茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第784回「理想のテレビは、ある」

脳科学者・茂木健一郎さんの11月24日の連続ツイート。 本日は、「ふりかえり系」かつ「分析系」ツイートです。
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茂木健一郎 @kenichiromogi

しゅりんくっ! ぷれいりーどっぐくん、おはよう!

2012-11-24 06:57:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第784回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、「ふりかえり系」かつ「分析系」ツイートです。

2012-11-24 07:47:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

りあ(1)昨日、屋久島から鹿児島空港に下りて、朝日出版の仁藤輝夫さんとぶらぶら空港ロビーを歩いていたら、テレビで大相撲中継をやっていた。時計を見たら、17時40分。それで、仁藤さんに、「見ましょう!」と行って、その前のソファに座って、缶ビールを買ってきて結びまでの三番を見た。

2012-11-24 07:49:07
茂木健一郎 @kenichiromogi

りあ(2)私は相撲中継を見るのが大好きで、これは、明治生まれの祖父と夢中になった貴ノ花(先代)を見ていた小学生の頃からの習慣である。といっても見る機会がなかなかないから、チャンスがあると飛びつく。NHK総合の画面は高精細で、きれいだなあ、と重いながら堪能した。

2012-11-24 07:50:47
茂木健一郎 @kenichiromogi

りあ(3)ところで、私は普段テレビをほとんど見ない。見る時間がない、ということもあるけれども、より本質的な問題として、メディアのファースト・チョイスがテレビではなくインターネットになっていることが多い。これはもう言い古されつつあることだけど、テレビを見ない人が多くなっている。

2012-11-24 07:51:45
茂木健一郎 @kenichiromogi

りあ(4)ニュースやドキュメンタリーは別として、その他のテレビは一切見ない、と断言する友人が周囲でも増えている。特に(私も時々そこにいるからあまり言えないのだけれども)、「ひな壇」に芸人がたくさん並んだつくりのバラエティが、テレビの劣化の象徴としてやり玉に挙がることが多い。

2012-11-24 07:52:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

りあ(5)今は、ネット上で、良質なコンテンツがたくさんある。huluが上陸して、アメリカのよくできたテレビ番組も見ることができるようになった。日本のテレビ番組の競争相手が増えたが、じゃあテレビは死ぬのかというと、そう簡単には死なないだろう。たとえば、昨日のフジ「アイアン・シェフ」

2012-11-24 07:54:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

りあ(6)私は見られなかったが、友人の白洲信哉(@ssbasara)が出ていた。かつて放送されていた「料理の鉄人」は、料理への愛のあるすばらしい番組で、鹿賀丈史さんの「アレ・キュイジーヌ!」という芝居がかった台詞から始まる一連の進行が、実に完璧であった。ほとんど毎週見て居た。

2012-11-24 07:56:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

りあ(7)テレビが死んだわけではない。今でも、『笑点』や、『NHKのど自慢』、『サザエさん』、『ちびまる子ちゃん』などの、偉大なるマンネリ番組がある。かつての、「連想ゲーム」や、「ぴったしカンカン」などのフォーマットは、とても完成度が高かった。今でも見たいくらいだ。

2012-11-24 07:58:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

りあ(8)テレビ番組の一部が劣化したとすれば、作り手の志が低下したのではなく、視聴者と、スポンサーと、タレント事務所と、メディアとの間の微妙な力学のバランスで、エアポケットに落ちてしまったのではないか。ネットがテレビを駆逐するという単純史観が退場した今、考えてみるべきことだろう。

2012-11-24 08:00:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

りあ(9)理想のテレビは、ある。結局は、それは、作り手の志と、勇気と、「テレビ的」という常套句を破る斬新な発想だろう。ネットが登場して、繰り返し見ることができる環境が整ったのだから、瞬間風速的な視聴率から、徐々に積み上げられる質に対する評価に、批評基準を変えることも必要だ。

2012-11-24 08:02:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第784回「理想のテレビは、ある」でした。

2012-11-24 08:03:23