落第忍者の幻想入り

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羽川 跳 @zyosehuinu

【前回までのあらすじ】少年モンスケは十四歳。幻想郷迷いの竹林、その奥にひっそり佇む庵に隠れ棲み、師父(グランドマスター)と共に「ニンジャの修行」をしながら暮らしてきた。そんなある日、彼が師父から出された課題――完璧な忍び歩きを体得する為、モンスケは人生で初めて竹林の外へ出る。 1

2012-12-20 00:22:00
羽川 跳 @zyosehuinu

物体が移動する時、全く音がしないなんてことがある訳もない。あるとすればそれは超常の現象だ。そんな中、少年は導かれるように一人の妖精と出会う。彼女の名はルナチャイルド。都合よく相手が「音を消す程度の能力」持ちであることを知り、渡りに船と協力を持ちかけるモンスケだったが……。 2

2012-12-20 00:22:38
羽川 跳 @zyosehuinu

金髪碧眼、彫りの深い顔立ち。日本生まれではない、渡来人であることがひと目でわかるモンスケに、最初ビビったルナチャは彼をお仲間へ引き会わせて相談する。三妖精として調子を取り戻してからは、世間知らずなモンスケを丸め込んで、逆にこちらが利用してやろうと目論むのだった。 3

2012-12-20 00:24:01
羽川 跳 @zyosehuinu

師父(グランドマスター)こと魂魄妖忌、実は年甲斐もなくある小説にドハマリしていた。文々。新聞社説欄で八雲紫が連載する幻想パンク活劇「ジンジャスレイヤー」その展開にたまたま似通っていた為、幻想入りした子供を偶然助けた時、拾って彼をニンジャとして育てていたのだ。それが、モンスケ。 4

2012-12-20 00:24:58
羽川 跳 @zyosehuinu

自らの半霊をニンジャソウルと嘯き、成長する竹を毎日飛び越えろとか右足が沈む前に左足を踏み出して水を渡れとか、色々と無茶振りしかしない育て方の妖忌だったが、お陰で人外と渡り合う才能はまるで無かった普通人のモンスケも凡人から見れば充分な程度には強くなった。しかし、 5

2012-12-20 00:25:54
羽川 跳 @zyosehuinu

八雲紫は窮地に追い込まれていた。著作「ジンジャスレイヤー」実はこれ外界で大人気のサイバーパンク小説「ニンジャスレイヤー」から好き勝手に設定を改変して書いた二次創作をオリジナルとして出したものであり、実質盗作。誰も知らない筈だったその秘密を、何者かが匿名書面で突きつけてきたのだ 6

2012-12-20 00:26:38
羽川 跳 @zyosehuinu

本当に紫のオリジナルである「ふたりは☆彡秘封倶楽部」シリーズが鳴かず飛ばずだったことにカッとなってした犯行だったが、そんなことは言い訳にならない。幻想郷全土で大人気かつ、数年に渡る大風呂敷広げた連載を急に止めることもできない。困り果てた紫は、 7

2012-12-20 00:27:26