川上稔さんのつぶやき

自分があとで読み返したいがために作ったまとめです 気にしないでください
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川上稔 @kawakamiminoru

今日は午後からAMWで3下の白焼き確認です。まあ、これ終わったら3下の実質的な作業終了(ときたま、編集さん側からの確認が来る)ということではあります。でまあ、ちょっと感慨深い部分もあるので、昼だけど時間もあるのでつらつら書き込み。

2010-08-17 13:02:00
川上稔 @kawakamiminoru

この仕事を続けて十数年、という感じですが、長く続けていて良かったな、と思うことが結構あります。その中でも「作り手側になった後に、続けていて良かったな」と思うこともあったりします。その一つが「昔の作品で出来なかったことを、今の形で昇華する」というもの。

2010-08-17 13:02:12
川上稔 @kawakamiminoru

ものを作っていると、実力が足りなかったり、話の構成上無理だったり、キャラクターの変化や、またはページ数によって不可能だった「これは書きたかった」みたいなことが発生します。他にも「別の形だったらどうだったろうか」なんてのも。

2010-08-17 13:02:30
川上稔 @kawakamiminoru

作るものというのは生き物のようなもので、戻ることなど出来ないのですが、完成形を「完成」とする一方で、「別の形」への選択肢が幾つもあったのは確かなことで。しかしリピート生産なんて出来る筈もなく。

2010-08-17 13:02:50
川上稔 @kawakamiminoru

しかし、長い間続けていると、それらの「可能性」が、後々において、違う状況ではあるが「昇華する」ことが出来たりします。全く違う話の、違う展開の中なのに、やはり作り手の根本が同じであるがために、「可能性の道」みたいなものがつくときがあるんですな。

2010-08-17 13:03:00
川上稔 @kawakamiminoru

たとえば、クロにおけるBABEL上のアレックス対サンダーフェロウの戦闘は、新伯林における魔王と疾風の戦闘を書けなかったことが「これはしっかり書こう」に繋がっていたりします。

2010-08-17 13:03:20
川上稔 @kawakamiminoru

空戦関係は書くたびに「次の課題」みたいなのが出てきますが、自分の中では「次の面」に行っているということなのかもしれませんなー。連射王も、原盤のボス戦が今の自分の中で物足りなくなっていたので、その動きの部分については結構書き直しました。

2010-08-17 13:03:29
川上稔 @kawakamiminoru

同じように、クロの飛場父の対多人数戦闘は、新伯林で桃太郎侍が人狼部隊と戦った際に感じていた「こういう戦闘を、別の形で振り回すことが出来るだろうか」という課題に答えるものであったりします(これは佐山対自動人形、などにも持ち込まれますね)

2010-08-17 13:03:40
川上稔 @kawakamiminoru

ホラでもそれがあって、鈴のあのシーンは、巴里にて、「ベレッタがロゼッタを大事に思っているということが、生徒会長が読まされた彼女の論文からロゼッタに伝わる」という伝言告白の「逆からの可能性」だったりします。

2010-08-17 13:03:55
川上稔 @kawakamiminoru

ベレッタ側からの論文調の伝聞告白に対し、しかし、対になるロゼッタ側からの辿々しい伝聞告白は、展開上出来なかったんですな。対の二人なので、同シチュエーション(他者が思いを読む)で応え合う、というのをやりたかったのですが、やはり無理がありまして。

2010-08-17 13:04:08
川上稔 @kawakamiminoru

なお、当時は自分の方で抑えていて「大事」という表現でしたが、鈴のシーンでは、彼女のシーンとして、感情をはっきり言わせていたりします。伝聞告白は、たまに読者さんからの指摘がありますが、結構好きなネタで、そのやり方や物言いに自分の変化が見えたりしますね。

2010-08-17 13:04:27
川上稔 @kawakamiminoru

つーか、生徒会長=風紀委員の浅間、マレットのアレ=私がして欲しいこと、とか、ここらへんは意識してなかったんですが、ネタの回し方は相変わらずのようではあります。

2010-08-17 13:04:46
川上稔 @kawakamiminoru

こういうシーンに至り、気付いたとき、昔自分が書いたものを読み返して、文体や構成の云々ではなく「何をやりたかったのか」を思いだし、「これがあったからこそ今がある、と言えるものを作ろう」と考えたりするわけで。

2010-08-17 13:04:53
川上稔 @kawakamiminoru

自分の中にある可能性を捉え直し、クオリティの意味でのハードルとして、過去以上をやらないといかんよね、という感じで。何しろ、今の作品は今のものであって、過去のやり直しではないので。

2010-08-17 13:05:06
川上稔 @kawakamiminoru

そうやって、今の形として昇華出来たとき、過去の無念のようなものが、あって良かった=長く続けていて良かったと思えるもので。こういうのが、作り手の成長ということになっていくのかと、昨今はそんなことを思ったりします。

2010-08-17 13:05:20
川上稔 @kawakamiminoru

とまあ、そんな感じで。3下の修正チェックのコピーを確認しつつ、いろいろ思ったりですな。今後もしっかり、新しいものを提示しつつ、自分が昔作ったものや、作れなかったものを越えていけるよう、頑張っていきたいところです。

2010-08-17 13:05:29
川上稔 @kawakamiminoru

まあ何か、エディタに書いてたものをつらつらと。

2010-08-17 13:05:57
川上稔 @kawakamiminoru

いやでもホント、この仕事、否、何の仕事もそうだと思うのですが、長く続けていて見えてくることってありますよねー……。

2010-08-17 13:06:40