「さて、ギルベルトくんは、こういう事は不慣れなんでしたっけね」 そう言ってほほ笑んだ本田の顔にギルベルトは思わず腰を引いた。そもそも本田という男はのらりくらりと他人の意見をまいて見せるその器用さのように女の扱いも上手いときく。
2012-12-26 02:03:39最初は信じなかったギルベルトだが、女を横に侍らした本田を見た時はその気だるげな色気に驚いたものだ。女を膝に抱え、腕にかかえ、酒をたしなみ、一目みて「ああ、こいつはやり手だな」と胸におちた。本田という男は自分をのらりくらりと隠すすべを心得ていたが、いったいいくつ顔があるのだろうか。
2012-12-26 02:06:22そして、今対面しているのは、あの日偶然垣間見た本田の顔である。正直冗談ではない。東洋の島国はこの幼い外見で相当な年齢だと聞くが、表情がいっぺんするだけで昼間なら笑い飛ばせるような事が笑い飛ばせなくなる。本田がクスリと笑った。「ああ、どうでしょう?私、ずっと、思ってたんですよ」
2012-12-26 02:10:43「なにが・・・・・だよ・・・・・」確かに本田に誘われて家で飲んだのは俺だ。だがまさか本田がこう酔うとは思わなかったのだ。「ふふ」そのまま本田の指がギルベルトの輪郭をなぞる。「若いですねぇ」と。その言葉と表情に本田の底が透けて見えたような気がして黙りこむ。まるで底が見えないのに。
2012-12-26 02:14:12「ああ・・・・・・・やめてくださいそんな顔」ギルベルトは身体が凍るのを感じた。動けないのだ。昼間自分を取りつくろう事にたけたこの男は、平気な顔をして「ギルベルトさん」と自分の下に出る。しかし「可愛いですねぇ、めちゃめちゃにしてみたくなるじゃないですか」圧倒的に本田は大人だった。
2012-12-26 02:17:57「ああ、女はね、良いものですよ。知っていますかギルベルトくん?」ギルベルトの耳元で本田が言う。「女というのは、可愛いんですよ。寂しい夜でもむなしい夜でも、妥協点までゆるりと連れて行ってくれるのです、でも、そうですね・・・すこし飽きてしまいました」
2012-12-26 02:22:12「そして男はね、ギルベルトくん」 ゆるりと顎に添えられた指が持ち上がる。「君のような初な子が、これまたたまらないんですよ、ねぇ・・・?特に私のように停滞した者にとっては」ギルベルトの持ち上げられた顎が後ろに引けず、本田の顔をまともに視界に入れる結末になってしまう。
2012-12-26 02:27:19「ああ・・・・・こんなに顔を真っ赤にして。抵抗も出来ないんですか?ふふ、私が怖いですか?本当に初なんですねぇ・・・・・」本田が笑う。これは、汚し甲斐がありそうだ、と。本田の唇がそのままギルベルトの唇に押し当てられた。「では、男の味、私が一から教えて差し上げましょうね」
2012-12-26 02:33:08ギルベルトは動けない。この身体の硬直は何なのか。それがまだギルベルトには分からない。それを愛おしそうに見る本田の真意も分からない。「大丈夫ですよ」そう呟く本田の瞳は自分とは違う複雑な色の雄の瞳で。「私好みに育てて差し上げますからね」本田の笑みと共にギルベルトの長い夜が始まった。
2012-12-26 02:40:04ギルベルトさんは、ふとした瞬間に菊さんの長年生きている事に付属するスレた大人の色気を感じて凍りつけばいいよ。そしてそんな初ギルベルトに大人のエロ菊さんは“調教欲”がわきますよね。一人のまっさらな人間をどこまで自分好みの女に仕立て上げられるか。色事になれた男の悪ーい遊び。
2012-12-26 02:44:58色事になれた大人の男の悪ーい遊びにつかまっちゃうギルベルトは、色事に慣れていないがゆえに戸惑いとわずかな恐怖から硬直する。今から喰おうと思ってるギルベルトのその穢れの無さが、菊さんにとっては愛おしくて、大切で、汚してしまいたい物だという妄想。
2012-12-26 02:47:29あと色事ではなくても、きっと菊さんはふとした時に年長者だと思うんですよ。本当に危ないときや、そうした方がいいと思った時は、あののらりくらりと姿をくらます掴めなさを捨てて「下がりなさい若造が」って若者をいなす事だってすると思うんですよ。そんで底は、生きた年月年季が違う。
2012-12-26 02:50:55わしの中での日普はですね、一見いつも「ケセセセセ!本田の飯ってほんとうめーよなぁ!!!」「ふふ、ありがとうございます」っていう、ギルベルト>本田のパワーバランスと見せかけて、セックスになると完全に本田さんの好みになるように育てられてしまってるギルベルトさんとか萌えますね。
2012-12-26 02:55:47菊さんにセックス教え込まれてて、でもその事実にギルベルト本人は気付かないんですよ。脱ぎ方咥え方入れ方腰の振り方感じる場所まで菊さん好みなのに、それを知っているのは菊さんのみ。ギルベルトはそもそも「セックスってこういうもんだろ?」って思ってる。菊さんに教え込まれたから!!!
2012-12-26 03:01:12ギルベルトの初さを愛しげに見る菊さん。調教中ギルベルトが意識飛ばすぐらいよがってても、それすら愛しくてたまらない菊さん。きっとギルベルト調教中の菊さんのまなざしは蕩けるぐらいに優しいと思う。
2012-12-26 03:03:53