『次の桃に続く』

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♍≠様♍ @XavierCohen

鬼の乱を平定した後、桃太郎の威光の背後にて隠然たる権力を恣にしていた御爺さんは、鬼退治の論功に不服を持つ雉が武装を固め謀反を企てているとの報により、兵2万5千を以て雉の巣を襲い此れを討取った事を契機に民衆の間に不満が鬱積し、その求心力を急速に低下させる次第と相為った。

2012-10-29 19:36:17
♍≠様♍ @XavierCohen

或る日、犬は御爺さんに謁見、此の席で次の様に直訴した。曰く、忠良たる雉に異心等あろう筈も無き事は他ならぬ御爺さんが誰よりも御存じである。全ては狡猾な猿の企み事にて候と。御爺さんは憤怒の面持で応えて宣うに、犬の分際で御爺さんたる朕に諌言する無礼には目を瞑ろう。さて、成程憎きは猿め。

2012-10-29 19:45:55
♍≠様♍ @XavierCohen

狡知に長ける猿は寡兵を以て御爺さん率いる軍勢と善く戦ったが、所詮多勢に無勢、桃太郎揮う剣の餌食と為りて虚しく果てる定めであった。又、猿の返り血を浴びた桃太郎は、高熱を得て3日の後に総身の穴と云う穴から夥しく血を流し、是又還らぬ者と成り果てた。

2012-10-30 16:52:30
♍≠様♍ @XavierCohen

悪疫は嘗て繁栄を極めた御爺さんの村を隈無く蓋い尽くし、夏が過ぎ木木が紅く色付く頃には行交う人馬とて無く、冷たい木枯らしの声ばかりが侘しく響く有様であった。又性根に於いて小心で或る御爺さんは、我が村の行く末を見る事も無く何処へと逐電し、其の後の御爺さんの消息は杳として知れなかった。

2012-10-30 17:00:59
♍≠様♍ @XavierCohen

春が来た。犬が投棄した団子は緑に芽吹き、次第に逞しい幹と為り、葉花を茂らせ、八年の後に立派な実を結んだ。桃の実は己が重さに耐え切れず、木から落ち側の川へと転がって行った。桃の実は悠々と滑らかに川の流れに揺られ乍ら、下流の村を目指して行った。どんぶらこっこ。どんぶらこ。

2012-10-30 17:20:44