大澤真幸氏 「2012年の記憶『日本人の選択」』

『北海道新聞』12月28日朝刊7面「各自各論」に社会学者 大澤真幸氏が「2012年の記憶『日本人の選択」という文章を寄稿。その内容を紹介し、考えました。
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宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

『北海道新聞』12月28日朝刊7面「各自各論」に社会学者 大澤真幸氏が「2012年の記憶『日本人の選択」という文章を寄稿している。赤坂真理の小説『東京プリズン』を引きながら、日本人は戦後、本質的な大事を選択することを放棄し、小事を選ぶことに奔走してきたのではないか?と問う。(続く

2012-12-28 08:12:52
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)過去2回の総選挙では投票率が上がったのは、エレベーターで言えば押さずとも支障がない「閉」ボタンを力一杯押したのだが、必要な階数ボタンを押さなかった。今回は選択肢が増えたが、会議にありがちな、本質的な選択を回避するために、多数の提案がなされる形になった。(続く)

2012-12-28 08:21:00
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)大澤氏は書く。日本社会にとって何が本質的なこと、本質的な変革なのか。選挙でそれを明晰に言語化できた者がどこにもいなかったからこそ、今回の総選挙は盛り上がらなかった」。と大澤氏は再び『東京プリズン』に戻る。主人公は15歳のときに米国の学校でディベートに失敗したのだ。(続く)

2012-12-28 08:25:23
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)主人公が失敗したディベートのテーマは「天皇の戦争責任」。小説中のディベート自体が東京裁判のやり直しで、15歳の主人公に天皇が憑依し、語り出す。大澤氏が注目したのは、そのことだった。(続く)

2012-12-28 08:28:20
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)「戦後の最初に仕組まれてしまった日米関係が、日本人にとって根本的な解決のひとつ、唯一ではないが少なくともそうした困難のひとつだということである。(続く)

2012-12-28 08:31:23
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)一体、いつまで日本人は、「大事なこと」はアメリカの意思に合致するような形でしか決められない、アメリカに承認されることが自尊心の源泉だという状況を続けるつもりなのだろうか。」と。(続く)

2012-12-28 08:34:22
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)基地、原発の将来など、アメリカの意向に反して決められないと「日本の有力政治家、トップ官僚は確信している。アメリカとの現在の関係を不変の条件としてしまえば、日本人が選択できることは『些末なこと』だけにならざるをえない。」と大澤氏は書く。(続く)

2012-12-28 08:36:52
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)「誰かがメダルやノーベル賞をとったとしても、日本人全体の自信や自尊心は絶対に回復しない。回復のための不可欠の条件は、自分達の倫理的・政治的自律性を確立することにある。」というのが大澤氏の結論である。つまり、「戦争の本質的な反省と、対米自律の回復」が重要な選択だ、と。(続く

2012-12-28 08:41:47
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

(続き)大澤氏よりも意地悪かもしれない私は考える。日本は既に選択したのだ。「戦争を本質的には反省しない。米国に従属して大事は米国に決めてもらう」という選択を。この選択の是非を問うには、問題を選挙の大争点に掲げなければならず、少なくとも当面はそういう選挙にはならないだろう、と。

2012-12-28 08:50:59