「シー・ノー・イーヴル・ニンジャ」#2#3(再放送バージョン)
プリズンの玄関に現れた男がIDを係官に提示するまでもなく、その佇まいは十分に威厳に満ちたものであり、男が非常に丁重に扱わねばならぬ来客であるという事は明らかであった。それどころか、対応した係官は震えを抑えきれない。それはあるいは、遺伝子に刻み込まれたニンジャへの畏れか。 44
2012-12-14 23:36:07男はニンジャ装束姿で現れたわけではない。紳士然とした隙の無いスーツ姿である。だが、彼の名状しがたい威圧感……ニンジャ性とでも言うべき迫力は、市民への擬態で隠しきれるものではない。白金色の虹彩と暗黒の瞳孔が係官を射抜く。「ドーモ。中央署のコジマです」男はIDを提示した。45
2012-12-14 23:37:24「こちらに収監されているトオヤマ・デンジとの面会を希望します」「アイ……エエ」凝視された係官はゆっくりと失禁し、コジマのIDと令状を見た。「た、確かに確認致しました」息も絶え絶えに、係官は「出さない」と書かれたシャッタードアを開いた。「この先は別の者が案内を」「ありがとう」46
2012-12-14 23:38:58かくして、イグゾーションは堂々と正面からプリズンへ侵入した。IDと令状は当然、偽物だ。コジマというデッカーも存在しない。ザイバツ・シャドーギルドにとって、キョートの治安システムなど児童の積み木にも等しい。だが、仮に偽装が見破られたとしても、係官は彼を咎めず通すだろう。47
2012-12-14 23:44:22例えば読者の皆さんが警官だとして。竜巻の信号無視を咎め、行く手に立ちはだかるか?そんなことをしてバラバラに引き裂かれて死ぬ事に、果たして何の意味があろう?正義はあるか?勇気は?否。それは単なる蛮勇、無意味、犬死にだ。ザイバツのグランドマスターに対するとは、そういう事だ。48
2012-12-14 23:47:47考古学者ウミノはトオヤマ・デンジという名でこのプリズンに潜伏している。アンダーガイオン最下層の遺跡発掘隊から脱走した愚かな男。彼の握った秘密はザイバツ・シャドーギルド自体の欲するところだ。だがイグゾーションには独自の思惑があった。ロードへ身柄を献上する前に確かめるべき事実が。49
2012-12-14 23:49:28(((フジオ・カタクラ。せいぜい殊勝に二心を隠し、順風満帆の手応えに酔っておるがいい)))別の係官に導かれて廊下を歩きながら、イグゾーションはダークニンジャを呪った。(((過去は腐れた流木のごとし。どれだけ念入りに沈めようと、また再び浮かび上がるものよ))) 50
2012-12-14 23:53:42■婆■2■シー・ノー・イーヴル・ニンジャ!登場人物が増えてきたよ!交錯する思惑!これだねえ!デスドレイン!ひどい奴だ、そして強いね!悔しいねえ!悪いねえ!そして舞台は刑務所へ!あらま!フジキド!そんなにうまくやっちゃって!さすがだよ!■
2012-12-15 00:02:25■婆■3■この、ね、プリズンの描写!重点だねえ!なに?リンドウの暖かい面々?おやつも出るし、シャバよりこっちがいい?本当かい!アタシャ、イカジャーキープレスに巻き込まれるのはごめんだけどね!■
2012-12-15 00:03:52■婆■4■そうこうするうち、ついにザイバツ・グランドマスターのお出ましときたよ!イグゾーション!こいつがこのエピソードの主敵さ!只者じゃないよ!第一部にはいなかったタイプのヴィランだ!何なんだい、こいつは!あんた達見たかね?あの、クラミドサウルスをやっちまった時のこいつの目!■
2012-12-15 00:09:53■婆■5■バリキ・ジツ!恐ろしい!この強者アトモスフィア、実際どこまでやるのかね?一体どんな風にニンジャスレイヤーの前に立ちはだかるのかしら?今から恐ろしくてならないわね!続きが楽しみだよ!それじゃアタシャ今日はこれからボーリングだから、よろしくね!シーユーアゲインだ!■
2012-12-15 00:15:00