1,合唱をしていると、不意に心地よい感覚を得ることがある。自分の身体から声が出ているのか、自分のパート全体の空間から声が出ているのか、わからなくなる瞬間。
2012-09-29 23:18:292,いつもは自分の身体に沿っているはずの、自分と外との境界線がどこまでも外へと拡がっていくような感覚。なんとも名状し難いのだが、素晴らしく心地よいのだ。
2012-09-29 23:18:443,マーシャル・マクルーハンのメディア論では、メディアを身体の拡張(例えばラジオを耳の拡張として)と考えるが、その考え方に立つと、合唱の場合は歌声が身体の拡張の機能を果たしているのではないか。
2012-09-29 23:19:065,そのためには、歌い手各々が自身の境界線を拡げる必要があるし、それ以上に境界線を滑らかなものにするよう努めねばならない。周りに埋れてはいけないが、周りと異質な声を発してもいけないのだ。ある種、没個性的な世界である。
2012-09-29 23:19:446,それゆえに、合唱とソリスト同士の重唱とは考え方が全く異なる。ソリストはあくまでソリストであって、彼らは個性を最大限に引き出そうとしている人種なのだ。ビブラートの過度な細かさ、僅かに不正確なピッチなど、合唱では負となる特徴を、ソリストは武器とすることさえできる。
2012-09-29 23:19:597,その武器によって、ソリストは合唱の声量に対抗しているともいえよう。もちろん、声量・音量は単純に1+1=2とはならず、それ以下となることも寄与してはいるのだが。
2012-09-29 23:20:178,同じ声楽とはいえども、ソリストと合唱団員に対する教育とは別個のものであるべきだ。基本の発声方法は同じでも、それぞれ求められるテクニックは異なる。このことを指導者は頭に入れておかなければならない。
2012-09-29 23:26:58以上、合唱とソリストとの違いについての連ツイでした。私の見聞と、僅かな体験・体感による文章なので、間違っている点や至らぬ点も多々見受けられるかと思いますので、ご指摘を頂けると非常に助かります。長々と失礼致しました。
2012-09-29 23:31:48