- nakajima_sng
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『バレエ・メカニック』(津原泰水・早川書房)読。ハードSFであり、幻想小説の様でもある。うんざりするような文体が読ませる。強烈なイマジネーションに裏打ちされた小説だ。正直、一読では消化できない。要再読。むしろ再読に価しない本などそもそも読むに価しないかも知れない。
2012-03-01 23:29:52『耳刈ネルリと十一人の一年十一組』(石川博品・エンターブレイン)読。私の最大級の賛辞を送る。モチーフ、表現、キャラクターが見事なテクスタイルを織り成す「読む」に値する小説。文学的にもテクスト論的にもだが、「ライトノベル」としてネルリシリーズを私は傑作と呼ぼう。ナラー!
2012-03-07 20:07:12どの巻もいい。が、白眉は二巻だと思う。「民俗神話」「演劇」が大きなモチーフになっていると私は理解しているが、読んでいてなんか蒙を啓かれる思いだった。それを学園モノで料理するわけで。凄まじい。小ネタも三巻に至ってはもはや笑えた。
2012-03-07 20:14:29一度ちゃんと整理して読み、評論のひとつも書いてみたくなった。『ネルリ』シリーズは私のフォローしてるどなたかが強く推していたのだが、読んでよかった。明日からの通勤読書は『紫色のクオリア』です。
2012-03-07 20:17:58『紫色のクオリア』(うえお久光・メディアワークス)読。実に秀逸なアイデアに基づいた叙述量子SF。巧みな文章表現、構成が読ませる。「クオリア」が一つテーマなのだけどそれを量子論と現象学に引き寄せているのはスゴいな。イーガンよりかは解りやすいかな。あと、かなりキマシタワ要素アリ。
2012-03-13 10:38:55『Jの総て』はよかった。うーん、すごい漫画だ。最近は市川春子さんの『25時のバカンス』が衝撃的すぎてしばらくほかのまんがを読む気力が起きない。
2012-03-16 21:21:00『映画館と観客の文化史』(加藤幹郎・中公新書)読。映画作品論に留まらない歴史的な「映画館と観客」論を提起している。そしてそれを語ることで映画が観客を均質化していく過程は考えさせる。活弁の話も興味深い。翻って時代と作品論を考えてみるのも面白いかも。まったく、文化史って愛よね。
2012-03-30 23:10:18やっぱり私がずっと(大学で)考えていたのは、「メディア」と「私」の「ミディアム」という、ある種のトートロジーみたいなもんだったのかもしれない。そういう意味で、こういうメディア史は考えさせるものがある。次は『近代読者の成立』にとりかかるよ。
2012-03-30 23:14:10この素晴らしい文化史を読んだ私は、あの美しい映画”ニューシネマパラダイス”をもう一度観たくなったのですよ。序盤で群衆が(まさに前掲書に書かれるように)教会で映画を観ているシーン。観客はスクリーン=カメラ=私たちに向かって実に楽しげに笑っている。まさに私たちと鏡合わせのように……。
2012-03-30 23:18:33『セントールの悩み(2)』(村山慶・徳間書店)読。延々と設定とフェティシズムを語っている感じは好き。今後、物語が起動していくのかな。しかし、実にこういう、まんがでしか表現できない想像力と言うのを私はとても好きです。つまり、人間にあらざるものと人間の境界線ですね。堀骨砕三さんとか。
2012-04-15 19:26:54『お願い神サマ!(1)』(守姫武士・芳文社)読。ちくしょうwなんだこいつらwクソックソッ!(ギアッチョ風)……ひたすらいちゃいちゃしている百合風味の4コマ。しかし、回ごとに総括するようなキレイなまとめをする必要はあるのかなあ。むしろぶっとび系のオチでもいい気がするのだけど。
2012-04-15 19:32:58『天才柳沢教授の生活』とか『総務部総務課山口六平太』はいい。ああいう、ずっと連載している漫画があるというのは、それだけでその雑誌に帰ってくる理由になる。また、常々言うように、雑誌を毎号楽しみに読むということを高く評価している私は、季節感や時代感を捉えた連載漫画が好きである。
2012-05-03 18:46:02えー、今日は『BLUE DROP』という漫画をお勧めして寝ます。SFですねー。アニメと漫画では話が違うのです。ジェンダーSFでありTSであり百合であり青春物語ですの。漫画はチャンピオンRED連載。はっちゃけてます。アニメでは男性が滅んだ世界が舞台です。わお。とりあえずTS好き。
2012-05-13 23:59:48私は社会人としてつつましやかに『グラモフォン・フィルム・タイプライター』をよンどります。なかなか面白い。つか図書館で文庫借りたんだけど、これ絶版なん?
2012-05-17 01:09:16『25時のバカンス』の装丁すげえいいな(今更)。表題作があまりに私の琴線に触れたね。……今、折り返し見たら「装丁/市川春子」って書いてあった。すげッ!……なんだろうな、絵が好きというか、この絵で描かれるまんがが好きなんだよ。私の常々言う、「まんがでしか表現できない想像力」ね。
2012-05-22 22:55:47『きのう何食べた?』は、ゲイの男性二人の同棲、その自炊の食事を主に描いた漫画ですね。リアリティ(リアリティとリアルは違いますよ)のあるゲイカップルの描写、お仕事である弁護士事務所の描写、そして自炊の工夫やネタなど、いろいろとゆらぎをもたせながら上手く描いている生活まんがですね。
2012-05-23 22:46:38「なにを悲しむかということは、少しも問題ではなく、どれほど深く悲しむか、ということだけが問題なのです。子どもの涙は、おとなの涙より小さいというものではありません」(ケストナー『飛ぶ教室』)
2012-06-07 21:56:20「みんなが町で暮らしたり/一日あそんでゐるときに/おまへはひとりであの石原の草を刈る/そのさびしさでおまへは音をつくるのだ/多くの侮辱や窮乏の/それらを噛んで歌ふのだ」(宮沢賢治『告別』)
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