江田・K【小説書き】
@koudakei
いつもの訓練が終わって、「あー……」出雲は肩を回しながら部屋に入った。訓練の疲労がありありと見てとれる。いかに加護があっても疲労は蓄積するのだろう。出雲の広い背中を眺めつつ、部屋に入った風見は、「お疲れ様」「あ? おう、千里もな」
2010-08-18 23:39:28
江田・K【小説書き】
@koudakei
「今日もまた派手にやってたわねー」「飛場のことか? ……まあ、会った頃に比べりゃ随分マシになったんじゃねえか」「手こずってたもんね」「そ、そんなことねえですよ? ちょっと遊んでやっただけで」慌てて反論する出雲に、風見は吐息。「どうしてこう男の子ってのは――」
2010-08-18 23:40:09
江田・K【小説書き】
@koudakei
突然のことに頬が熱くなるのを自覚しつつ、風見は反射的に動いた。「い・き・な・り!」右の踵で出雲の爪先を踏み抜き、「な・に・を」力の緩んだ出雲の腕の中で体を廻し、勢いのままにボディブローを突き刺すと、「す・る・のよっ!」
2010-08-18 23:42:03
江田・K【小説書き】
@koudakei
体をくの字に折った出雲の顎先に掌底を打ちこんだ。顎を撥ね上げられ仰け反るようにして尻もちを突く巨体を見下し、風見はやれやれと吐息。意識をトばしていた出雲は数瞬で復帰。「あー、首痛てえ」などと手でさすっている。
2010-08-18 23:43:04
江田・K【小説書き】
@koudakei
……覚が急に抱きしめたりするから。内心で言い訳をしつつ、出雲の肩を押さえる両手に力を込める。掌がじっと汗ばむ。「…………」「……千里?」
2010-08-18 23:44:10
江田・K【小説書き】
@koudakei
「覚は、して欲しいこと、ある?」「千里がしてくれよ」「…………」「…………」「目、閉じて」「いやだ、って言ったら?」「どうしていやなの?」「絶景が見れないだろ?」
2010-08-18 23:45:16