理由は忘れたが,高田馬場の栄通りのゲームセンターで知り合った男性の部屋に遊びにいったことがある。カーテンで閉め切られた部屋に入って驚いたのは,部屋の隅に数体の首の無い女性のマネキン人形が立っていたこと。それだけではなく,腕や足のパーツもごろごろ転がっていた。
2009-10-30 23:48:20彼はそのゲームセンターの半ば常連のような男だったが,それ以来僕がしばらくそのゲームセンターに近寄らなかったこともあって,疎遠になってしまった。数ヶ月後,また僕がその店に出入りするようになっても,彼は姿を見せなかった。噂では専門学校を辞めて就職したとも,実家に戻ったとも聴いた。
2009-10-30 23:56:50ただ,後で知り合いに聴いたことだが,多いときで,彼の部屋にはマネキンが20体ぐらいあったらしい。彼はその間で寝ていたという。あと彼の薄汚れたボストンバッグの中にはいつも数本の「腕」が入っていたそうだ。昭和の終わりの頃,まだゲームセンターに大型筐体がほとんど無かった頃の話である。
2009-10-31 00:03:19高校時代ぐらいにいろいろと変な(当時の自分からしたら)人と知り合いになったけど,その関係が残っているのはほとんどいない。
2009-10-31 00:12:15秋葉原に面白い店があるというので,学校帰りに友人に誘われて行ったことがある。そこはいわゆるジャンク屋で,何に使うかわからない部品や,明らかに中古品をそのまま売っているような店だった。店主は老婆でただの店番かと思いきや,いろいろと知識を持っているという。
2009-10-31 00:34:25僕と友人はなぜか店の奥の部屋に上がれと言われた。お茶を出してもらったが,日本茶ではなかった。お茶請けに干したマンゴーやアンズが出て,しかもお香の香りがするというものだったので閉口した。しばらくして,数人の男が店に入ってきて,老婆に何か早口で言った。日本語じゃなかった。
2009-10-31 00:34:48友人は「お前も行くだろ?」と当然のように言ったが,服は学ランだし,もう夕方遅くなっていたので辞退した。友人はふーんという感じの顔をすると,老婆に小声で何かを告げた。「じゃ,帰れよ」と素っ気なく僕に言った。すごく嫌な口調だった。僕は言われるままに帰った。それ以来彼とは会っていない。
2009-10-31 00:35:01何度か秋葉原に行く時には,その店の前を通ることはあったが,バブルの頃にはもう無くなったようだ。友人がどこに行って何をしていたかは,今もって僕は知らない。
2009-10-31 00:37:11