レン春botXmasまとめ(12/24,25)

レン春bot @renharu_bot

「そういや、七海。留学のこと、神宮寺にはもう話したのか？」「話しづらくて…」「話しづらいってことは、やっぱり留学は受けるつもりなのか？」「…いえ、まだ決めてはいないのですが…。神宮寺さんにどう切り出していいものかと…」

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作曲家になりたくてこの学園に来た。アイドルに曲を提供したくて頑張ってきた。たった一言、『留学します』そう言えば、夢は叶う。叶うのに…。どうしてこんなに胸が痛いんだろう

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「迷ってんのか？」「はい。すごくいいお話だと思います。自分にはもったいないくらい。断るなんてそんなの失礼だってことも十分わかっているんです。でも…」「神宮寺…か？お前がひっかかっているのは。まぁ、パートナーだし気になるか？」「はい…」

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「私は神宮寺さんの声に、彼の存在そのものにどうしようもなく魅せられています。あの声を、あの圧倒的なまでの存在感を、華やかさを、オーラを…活かさないまま終わるなんてできない。神宮寺さんが一番輝ける曲を作りたい」

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「そう思って、ここまでずっと頑張ってきました。もう、作曲家になるという夢だけでは満足できないんです。私は神宮寺さんとデビューしたい」「なるほど。そこまで神宮寺に入れ込んでいるってわけか…。なら逆に、留学なんぞ断ってもいいと思うがな。何故迷う？」

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「神宮寺さんにこだわるからこそ、わからなくなったんです。神宮寺さんにとって私は必要なのかなって。こういうの温度差って言うんでしょうか。私が想う程には、神宮寺さんは歌にもアイドルにも興味がなくて、私一人が勝手に入れあげて必死になって。それって実は迷惑なことなんじゃないでしょうか」

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「まぁ、そういう場合もあるだろうな。けど、そんなもん、本人に確かめずに、ここであれこれ考えてもしょうがねえだろ」「…はい（悩むくらいなら、聞いた方が早い。でも…）」「なんだ。もしかして怖いのか？」「……。」「図星か？」

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「まぁ、仮にもパートナーに必要ないって言われたらそらショックだろうけどな…。あいつがアイドルや歌に対して冷めてることなんざ、とっくにわかってたんじゃないのか？にもかかわらず、お前はずっと頑張ってきた。違うか？なのにここに来て弱気になっているのは何故だ？」

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それはたぶん私が神宮寺さんに恋をしているからなんだと思う。片思いなら校則違反にならない。だからと言ってイコールこの気持ちを捨てなくていいということにはならないかもしれない。でも、今は想いを止められそうにないし、両想いになれなくても、せめて嫌われたくないから。

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「やぁ、レディ。こんな場所に呼び出すなんて、なかなかマニアックだね」「神宮寺さん！よかった…来てくれたんですね！」「大事な話なんでしょ？あぁ、この前は悪かったね。迷惑だなんて、さすがにあれはちょっと言い過ぎだった。反省しているよ」「いえ、そんな…お邪魔しちゃったのは私の方なので」

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「…少し、怖くなったんだ。レディがあんまりにもまっすぐで、ひたむきだったから…」「神宮寺さん…？」「ただ、君の気持ちは嬉しかったからね。気持ちだけいただいておくよ。で、用件はなんだい？」「あの、その前に一つ質問してもいいですか？」「どうぞ」

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「神宮寺さんは…神宮寺さんにとって私は…私の曲は……。……神宮寺さんは私がいなくなったら少しは寂しいって思ってくれますか？」「いいや、全然。君とはそういう関係じゃないはずだ」「そう…ですよね」「…っ。そんな顔…しないでくれ。困ったな…君には笑顔が似合うのに…」

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「神宮寺さん……」「レディ？どうしたんだい？」「あっ、ご、ごめんなさいっ。あのっ！大丈夫ですっ。私、元気ですからっ！」「笑顔を見せてくれるのは嬉しいけど、無理してまで笑うことはないよ」

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「…アメリカへの留学を勧められてしまいまして…アメリカで勉強したあと、作曲家としてデビューさせていただけることに…」「へぇ、良かったね。レディの実力が正しく評価された結果なんじゃないかな」

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「…デビューを前提とした大変ありがたいお話なのですが、私はやっぱり…」「レディが行きたいのなら、アメリカでもどこでも行けばいい。オレに止める権利はないよ」

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「聞きましたよ、七海君。留学されるそうですね」「あ…はい。留学して、本格的に音楽を学んでみてはどうかとお声をかけていただきまして」「マジっ！何それ聞いてねえよ。つーか、レンは…？レンはそれでいいのかよ」「別に…。彼女の人生だ。決めるのは彼女だろ？オレがとやかく言うことじゃない」

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「なんだよ、それ。冷たい奴！引き留めるだろ普通！」「翔…。彼らには彼らの考えがあります。他人が口出しすべき問題ではありませんよ」「そりゃそうかもしんねぇけど…なんかさびしくなるな。せめて、送別会くらいは盛大にやろうぜ！」「ありがとう」

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神宮寺さんとも、もうすぐお別れ…。だったら、その前にせめて曲だけでも完成させなくちゃ。これは未練。私の最後のわがままだから。卒業オーディションの曲を作って神宮寺さんに手渡したら、笑ってさよならしよう…。

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後悔のないように。今の私のすべてを詰め込んで。この心にある『好き』という気持ちを全部…ひとつ残らず全部、全部、曲の中に詰め込む。心のままにメロディを紡ぎだす。そして、今度はそのメロディを一つずつ丁寧に編曲していく。

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「…できた。聴いて欲しいな…」『曲ができました。聴いてください。レコーディングルームで待っています』「…来て…くれるかな…」

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「やぁ、レディ。曲ができたんだって？」「はいっ！あのっ。ありがとうございますっ！」「ありがとう…か。それを言うのはオレの方だ。それはオーディション用の曲なんだろう？留学準備で忙しいのに悪かったね。聴かせてもらってもいいかな」「はっ、はいっ！今かけますっ！」

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「…なるほど。悪くない」「あの…じゃ、じゃあ、この曲を卒業オーディションで歌っていただけますか？」「ああ…この曲を完璧に歌いこなせるのは世界中でただ一人、このオレだけさ」「ありがとうございますっ！！」

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「…出発は明後日だっけ？」「…はい」「浮かない顔だ…。留学。君は少し前、迷っていたね。理由は、語学への不安？それとも自分の才能に自信が持てないから？あるいは…。いや…なんでもない。とにかく、大きなチャンスには違いない。頑張っておいで…期待しているよ」

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「ああ、そうだ。明日のダンスパーティなんだけど、オレがエスコートしてもいいかい？」「えっ！い…いいんですかっ！！あの、わたし、すごく嬉しくて…でも…。本当に私なんかでいいんでしょうか？」「ああ、明日で最後…だからね」