中国映画『私には言いたいことがある』についての鷲谷花/HWAshitaniさんのつぶやき(2012.12.03.)

第13回東京フィルメックス特別招待作品 『私には言いたいことがある/ When Night Falls/ 我還有話要說』 http://filmex.net/2012/ss04a.html <参考> 続きを読む
3
鷲谷花 @HWAshitani

まったく映画館に行ける目処が立たない日々が続く中、フィルメックスの『我還有話要說』だけは薪を寝床に胆を嘗めても見に行かねばと誓う。ロボコップポスターとの2ショットが應亮監督作品だなあ、と http://t.co/HckMdcgF

2012-11-18 23:26:14
鷲谷花 @HWAshitani

Although I couldn't see all the films screened at TOKYO FILMeX 2012, I believe that Ying Liang's "When the Night Falls" was the BEST one.

2012-12-02 20:36:19
鷲谷花 @HWAshitani

というわけで、應亮監督の『我還有話要說/私には言いたいことがある』に間に合ったのでした。常々、製作条件がいかに厳しかろうと、断固として「小さな映画」に収めるまい、という姿勢に深く感服していましたが、孤立した個人に焦点を小さく絞ることで「大きな映画」になっている本作。マジ天晴れ

2012-12-02 21:29:30
鷲谷花 @HWAshitani

というわけで、全くもって、久々に人混みの中で叫びたいレベルで良かったんですよ。『私には言いたいことがある』。犯罪者ひとりこの世から消し去るのに細かいルールや手続きの遵守など不要、という官僚機構と、もはや間に合わない手続きの数々を、それでも小さく積み重ねようとする《犯罪者》の母

2012-12-02 22:03:08
鷲谷花 @HWAshitani

『私には言いたいことがある』について言いたいことは尽きないのだが、とりあえず、「仕立屋の朱さん」が藤原釜足の生まれ変わりにしか見えない、というのが個人的にはたまらん。何かの間違いで天界から汚濁の人間界に紛れ込んだフェアリー。基本的に人類の役には立ってくれない

2012-12-02 22:40:32
鷲谷花 @HWAshitani

藤原釜足系おっさんフェアリー・朱さんの無垢な奉仕から、親切な郵便局の若者、「艾未未のブログを見て」集まった支援者たち、人権派弁護士にドキュメンタリスト、そして姉夫婦、『私には言いたいことがある』の70分間は、実にさまざまな支援や手助けや善意に満ち、そして楊佳の母の孤立は救いがたい

2012-12-02 22:57:54
鷲谷花 @HWAshitani

周囲の人々の善意と支援は、楊佳の母に救いとして届くことはない。楊佳の母が重ねる手続きの数々が、楊佳に救いとして届くことはない。映画はこの人々に救いをもたらせない。自分に誰かを救済する力があるという夢が打ち砕かれたところで、それでも、「我還有話要說―まだ言うべきことがある」

2012-12-02 23:10:27
鷲谷花 @HWAshitani

上映後のティーチ・インにて、應亮監督が、過去の作品で取り上げた人々の状況を変えられなかったことに絶望して、しばらく映画を撮らずにいた、と語っていた。映画にも、楊佳の母をずっとキャメラで追っていて、最後に「撮らないで!」と拒絶されて退散するドキュメンタリストが登場する

2012-12-02 23:30:37
鷲谷花 @HWAshitani

「撮ること、見ることによる救済」の可能性を諦めざるをえなくとも、なおもあっちに向かって「まだ言いたいことがある」、という、この志に共感せずにいられようか、と、ギラギラしながら壇上の應亮監督を見ていたのだが、あいかわらず長身と眼付きの鋭さで異彩を放っておられた

2012-12-03 00:16:10
鷲谷花 @HWAshitani

で、明日になったら、應亮『我還有話要說』が『チョンジュ・プロジェクト2012』の3本立ての1本だったことを綺麗さっぱり忘れるであろう。やぱし映画祭企画モノというのは考えもんだね、鬼門だね、という印象くらいしかすでにない。應亮が最後でなかったらどんな惨事になったことか

2012-12-03 00:28:40
鷲谷花 @HWAshitani

WHEN THE NIGHT FALLS is great film that depicts situations not only restricted to special circumstances of PRC, but also could happen to us

2012-12-03 02:00:41
鷲谷花 @HWAshitani

『我還有話要說/私には言いたいことがある』。息子の起こした殺人事件の真相がどうだろうと、彼が有罪だろうと無罪だろうと、映画が映し出す母の体験の理不尽さに変わりはないだろう、と、それは単に「中国はひどい」ということではなく、「死刑にする権限」の下に置かれた民の普遍的な体験でもある

2012-12-03 04:20:09
鷲谷花 @HWAshitani

『私には言いたいことがある』について言いたいことはまだまだ尽きまじ。絶望的な状況を映しながらも、ユーモアのセンスというか、ちょっとした挙動不審、間の悪さ、大雑把、うっかり、等々を見落とさない変に鋭い感覚と、『ロボコップ3』、なぜ3、のポスターはじめ独特の美術センスは健在のようで

2012-12-03 10:08:43
鷲谷花 @HWAshitani

「死刑執行を受けた息子のために母が奔走する」はメロドラマの定石。ラスト・ミニッツ・レスキューを目指して千マイルを一日で駆け抜けるべきところ、『私には言いたいことがある』の母は、必死の奔走を試みて、辿りつけるのは精々自宅のご近所まで、重なる粗忽が時間を食ってゆく。悲痛と笑い、交々

2012-12-03 10:25:45
ロムえもん @rom_emon

野宿者が武装蜂起する映画だな。 >ロボコップ3

2012-12-03 21:21:09
鷲谷花 @HWAshitani

「映画が始まった時点で負けが決まっている人生」を語らせると精彩を発揮する應亮監督。『終わり』『負け』が確定事項でも、当事者たちは右往左往の努力を重ね、キラキラした希望や小さな親切の数々に出会ったりする―という図式が、たとえば『好猫』の冒頭ワンショットに凝縮されていた、と思い出す

2012-12-04 11:39:42
鷲谷花 @HWAshitani

『好猫』の冒頭の長回し。唐突に冴えないアンちゃんが真正面から映し出され、姿を見えない占い師の声が、「アンタの運気は最高、まさに鯉の滝上り状態」とまくし立て、それを聞くアンちゃんの顔が次第に紅潮し、抑えきれない喜びが、まさに「(●´∇`●)」という感じの笑みとなって浮かんでくる

2012-12-04 11:43:55
鷲谷花 @HWAshitani

『好猫』の中卒29歳の主人公が勤めている強烈なブラック企業の社長の決めぜりふ。「私がこの事業をやっているのは、80パーセントは公益のため、残り10パーセントは社員のため、最後の10パーセントは自己実現のためだ」

2012-12-04 12:01:00
鷲谷花 @HWAshitani

應亮監督作品、たまに映画祭で見られるだけで満足すべきなのだろうか。映画館での興行はむつかしいのだろうか。『私には言いたいことがある』と『慰問』の2本立て興行とか、結構需要はありそうにも思えなくもないでもないのだが、と、小首を傾げて考える

2012-12-04 12:33:01
鷲谷花 @HWAshitani

そして應亮監督の苦難は続く。当局は国家転覆扇動罪を問うべく証拠集めをしている模様、11月に中国独立影像年度展@南京で予定されていた『私には言いたいことがある』の上映は警察圧力でキャンセルになり、ご本人の帰国も未だかなわぬとのこと。 http://t.co/tVgriWgc

2012-12-05 02:35:53