【厨二病リレー小説】孤島のストロングセオリー -千年の鎮魂歌-

三軒茶屋のとあるbarに集まった己の中の闇を押さえる事の出来ないものたちの無意識のうちに垂れ流された心の物語。
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Steve朕 @buccellatii

『ビースト、調子はどうだ?貨物船だから飯には困らんだろう』本部からの無線だ。『おいおい、どこで盗聴されているか分からないんだから連絡は最小に留めておけよ』『すまんすまん。現地はあいにくの雨だ…ブツが濡れないように注意しとけよ』 #chu2

2012-12-02 01:17:04
Steve朕 @buccellatii

『そんな素人みたいな事はしないさ。では、追々な』通信を切る。時間は朝の4時。最果ての地、ニライカナイ行きの船に潜入した俺は、俺の血の定めにケリをつけるために、全てを終わらせるために単身で「神の住まう島」に乗り込む事になる。 #chu2

2012-12-02 01:17:20
Steve朕 @buccellatii

この世界は一度「調律」によってネジが狂ってしまった。小さく、しかし延々とさいなまされるディストーション。何かがおかしい。完全な平和の裏に隠された狂気。オカシイノハオレカ、セカイカ?その問いに今度こそ決着をつける。ひとしきり考えて、また眠りについた。 #chu2

2012-12-02 01:17:38
DJZERO @DJZERO10

誰もが気がつかずにただ淡々と毎日を過ごすこの「世界」。他人に関心を持つという事を忘れ去ったこの世の中のおかしさを教えてくれたのは、先輩であり上司である天皇(すめらぎ)に唐突にもたらされた。 #テンペスト

2012-12-02 01:38:51
DJZERO @DJZERO10

それまでは俺もなんの疑問を持つ事がなくその日もコンビニで立ち読みをし、駐車場でタバコを吹かしている時だった。まるで自分の中の鬱屈を吐き出すかのように。「お前を生き返らせてやるよ」あの出会いが俺のすべてを変えた。 #テンペスト

2012-12-02 01:39:23
DJZERO @DJZERO10

船内が騒がしくなる。船員たちの走り回る足音で我に返る。仕事の時間だ。物音を立てずに行動を開始する。目立たず恐れず迅速に。耳にタコができるほど聞いた言葉を思い出す。 #テンペスト

2012-12-02 01:40:41
S @_ss_ssss_

「猪家 忍です」じつに陳腐な名前だ。もっと気の利いた名前を手配できなかったのか。 自分とその他のタンパク質の固まりを呼び分ける識別名にしかすぎないのだか。 教室を見渡すと一番後ろの、一番左側、廊下に一番近い席が開いていた。#テンペスト

2012-12-02 02:02:02
S @_ss_ssss_

「この島に来たばかりなので分からない事ばかりなので、いろいろ教えてください」 何回目だろうか。年をとらなくなってしまったこの体で、この決まりきった転校生の台詞を吐くのは。#テンペスト

2012-12-02 02:02:22
S @_ss_ssss_

教師に促されるまま、その、開いている席に着く。 瞬間、異様な、殺気とも言える、霊長類でない鋭さと湿り気を持った持った視線を感じた。#テンペスト

2012-12-02 02:02:36
ele @ele_ele_ele

ナグル、エグル、ツブス、コロス。躯から臓物を引き摺り出して、深紅の、血が、飛び散る。殺戮のイメージ。頭に浮かぶ、フラッシュバック。殺意、俺の中から違う人格が出てくる。駄目だ。駄目だ。この殺意を抑える。 #テンペスト

2012-12-02 02:28:26
ele @ele_ele_ele

俺は、自分の中の闇のセカイを押し殺し、冷静に視線の主を探した。俺の真後ろの席。ゆっくりと、振り返る。刹那、目が合う。不気味に笑っているが、その目は冷たい。ああ、天皇(すめらぎ)よ・俺は自分の宿命を呪った。#テンペスト

2012-12-02 02:28:45
ele @ele_ele_ele

俺は、後ろの席の男の両目を貫いた。 #テンペスト

2012-12-02 02:29:02
ele @ele_ele_ele

孤島のストロングセオリー -千年の鎮魂歌-#yamifjmr

2012-12-02 02:42:29
Steve朕 @buccellatii

『猪家さん…大丈夫ですか?』『あ、す、すみません…』あぶないあぶない。まずはとけ込んで空気になる事がスニーキングミッションの大前提だった。いつも、あいつがそれを邪魔するんだ… 『くふ…今のはよかったよ』後ろの席の男がまた湿った笑みを浮かべる。 #yamifjmr

2012-12-02 03:27:46
Steve朕 @buccellatii

『僕は四分儀朗樹(しぶんぎろうしゅ)。忍さん、よろしくね。』俺は返答をしなかった。飲まれたら、消える。どこに獣がいるか分からないこの島で、片時も気を緩めるわけにはいかない。緩めた時が、死だ。 #yamifjmr

2012-12-02 03:28:23
Steve朕 @buccellatii

『では、せっかくなので四分儀君、猪家さんを一通り学校案内してあげて下さい。』 俺は四分儀に誘われるがままに教室を出た。一通り学園の主要施設を紹介された後、神学室の前に差し掛かった時、また冷たい視線が空間に充満した。危険区域に入ったのか。 #yamifjmr

2012-12-02 03:28:45
Steve朕 @buccellatii

『猪家さん…ここに用があるんでしょ?』俺はまたこいつを無視する。 『ここはね…君のお姉さんが祀られてるんだ』こいつは、今ここで殺さなければいけない。 #yamifjmr

2012-12-02 03:29:05
DJZERO @DJZERO10

向き直るやいなや四分儀の右足が俺のこめかみを掠める。「いい反応だね。」したり顔で述べるヤツを睨みつけ、俺の右足が地面を蹴る。お返しとばかりに右こめかみを狙いすますも空を切るがそこまでは予想通りだ。#yamifjmr

2012-12-02 03:47:59
DJZERO @DJZERO10

角に追いやり行動範囲を制限する。モーションはでかくなるがあの技を使えば一瞬でキマル。想像と違ったのはヤツの余裕だった。完全に窮地であるはずのヤツの顔からは…否!四分儀の右手が変形していく。指先が一体化し鈍い光を放つ。「銀の抜刀術(シルバリオブレイド)」一閃。 #yamifjmr

2012-12-02 03:49:07