日生劇場オペラ『フィガロの結婚』についてドラマトゥルグの長島確さんがツイート

Kaku NAGASHIMA @textdub

ひさびさどっとツイートします。

Kaku NAGASHIMA @textdub

【フィガロの結婚①】いまオペラの稽古場に入っています。日生劇場開場50周年記念公演『フィガロの結婚』。 http://t.co/uDTIflBH 演出はベルリンのコーミッシェ・オーパで研鑽を積んだ菅尾友さん。

Kaku NAGASHIMA @textdub

【フィガロの結婚②】美術の杉山至さん、照明の吉本有輝子さんといっしょに現代演劇の側から参加しています。昨年の準備スタート以来、いろんなカルチャーショックを経験中。10月から稽古も本格始動し、いちいち新鮮でとても面白いです。

Kaku NAGASHIMA @textdub

【フィガロの結婚③】じつは稽古が始まってすぐ、体がおかしくなりました。間近で歌声を浴びつづけていたせい？　具合が悪いのとはちがうのですが、なんだかふわふわ、ぼーっとして、涙腺がゆるい感じ。それでオペラとは何なのか、自分なりにいまさらわかってきました。

Kaku NAGASHIMA @textdub

【フィガロの結婚④】じつはオペラは完全に体感型の芸術です。知識とか教養とかは関係ありません。いや、関係なくはないんだけど、ぜんぶ後回しでいい。とにかく生声を浴びること。そうすると「いける」ようになります。思いっきりエクスタシー系です。

Kaku NAGASHIMA @textdub

【フィガロの結婚⑤】オペラってヨーロッパの王侯貴族が数百年かけて開発・熟成させた、エクスタシー系のとんでもない代物なんじゃないか。このエクスタシーを知ってしまうと、さらなる刺激を求めていくらでもお金をつぎ込む人がいるのもうなずけます。

Kaku NAGASHIMA @textdub

【フィガロの結婚⑥】たぶん作曲家や演奏家・歌手のいろんな組み合わせ（調合）によって、効き方がちがうんだと思います。モーツァルトはアッパー系でトランス系。きっとダウナー系やチルアウト系もあるのでしょう。クラブ好きのひとは、はまるんじゃないかな。

Kaku NAGASHIMA @textdub

【フィガロの結婚⑦】いろんな素養や予備知識が必要な、敷居の高そうなふりをしていますが、本質は完全に体感型のジャンルです。勉強してから、なんて思わずに、えいやっと敷居をまたいで行ってみるのがよいと思います（チケット代の敷居は高いけど。。）。

Kaku NAGASHIMA @textdub

【フィガロの結婚⑧】ところでこのエクスタシー（最近じゃあんまり聞かない言葉。。）は、かなりオペラ独特な気がします。クラシックでも器楽曲ではこういう感じはしないし、クラブやライブのアンプを通した爆音の気持ちよさともちがうと思います。人体の発するあの声に秘密があるのかなあ。

Kaku NAGASHIMA @textdub

【フィガロの結婚⑨】それにオペラのエクスタシーは、演劇でも感じたことがないものです。演劇には「カタルシス」というものがありますが、これは別物です。また、カタルシスを批判したブレヒト的な「考えさせる」感じともまったくちがう。。演劇とは似て非なるものです。

Kaku NAGASHIMA @textdub

【フィガロの結婚⑩】そんな独特なエクスタシーに加えて、ドラマ部分で演劇的なカタルシスも併せ持つとしたら、オペラ最強じゃないかとさえ思います。まあその一方、現代演劇がいかにちがう部分をさぐり、大事に作っているのか、演劇の射程やポテンシャルもよくわかりましたが。

Kaku NAGASHIMA @textdub

【フィガロの結婚⑪】あと3週間余りで公演です。興味があったらぜひいらして下さい。11月21日（水）18:30〜20:30には無料のフォーラムもあり、杉山さん吉本さんらといっしょに出ます。オペラと演劇をまたぐ話になるかと。こちらもぜひ。とくに演劇かオペラに関心のある学生は必聴。

Kaku NAGASHIMA @textdub

【フィガロの結婚⑫】演出の菅尾さんのインタビューが毎日新聞に出ました。 http://t.co/sX6S0eMq また、現在出ている「シアターガイド」と「カンフェティ」には私のインタビューも載っています。手にとってみてください。

Kaku NAGASHIMA @textdub

以上、連投失礼しました。