010-08-04 11:35:21そういや、『死神の谷』(旧訳題『死滅の谷』)が安く手に入るようになったんだったな。私は長谷川哲也のブログで知ったという経路だったが…。
2010-08-04 11:41:16.@neurosnowblind むしろコア部分だけを取り出して神秘主義再考や宗教思想に向かう人もいたよ。ただし、唐沢俊一的「モンド」とかがすべてを冷笑的ネタ化したため(村崎百郎の私のイメージも唐沢バイアスかかってるし)あのへんの領域ではいろいろ潰れたと思うが。
2010-08-04 11:46:32「サブカル」という規定は各所でかなり違うものになっているし、00年代以後の東によるサブカル/オタクという区分は、おおむね彼の洋楽嫌い(あるいは興味薄)に根ざしたものでもあるし、同時にペヨトル工房(『夜想』)やリブロポートなどの仏文領域への距離も混ざってるから、厄介この上ない。
2010-08-04 11:50:19「サブカル」というのを、階級と大学人の習性や教養編制に根ざした仏文や各種文化領域に対する、奪還だととらえるならばペヨトル・リブロポートの持ってる雰囲気はある程度つながるんだけど、当事者はサブカルだと自称していたわけでもないし、「サブカル」という言葉の意味合いが何度も変質している。
2010-08-04 11:52:55大塚英志だと、むしろ「カウンターカルチャーとその衰退」みたいな言い方になるし、「サブカル」という言葉はかつてのカウンターカルチャーの継承的な語彙なんだろうけど、どっちも手垢に塗れすぎてて、言葉を出しただけで誤解を浴びる目算が高いんだよなあ。
2010-08-04 11:54:44しかも、それを語る当事者の世代や文化資本、念頭においている対抗対象、先行世代への意識などを考慮しないと、かなり歴史的に偏った規定になりやすい。大塚などは先行世代への嫌味混じりだろうし…
2010-08-04 11:56:04まったく自覚してなかったんだけど、傍から見ると私はやっぱり60-70年代以来のカウンターカルチャーの知の系譜にかなり近いんだろうな。先日諭されてやっと痛感した。90年代後半に書店の棚のQJ・宝島ムック本・唐沢などの並びは、いわばペヨトルの終わった後の光景なので結びつけてなかった。
2010-08-04 11:59:07人文領域や美術や映画・映像などと結びつけるって意味ではペヨトルの後、ある種途切れてしまい、唐沢的な「冷笑的ネタ&トリビア雑学」っぽいものが一気に広がって、むしろ人文disに近い空気が支配的になってしまった面があるように思う。
2010-08-04 12:00:31この辺りの文脈見えにくいですね。誰かまとめてるのかな… RT @ttt_ceinture: しかも、それを語る当事者の世代や文化資本、念頭においている対抗対象、先行世代への意識などを考慮しないと、かなり歴史的に偏った規定になりやすい。大塚などは先行世代への嫌味混じりだろうし…
2010-08-04 12:00:48私自身掴めてないです。なんか本ないのかな。RT @shionkono この辺りの文脈見えにくいですね。誰かまとめてるのかな… RT しかも、それを語る当事者の世代や文化資本、念頭においている対抗対象、先行世代への意識などを考慮しないと、かなり歴史的に偏った規定になりやすい。//
2010-08-04 12:03:32.@neurosnowblind 唐沢俊一が初期の「トリビアの泉」の裏にいたような記憶があるけど、ああいう雑学ネタで雑誌連載をしていたわけで、さらに言うとたぶんその成功は、それ以前の「映画評論」の系譜などとの切断を背景にしてるんじゃないかなあ。植草甚一とか。
2010-08-04 12:07:41