タコノベ

珠玉のたかし小説
2

いいか、男は誰もデフォルトでは無職で童貞やけぇ。そして漢ならデフォで世界に立ち向かうのが筋じゃろう。そう、つまりワシは真の漢っちゅうわけや。ザコどもにわかるかいのぅ。

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彼岸花も見ごろを過ぎて、いよいよ涼しくなってきた。金木犀の香りがした。日が落ちても窓が開いたままだ。冷たい空気が入ってくる。時計を見て、ひとり頷く。風呂までにあと二回、たかしはひたぶるにシコった。

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ワシは高校を出るときに言った。「カーチャン毎日うまい弁当つくってくれてありがとな、飯ウマじゃった」と。カーチャンは「誰得w」と破顔一笑。ワシや、カーチャン。ワシが得しとる、そう言いかけてのみこんだ。これがたかしスタイルじゃけぇ。

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「一富士二鷹、なんだったかな?」たかしは、箸を置いて考えはじめた。さっきから、心配そうに見つめていたカーチャンが助け舟を出した。「たかし、おっさんよ」「そうか、一富士二鷹おっさんか!」これが母子のきずなである。

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さて、大学院卒業が先か、童貞卒業が先か、衆目の集まるところはそこであった。それでも当の本人は、不断どおりの調子だ。たかしは機械のように正確なりずむでシコっていた。

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大学進学を機に、親元を離れ好き勝手にやってきたが生活がいったん壊れた。壊れるまで分からない愚か者だが、それでも、ようやくワシは間違っていたと理解した。自分ひとりの間違いならよかったが、周囲に迷惑をかけた。孤独を気取っていたが、独力で生きてなどいなかった。

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「ちょっwwwおまっwww三次面接まであるとかwww拙者萌えブタゆえwwwww惨事は勘弁www虹で結構wwwコポゥwwwww」漢たかし、バイクでカーブは曲がっても、カープの帽子は手放さぬ。底の知れぬ傑物だ。

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「カ ラスがなくから帰ろじゃと?」思わず声を荒げた。21世紀中葉、ノーベル平和賞受賞者に名を連ねることになる、このワシがだ。「なんやキサマ、だったら カーちゃんないたら、働くんか、働かんじゃろが。ニートの覚悟を忘れんな、しっかりせぇや!」

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@bitotakoshi

みなさんもタコノベを執筆してたこしにDしよう!

2012-12-26 19:05:10