@kyuumaruTK 百歩譲って脚だけでもいい あ、でも膝は潰したい 苦痛に歪む麻子の顔と、轢いてしまって自責の念に駆られる西住殿と華ちゃんの顔を観たい
2012-12-26 23:57:53被弾。焼けた金属の鼻を突く臭い、遅れて嘔吐感を誘引する酸鼻な生々しい臭気。「損害報告!」西住はひどくいやな怖気を覚えつつ反射的に叫ぶ。「装填手、大丈夫であります!」「砲手、足を怪我しました・・・ッ!」「通信手・・・・ひっ?!まこ?まこ!?いや!!」「・・・・!!」やはり、
2012-12-27 00:05:25敵のHVAP弾が二発、同一箇所に命中し操縦手席前面の複合防護板が貫徹され、その勢いで冷泉麻子が車外に放り出されていた。「マコさん!」西住はドライブシャフトが破断して惰性でのろのろと前進する戦車から飛び降りる。
2012-12-27 00:05:58だが、ああ。 どう見ても手遅れだ。冷泉も承知しているのだろう。 戦車道の履修者は救急法の習得が義務化されている。西住は家の教育で簡単なERすら行える。 しかし、どんな素人が見ても彼女の状態はあきらかだった。
2012-12-27 00:08:07彼女は車外にいる。 しかし、彼女は“操縦手席に座ったまま”だった。 西住が歩み寄り、彼女を抱き起こして手を握る。「なにか、伝えることは」「・・・おばぁに、愛してると」「そう、・・・ですか」 「あと、みんなに・・・・ありがとう、と・・・」「はい」そこまでだった。
2012-12-27 00:11:24彼女は、自分の了承が聞こえただろうか。わからない。 しかし自分は伝えるだろう。 手のひらで彼女の瞼をそっと閉じる。 救急班がいまさら到着する。そして五十鈴の足と、発狂寸前な武部の処置を始める。 下車した秋山がギリギリの表情で指示を待っている。「マコさんを、担架に」「はい・・・」
2012-12-27 00:14:25秋山は涙を流しながら、自分を見ている「ゆかりさん?」「にしずみどの、泣いてもいいと思います」自分は泣いていないんだろうか?変に落ち着いている気がする、どうしてだろう。「あれ・・・・え、ああ、あれ?」「すみません、変な事言いました。冷泉殿を運んであげましょう」「う、うん」
2012-12-27 00:17:16