「私一人でできますから」
![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「私一人で出来るので、全部自分でやります」。しばしば耳にするフレーズだ。他人は頼りないから、未熟だから、信用できないから。確かに、仕事の分担は手間が掛かる上、上手く分担出来なければ作業効率が悪化する。場合によっては、いっそ一人でするのが良い時も有るだろう。
2012-12-03 15:11:10![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ただし、時と場合によって、この「単独行動主義」は様々な弊害を生む。まず、同じ組織内に、他に手が空いているメンバーが存在するのに、全てを一人で済まそうとするのは、そのメンバーの存在を無駄にしていることになる。
2012-12-03 15:16:41![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
もちろん、状況に応じてメンバー数を増減させる事が最も良いのだが、そう簡単にメンバー数を調整できない場合が多い。ある程度自分で考えて動けるメンバーならともかく、そうでなければ残されたメンバーは単純に「遊んでいる」ことになる。
2012-12-03 15:22:41![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
メンバーが「遊んでいる」のは、決してメンバーの自主性の問題だけではなく、リーダーの問題でもある。自分から動こうとしない、或いは動き方がわからないメンバーは、リーダーが動かさなければならない。「自分の首を絞める事になっても、他人は頼りたくない」と言う人間は、リーダーとは呼べない。
2012-12-03 15:26:02![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
また、これはメンバーの教育にも関わってくる。組織の形態にもよるが、自分以下のメンバーはいつか自分と同じ立場に立ち得る人々だ。サークルの後輩、と言えば想像に容易いだろう。今年入ってきた新入生達は、二年もすればサークル長になる。リーダーがしていた仕事を、メンバーが引き継いでいく。
2012-12-03 15:28:38![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
確かに、自分がリーダーである間は、自分一人で仕事をこなせばいいかもしれない。では、自分が居なくなった後の組織はどうなるのか。文章で「こうすればいいよ」とだけ教えれば、後はメンバーが理解して上手くやってくれるのか。そこまで優秀なメンバーをなぜ頼らないのか。
2012-12-03 15:34:39![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
結局、「頼りがいのあるメンバー」はリーダー自身の手で作っていかなければならない。最初から全ての仕事を完璧にこなし、臨機応変に動ける人間などほとんど居ない。だからこそ、簡単な内容からでも仕事を任せ、経験を積ませていく。経験を積んだメンバーが、次に組織を構成する重要な要素となる。
2012-12-03 15:36:59![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「どんな仕事でも自分一人でこなせます」というのは、組織と言う大きな視点から見ると、全く優秀では無い。他のメンバーを上手に動かし、なおかつ組織の重要な要素として育てていく事が出来る人間こそ、優秀なリーダーと呼べるのではないか。
2012-12-03 15:40:57