放送博物館企画展「市川森一が遺したもの」関連イベント座談会「プロデューサー、演出家が語る市川作品」報告

2012年12月2日、愛宕山のNHK放送博物館ホールで行われた大河ドラマスタッフOBによる対談の様子のつぶやきを拾いました。
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のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

ここで司会の西村氏が制作統括を務め、黛氏が演出した作品『鏡は眠らない』の話題になり映像が流れる。『鏡は眠らない』は日本の戦後史を成功した男(仲代達矢)と運命を受容し天正少年使節が日本に持ち込んだ鏡に翻弄される女(三田佳子)を描いたドラマ。

2012-12-02 18:11:26
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

『鏡は眠らない』では少女(黒川芽衣)が鏡の魔力で殺人を犯すシーンが残酷ということで再放送時に改編されたが、今回はその少女による殺人シーンが流れた。

2012-12-02 18:12:47
netavare @netavare

@noyorin 芽衣じゃなくて芽以ですよね

2012-12-02 18:50:34
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

@netavare そうでした。殺される人物は佐藤B作さんだったかな?

2012-12-02 18:52:13
netavare @netavare

@noyorin 今日の「鏡は眠らない」は途中からしか見てないのでわかりません。テレビでだいぶ前に再放送も見たんですけど思いだせない…

2012-12-02 18:55:40
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

ここで演出の黛さんから秘話が。この天正少年使節が持ち込んだ鏡は実在し静岡にあると市川さんから聞いて黛さんは取材に。その鏡を資料として写真にたくさん撮ったが、現像してみると昔の少年の顔や神父の姿などが写りこんでいたという。

2012-12-02 18:15:43
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

ここで市川さんの作品のもうひとつのテーマである「夢」の集大成となった『花の乱』の映像が流れる。黛さん自身で演出したオープニングをフルで見せる。

2012-12-02 18:19:34
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

村上:『花の乱』の作品のテーマは「夢」。それは第1回のサブタイトルが「室町夢幻」であったことからもわかると思う。オープニングに登場する橋はこの世とあの世をつなぐという構造。同時に古代からの精神文化を伝え、時代は応仁の乱に突入、文化はわびさび数寄が生まれ現実と夢が交差する時代。

2012-12-02 18:24:37
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

黛:この作品の時代、人は目に見えないものを怖れ信じた。タイトルバックのモチーフには橋、そして世阿弥的なものとともに、背景の実写に恐山と熊野を入れスピリチュアルなものを描いた。シテの観世清和さんはこの世にいない人物として描いている。

2012-12-02 18:27:27
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

高橋:当時自分は『太平記』を担当していたが途中でNHKエンタープライズへ出向となった。異例の人事であり目的は新しい大河ドラマ企画の気運だった。そこで2年で3本という変則的な制作体制にプロデューサーとして参画することに。

2012-12-02 18:30:54
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

黛:市川さんは脚本の仕上がりが遅かったが、それは史料にこだわり自ら読み込んでいたからであった。『花の乱』では『大日本史料』を自宅にそろえ読み込んでいた。一方でセリフに力があった。

2012-12-02 18:33:22
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

高橋:市川さんはキャスティングイメージにもこだわった。自分の妻(三田佳子)の主演は市川さんからのオファーで実現。ただし当時は夫婦で独占とか怪文書が飛び交った。ここで客席の三田佳子さんからひとこと。

2012-12-02 18:37:08
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

三田:講演を聞いて市川さんと自分のかかわりが大切なものであると改めて感じた。ここで三田さんが癌にかかり克服したが、発見時に医者から2年前のストレスが原因と言われて『花の乱』かと思い至ったというエピソードが披露される。

2012-12-02 18:41:12
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

質問タイムに。質問:『トーキョー国盗り物語』をアーカイブスで見ていたら市川さんが劇中にゲストで出ていたがそういった脚本家以外でのエピソードは?答:確かに市川さんは司会がうまかった。弁が立つことで仕事では言い負かされることが多く、1行のセリフを直すのに3日ぐらいかかることもあった。

2012-12-02 18:46:15
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

質問:お三方は最近の大河ドラマをどう思っているのか?黛:大河ドラマはいろいろあっていいと思うが、大河ドラマは一流の料亭だと思う。そこで出されるものは、それにふさわしいものであるべきだろう。

2012-12-02 18:48:14
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

村上:かつての大河ドラマは年譜的でありクロニクルなものであった。今の大河ドラマはデジタル的であり分断されているように感じる。自分は視聴していて人間関係が見つけにくく、分断しているものを関係付けているものが判りにくい。人間を串刺しにする「串」を見せてほしい。

2012-12-02 18:51:27
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

高橋:『江』がよくなかったのは、俳優だけを見せるプロダクションの都合的なものが見え隠れしていたから。かつてあった放送局からの影響力が少なくなっている。『平清盛』は人間がフラットに一面しか描かれていてわかりにくい。市川さん的な難しい素材を脚本の技でこなす形になってない。

2012-12-02 18:59:24
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

司会:最後にみなさんにとっての市川森一さんとは?黛:パートナーとして愉快な方だった。インテリでありながらも下世話なことにもたけていた。村上:『ウルトラマンA』や『傷だらけの天使』の中で現在の日中友好問題や災害を先駆けて描いたり予言めいた作品を手掛けていたことは驚きであった。

2012-12-02 19:04:36
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

(承前)すべてが終わってみると若い時の温かさが残っている物語や、キーワードとしての夢が神経に突き刺さるようによみがえるところに作家の才能を感じた。

2012-12-02 19:06:56
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

高橋:市川さんはホームドラマが書けない人だった。いや、その世界にあこがれていても行きたくないという感覚に近かったかもしれない。ファンタジーとリアリズムを行き来しながら恐いところにたどり着いた感覚をもったテレビドラマの世界では貴重な人だった。

2012-12-02 19:10:19
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

黛:市川さんはフィクションを人一倍信じていた。フィクションは現実を凌駕するという虚構に対する信仰があった。それはまさにドラマ的なものであった。

2012-12-02 19:12:19
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

司会:市川森一さんのキーワードは「夢」であり「フィクション」や「虚構」をモチベーションとした稀有な作家だった。一方で国会図書館に脚本アーカイブスを作る活動も行っていて社会とのかかわりも未来に託していた。市川森一を忘れずに対話しながら作品を作り続けたい。

2012-12-02 19:16:02
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

なお、来年1月12日には「女性脚本家から見た市川森一」と題して大石静、中園ミホを招いて放送博物館で対談を行うそうです。

2012-12-02 19:18:14
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

以上、今日の座談会「プロデューサー、脚本家が語る市川森一」の概況でした。

2012-12-02 19:19:39
のぐちよしあき(元 配役宝典の中の人) @noyorin

たぶん、今の大河ドラマに関する質問をしたのは切通理作さんだったんじゃないかな?

2012-12-02 19:20:28