「私がワンピースを語ったらリア充が語るより凄い」総論・1、「ワンピースにおける"強さ"の描写と打破のシステム、及びそれらの破綻について」

nekojita(@busgasexplosion)氏による"バトル漫画"としてのワンピース論
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@busgasexplosion

ワンピースはヴェルゴさんのキャラや強さの印象付けがもうちょっと説得力有る感じにいっていたら今週なんか感動的シーンになっただろうにと思うともう残念でならない

2012-12-03 21:52:42
@busgasexplosion

ヴェルゴさんはもともとあんまり圧倒的防御力を誇っている様子が無かったし、オペオペの能力が完全に封じられた描写も無かったように思うからどちらかと言えば「なんで強い事になってるのかよくわからんヤツ」って感じだった。

2012-12-03 21:54:49
@busgasexplosion

あと読み逃していただけかもしれないが、ローがヴェルゴにひれ伏してから今回までの間に、ローは内面的にも能力的にも特に成長はしていないように思う。従って、物語としてローがヴェルゴに勝てる理由は飽くまで無いのではないかと思う。(今後、また短い回想?で明かされるかもしれないが…)

2012-12-03 22:24:16
@busgasexplosion

だがそこを有無を言わさぬ描写で補っているのは、クロコダイルに勝った頃のルフィなど、昔のワンピースを思い起こさせてもう逆に良いと思った。(クロコダイルにルフィが勝った時さえ一応能力がどうした的な理由づけとか、「お前は水が怖いから」ってなる程そういう事かってなる伏線回収は有ったけど)

2012-12-03 22:26:03
カツヲ @RX78_01

@busgasexplosion パターン的にはローの過去回想とかあってもおかしくはなかったかもしれない。話進まんけど

2012-12-03 22:28:46
@busgasexplosion

ワンピースは元々敵と戦う時に、ストーリーに有る内面、精神の盛り上がりと、物語的どうしても必要になる物理的な理由づけとを頑張って、伏線を用意して、ある種綱渡り的に両立させている感がヒーローものっぽくてすげーというマンガであったと思うんだけど

2012-12-03 22:32:05
@busgasexplosion

@RX78_01 このタイミングで入れたらどうやっても、回想というより後付けになっちゃう気がするし、まだしばらくは謎のままで残しておいてほしいですけど、ローの底を明かさないままに敗北や成長を描くというのはどうにも無理が有る感が出てきたので、そういう展開も有るかもしれないですね…

2012-12-03 22:33:49
@busgasexplosion

ゴムゴムの能力の底が一旦知れてからは、コイツにはどうやっても勝てないだろみたいなシーンを入れて、それを覆す事を何度もやってきたように思う。アーロン戦くらいまではルフィはゴムだから強いのよ、ってのと、新技を現実的な理由づけにして、精神的内面的な盛り上がりを描くのに主眼を置いていた。

2012-12-03 22:38:50
@busgasexplosion

エスカレートして正統的、肉体的な強さを表現するのが限界に達してからも、こいつは強すぎる、って敵を出して、物語で内面的に盛り上げた後、勝ち方を用意して勝っていた。クロコダイル戦しかりエネル戦しかり、その勝ち方はトンチレベルの事だったけれど、理由が全く無いのとは全然違って、良かった。

2012-12-03 22:41:15
@busgasexplosion

エネルより後、悪魔の実のネタが切れてきたというか、能力に付属する、ゴムでこれらに勝利できるような物理的理由づけが不足してきたように思われる。だってマグマにゴムで、勝てる訳ねーし。勝てねえ、と思わせる描写と、それを打ち破るカタルシスが、インフレしすぎて描けなくなっていた。

2012-12-03 22:45:25
@busgasexplosion

青キジ戦がそれを象徴していたように思う。これは勝てない、という感じだったが、大将青キジは結局打ち破られる事無く、事実上引退したようである。ルフィやその仲間が青キジに勝てる物語的精神的なものはともかく、物理的な理由が、全く作れなかった。

2012-12-03 22:47:24
@busgasexplosion

青キジが強すぎて、あいつが本気で出てきたらルフィ一味は事実上手も足も出ず全滅するしかない(→なので青キジはなにかと理由をつけて本気を出さなかったが)という事実も世界観や今後の展開を閉塞させつつあったように思う。

2012-12-03 22:48:57
@busgasexplosion

そこでCP9編は、敵はロギアではなかった。ロギアでないがとても勝てなそうな敵が出てきた。それから内面的理由づけをたっぷりして、最後には久しぶりに力で解決したように思われた。

2012-12-03 22:50:57
@busgasexplosion

ギア・セカンドやサードはあまり説明が無かったがかろうじてゴムと関係有る風だったし、代償の有るパワーアップという設定は能力のご都合主義っぽさをなるべく排除していた。だがその代償を全くうまいこと活用出来ていなかった事からは、相当無理をして考えた展開なのだろうなと予想する事が出来た。

2012-12-03 22:53:56
@busgasexplosion

その後色々有って…スリラーバーグでは「仲間との協力」という要素を打ち出して理由づけとし、勝てなさそうな敵に勝っており、あれもテンプレ通りの展開であったが、新しいテーマ性を得たかに見えた。が量産品のパシフィスタやくま、大将黄猿には、仲間と協力してさえとても勝てそうになかった…。

2012-12-03 22:57:24
@busgasexplosion

こういう事になった理由の一つに、ワンピースには「修行」というストーリー要素が結局の所殆ど無かったという事が挙げられる。ゾロが「俺たちは新しい島に行くたび知らず知らず力を増している」というような事を言っていたが、パワーアップは大抵戦闘中の事で、それも突然の事だった。

2012-12-03 22:59:03
@busgasexplosion

そもそも修行という要素を省略する事無く、うまく取り入れて具体的に描けた少年漫画は数える程しか存在しなくて(ハンターハンターとかヒカルの碁とか特に描写に長けた漫画だが)、修行はつまらないものになりがちだが、同時に説得力が無ければやる意味が無いという事実が有って、

2012-12-03 23:01:46
@busgasexplosion

それでDBでもマンキンでも死にかけてパワーアップしたし、ナルトも結局2年だか3年だか省略した。持論だが修行編や成長というのは、漫画でじっくり描くのは難しいように思うのだ。(アイシーとか、他誌だけどネギまとかエアギアとかは成長を描写する意気込みが有って良かったと思う、他にも有るが)

2012-12-03 23:04:35
@busgasexplosion

それで大戦争編で新たな活路を開こうとしたが、失敗し、2年の修行を行う事になった。戦争編の何が失敗だったかは、話すと長いので省略する。それで覇気が導入された。

2012-12-03 23:08:40
@busgasexplosion

勿論覇気に関する構想は割と早いうちから有った筈である。だが導入、明言する事には相当躊躇した筈である。もはや出してしまった強キャラに主人公たちが勝てる理由づけがそれしかなくなって、仕方がないから手を出したような感じだと思っている。

2012-12-03 23:12:07
@busgasexplosion

覇気はパラミシアと比べて簡単に強そうな能力を考えられるロギア系の敵に、勝つ時に、いちいち理由を付けなくてよくなるという有用なものだった。強敵を登場させてそれを打ち倒すというストーリー展開に相性が良く、これを量産できる可能性を秘めているように見えた。だがこれは決定的な麻薬となった。

2012-12-03 23:12:25
@busgasexplosion

覇気の良くなかった点は、今の所、三つ有ると思っている。第一に強そうな敵の説得力が無くなった事。主人公たちの底が再び見えなくなった事も相まって、簡単に「勝てないだろ」と思えなくなった。どんなに強そうでも覇気を高めて物理で殴れば良い。そこで外部に権威付けを求めていく事になったが…

2012-12-03 23:15:37
@busgasexplosion

今更賞金額とか、「俺のバックには誰が居るんだ」とか、下手したら「おれは四皇の部下だぞ!」とかでも、グランドラインの半分を踏破してきた今となっては十分な説得力を持たない事が有る。せめて初期くらい徹底的に描写で書かないと…

2012-12-03 23:16:31
┣┓━┃かを @dha_lo_jd

「どんなロギアにも必ずその実ごとの特定の条件下で"息継ぎ"みたいな無防備なタイミングができる」とかセーフティがあればなんとか出来たのかもしれない

2012-12-03 23:18:26
@busgasexplosion

覇気の良くなかった点の第一は、今までストーリーの起点となっていた強敵の描写を難しくした事だと言ったが、第二はそれまでに現れた、特にロギア以外の強キャラから、神秘性を奪ってしまった事に有ると思う。又ああいった神秘性の有るキャラももうなかなか出せない。

2012-12-03 23:19:08