【novel】片想い、はじめます。

ツイノベ第三弾
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雪乃 兎 @usagi_AS

TN111201)"彼"と出会ったのは、友達の家に行ったときだった。彼は友達の兄の友達だったらしく、あたしと同じように遊びに来ていたのだ。 「はじめまして。」 そう言った彼にドキンとしたのが最初。 だけど、それは気のせいだと思ったんだ。

2012-11-12 22:24:20
雪乃 兎 @usagi_AS

TN111202)あたしは、叶わない恋をしていた。彼女がいる人を好きになったのだ。想いを伝えることもできず、忘れる以外選択肢はなかった。だけど、どうしても忘れられなかった。5年間も片想いをしていたあたしにとって、あいつを好きなことは当たり前だったのだ。

2012-11-12 22:25:09
雪乃 兎 @usagi_AS

TN111203)あいつを忘れようと、新しい恋を必死に探した。だけど、同時にあいつを好きじゃない自分を怖くなった。あいつ以外好きになれないんじゃないか。そんなことだって思った。だから、どうしても戸惑ってしまったんだ。あいつじゃない男の人胸がなったから。

2012-11-12 22:25:48
雪乃 兎 @usagi_AS

TN111204)"彼"とはときどき会うようになった。偶然なのかそうじゃないのか知らないが、あたしが友達の家に行くと彼もよくいたのだ。ほんの少しだけ言葉をかわす。たったそれだけのことなのに、いつもいつもドキドキしていた。名前も知らないのに?メアドも知らないのに?

2012-11-12 22:27:02
雪乃 兎 @usagi_AS

TN111205)だけど、そんな思いも次第に消えていった。逆に「会いたい」という気持ちがどんどん大きくなっていった。"彼"にそういう想いを抱いている。それは自分でもわかっていた。でも、踏み込むが怖かった。あんなにも憧れていたことだったのに。新しい恋に大きな恐怖を抱いていたのだ。

2012-11-12 22:27:48
雪乃 兎 @usagi_AS

TN111206)だけど。それじゃダメなんじゃないの?恐怖の暗闇の中ふと思った。逃げる言い訳なんていくらでも思いつく。でも、それじゃあなにも変わらない。いい加減あいつから卒業しなきゃ。ずっとあいつだけを好きでいるなんて、時間がもったいない。

2012-11-12 22:29:08
雪乃 兎 @usagi_AS

TN111207)あたしはケータイを取り出し、ポチポチとボタンを押した。ひかれちゃう、とか。迷惑かな、とか。そんなこと考えてたらキリがない。行動しなきゃ、きっとなにも始まらない。 「送信っと!」 プライドなんて捨ててやる。

2012-11-12 22:30:09
雪乃 兎 @usagi_AS

TN111208)『あのさ。ちょっと頼みがあって あんたの家でよく会うお兄ちゃんの友達のメアド、 なんとかして教えてくれない?』

2012-11-12 22:30:42
雪乃 兎 @usagi_AS

TN111209)片想い、はじめます。 end

2012-11-12 22:31:09