塔10月号「十代二十代歌人特集」を読む・第七回 #塔1020

「アラブの半月刀」こと千種創一(@chigusasoichi)と「砂丘の埴輪」こと吉田恭大(@tanka_daya)の野塔二人による短歌評。短歌結社誌「塔」十月号の「十代二十代歌人特集」から毎回数人づつ取り上げていきます。 前回→http://togetter.com/li/399433
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千種創一 @chigusasoichi

■吉田恭大と、千種創一の、塔十月号「十代・二十代特集」一首評! 今日取り上げるのは、尾崎一定。 #塔1020

2012-11-02 22:11:20
千種創一 @chigusasoichi

狂人だ狂人だよと思われて蝉横たわるこれからが地獄 /尾崎一定「これからが地獄」 地面の蝉が今後生きながら蟻に食べられる予感を「これからが地獄」と表現し、自分の絶望感と重ねている。二句目の「よ」が字数埋めではなく見捨てた感じを出しているのがいい。 #塔1020

2012-11-02 22:17:40
Каракозов @hikaritoshigo

@chigusasoichi 「思われて」が内観ぽく見えるのがどうだろうね。あと、細かいとこだと「蝉横たわる」はどっちか開いても?

2012-11-02 22:22:15
Каракозов @hikaritoshigo

照りつける陽よ鳴く蝉よ勉学よ君との夏はここにはあらず/尾崎一定「これからが地獄」陽と蝉に、勉学を取り合わせたところが面白い。ちょっとした学生の悲哀。屍や死に纏わる語彙が多くて食傷するんだけど、不思議と明るいところが持ち味かと #塔1020

2012-11-02 22:28:41
千種創一 @chigusasoichi

@tanka_daya 「蝉横」、僕だったら絶対に開くね。「思われて」は外観・内観の両方読ませるようにしているんじゃないかな、好意的に解釈すれば。#塔1020

2012-11-02 22:30:19
千種創一 @chigusasoichi

@tanka_daya 語彙が悪目立ちしていて、僕はそもそも食べれませんでした。ただ、連作一首一首を見ると、良くも悪くもそんなにつつく点がないように感じる。一方、次の人は例の隊長格なので、続きは明日にしませんか。#塔1020

2012-11-02 22:40:07
Каракозов @hikaritoshigo

@chigusasoichi しみさんこの手の語彙に厳しいな。では、申し訳ないが次回にさせてくださいな。 #塔1020

2012-11-02 22:46:30
Дая @nanka_daya

ということで、よしだは短歌 #塔1020 から演劇 #のんだくれ に移行します。乾杯したよ。

2012-11-02 22:57:04
千種創一 @chigusasoichi

@tanka_daya 誰だって生きるのはつらいのに、自分だけ「つらいです」みたいなこと言ってほしくない。暑いときに「暑い」って言われると余計暑くなんじゃん。では、頑張ってのんだくれて下されー。#塔1020

2012-11-02 22:57:31
千種創一 @chigusasoichi

#塔1020 RT @namaurako 突然ごめん。わたしだったら、辛いとか、言っても言わなくてもいいや。ただ、陽はイカニモだな、この歌にも合わないし。鳴く、もいらない。君、が唐突。何がどうなのか、わからない。なにか、感傷の単語が並んでいるだけなかんじ。

2012-11-02 23:35:22
千種創一 @chigusasoichi

藪内亮輔 @Yabu_Snake による1988年、1990年、1991年、1992年の「塔」通読の感想ツイートをまとめました。 http://t.co/7uEwSheV 若かりしころの塔選者クラスの活躍がここで読めます!

2012-11-03 20:50:08

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千種創一 @chigusasoichi

■吉田恭大と、千種創一の、塔十月号「十代・二十代特集」一首評! 今日取り上げるのは、大森静佳。吉田先生からどうぞ! #塔1020

2012-11-07 16:40:55
Дая @nanka_daya

【速報】携帯が、岡山で発見されました。

2012-11-07 16:42:48
千種創一 @chigusasoichi

触れることは届くことではないのだがてのひらに蛾を移して遊ぶ /大森静佳 上の句の断定を、手のひらに蛾がいるという実感が補強している。手のひらで蛾を遊ばせることは、決して心地いいものではないだろう。そこには苦々しさが含まれている。「のだが」という文体も調和している。#塔1020

2012-11-07 16:57:24
Каракозов @hikaritoshigo

@chigusasoichi 苦々しいのかなあ。主体は結構積極的だとおもう。「のだが」の一拍置きにきた感じとか、余裕があって面白かった。 #塔1020

2012-11-07 17:04:28
千種創一 @chigusasoichi

@tanka_daya 憧れに届かないから蛾で我慢するというか、自分で自分を罰するような、ちょっと自虐的な感情があると読んだ。 #塔1020

2012-11-07 17:07:38
Каракозов @hikaritoshigo

@chigusasoichi あー、蛾よりもっと届きたいものがあるってことか。なるほど。いずれにせ、蛾って語がポイントですね。実際移して遊べるかはわからないけど。 #塔1020

2012-11-07 17:10:36
千種創一 @chigusasoichi

@tanka_daya 補足: 好きな人や物に触れたとしても、それは自分に届く=自分のものになるというわけではない、という風に上の句を読みました。 好きな歌です。#塔1020

2012-11-07 17:17:38
Каракозов @hikaritoshigo

ひらくもののきれいなまひる 門、手紙、脚などへまた白い手が来る/大森静佳「歌の眼」ひらくものとはひらかれるもの。単に「きれいなもの」として提示された3つの名詞が、結句の白い手によって、より具体的な動きを暗示される。3つが段階を踏んで官能的なのも効果的。 #塔1020

2012-11-07 17:18:34
Каракозов @hikaritoshigo

もしこれが「同じ動詞のかかるきれいな語を三つ並べました。」だと発見で終わっちゃうのですね。結句で一歩踏み出しているのが魅力。 #塔1020

2012-11-07 17:24:53
千種創一 @chigusasoichi

@tanka_daya 選ぼうか迷ったけど、「脚をひらく」から来る官能がちょっと確信犯的である上に、「白い手」ってよくあるんじゃない?結句までは好きな歌なんだけどね。 #塔1020

2012-11-07 17:34:01