工房径ついのべ集 2012年12月、2013年1月、2月

12月、2月の連作を除いたため、合計11作と少なかったので3ヶ月分でまとめました。17作。
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工房径(koubou-kei) @pleaseinuplease

#twnovel 「却下」会議中、鶴の一声。恋人でもある上司が、僕の企画を没にした。不満はソーダ水の泡みたいに湧き上がる。「なぜ」ふたりきりで詰め寄れば、目を伏せた彼女のシャドウは翡翠色。「私に認められたくて焦り過ぎなのよ」そりゃそうさ。僕が君に勝てるのはベッドの中だけだもの。

2013-02-20 13:30:36
工房径(koubou-kei) @pleaseinuplease

#twnovel 曇天の海は鈍色。万物を飲み込もうとうねる波。海岸線を運転する、あなたの横顔が読めない。ここずっとまともに話もできなくて。別れ話を覚悟していると「こないだ話してた男、誰」低い声と共に、車はホテルのパーキングへ。「絶対に渡さない」あなたの瞳の奥に、荒れ狂う鈍色の海。

2013-02-20 19:35:17
工房径(koubou-kei) @pleaseinuplease

#twnovel 信号が変わったのに気付かず、後ろからクラクションを鳴らされたみたいに。うちの課に転属になった彼は、私の立場を脅かす。気に入らない。隙のない仕事ぶりも、歯切れのいいプレゼンも、タイトなスーツも。「それって、俺が好きってことでしょ」ほら、その自意識過剰の台詞もね!

2013-02-21 16:05:45