アベユーイチ監督によるウルトラゼロファイト第二部撮影方法あれこれ＋撮影秘話

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト第２部撮影方法あれこれ。第２話でゼロがボカボカ殴るカット。あの何重にもぶれて激しい画の作り方ですが、まずカメラに向かって殴るアクションを60コマで撮影します。再生される時は一秒24コマの設定なので、スローモーな動きになります。次に同じアクションを8コマで撮影。

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト第２部撮影方法あれこれ。つづき。この8コマで撮影した素材を24コマに引き伸ばします。それには一コマを三コマにするので、再生されると止め画がカクカクと動く感じになりますが、ヒトコマがかなりぶれた画なので、激しい動きが長い残像を引いているのがハッキリ出ます。

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト第２部撮影方法あれこれ。つづき。編集の段階で、60コマと8コマで作ったスローモーな画とカクカクしてぶれた画をダフらせて完成。しかし、これには編集の松木氏の腕が炸裂しています。つまり、半透明にする比率を調整し、使いどころを選び、どのタイミングで重ねるか、これが難しい。

アベユーイチ @abe_yu1

やばい、ゼロファイトの撮影方法を解説しようと始めたつぶやきが、結構楽しくなってる。あれもこれも教えておきたい・・・でも、寝なきゃ！おやすみなさいませ！

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト第二部撮影方法あれこれ。プロジェクター投影した宇宙背景。あれは同じシーンであっても、カットが変わるごとにカメラのサイズやレンズを考え、大きさや使いどころを変えています。元の素材はでかいサイズの宇宙なのです。

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト撮影方法あれこれ。つづき。カットごとに宇宙背景を微妙に変える理由は、切り返した時とか、ちゃんと別の背景であることが感じれれるようにするため。あるいは、カットの印象を明るくしたいのか暗くしたいのか。またあおり感を出すのか、広さを出すのか。色々です。

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト撮影方法あれこれ。つづき。切り返しの時は、宇宙背景を左右反転して使うことが多い。地平線近くは暗い部分を使い、上空は明るい部分を使っています。 寄りのカットはサイズを大きくし、つまり星粒が大きくなるようにして、引きの時は元素材全部を投影するくらいの使い方です。

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト撮影方法あれこれ。サイズの修正は、現場で即座に判断して指示しなければいけないので、その分、判断や指示することが増えて、テンパりそうになることもありました。言ってみれば現場で背景を合成しながらお芝居も撮るいということですからね。

アベユーイチ @abe_yu1

@kapibarahanako 僕としても今回のゼロファイト第２部で、特撮の楽しさを再認識しました(*^^*)知恵をしぼって産み出す特殊なカットのパワー。新しい技術にトライする勇気を知ってもらえたら、また特撮ブームが来てほしいという密かな願いもかなうかな？そのための布石です。

アベユーイチ @abe_yu1

カラコレは、編集で決めたカット単位で、つまり動画でやります。前後のカットとの繋がりチェックも重要です。撮影状況によって晴れていたり曇っていたり、明るさが違うなどバラバラな画面の色を統一するのが、本来の目的です。RT @pibble_pabble

アベユーイチ @abe_yu1

@pibble_pabble 動画でカラコレするのには、ものすごい高額なマシンが必要になります。仕上げのスタジオでないと難しいかもしれません。ただ最近は程度によりますが、ファイナルカットプロとかでできるレベルもあります。

アベユーイチ @abe_yu1

ええと、ゼロファイト第２部撮影方法あれこれと呟いておりますが、一般的な特撮技術の範疇です。円谷プロが持つ造形技術の凄さとか秘密とか、今後の展開などは話せないのでご了承下さいませ。念のため。

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト第２部撮影方法あれこれ。いつも必ず撮影開始前にやることがあります。それはゼロや他のキャラたちの光ってる部分の明るさ調整。カメラを通して確認しながら、その回の画作りにあったいい感じの明るさを決める。目の明るさやカラータイマーの明るさを撮影部と相談しながら決定するのです。

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト第２部撮影方法あれこれ。つづき。グレンの胸の炎も、ミラーの目の輝きも、ジャン兄弟の目の輝きも、撮影部と相談しながら決定します。明るさが弱すぎると、力ない感じになるし、強すぎると、ディティールが見えなくなります。難しいのです。微妙すぎて。

アベユーイチ @abe_yu1

ウルトラゼロファイト第２部撮影秘話。二話でタイラントが地面から登場するカット。このカットが第二部クランクインカット。つまりプロジェクター投影で試した最初のカット。なので、まだライティングを探りながらだったので、少しテイストが違う。気付いた人はいるだろうか？

アベユーイチ @abe_yu1

ウルトラゼロファイト第２部撮影秘話。第三話で使ったスラッガー反射ビーム。これはゼロが戦い慣れた感じを出したかったのと、見たことない攻撃を見せたかったので絞り出した攻撃策。撮影前に行われるアクション打合せでもずっと宿題だった部分。なにせ相手は極暴タッグ。なかなか思いつかなかった。

アベユーイチ @abe_yu1

もちろん、こーゆーところが楽しい訳で(*≧∀≦*)RT @ultraman_ss: @abe_yu1 ビーム反射するときゼロスラッガーが動いてて芸が細かいなって思いました

ワン @ULTRAWAN0

@abe_yu1 突然で申し訳ありませんが、1つ質問があります。 ゼロファイト第3話で、ゼロがヴィラニアスに光線を打たれるカットがありますよね。 そのカットのゼロのマスクには、目の部分の覗き穴が見当たりませんでした。 その他のシーンとは違うタイプのマスクをつかっているのですか？

アベユーイチ @abe_yu1

@ULTRAMANwata ゼロファイト第２部撮影方法あれこれ。覗き穴、ですね。ゼロのアップを撮影するとき注意することがあります。照明の当たり具合とアングルによって、穴から中の肌が見えそうな時は、中に黒くて網状の布をかませて、わからないようにするのです。

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト第２部撮影方法あれこれ。 スラッガーが飛ぶカットの時、芝居を撮ってオーケーになった後、すぐ同じアングルで参考用に、スラッガー単体を軌跡上で撮ります。 同じライティングの状態で撮っておくことで、あとで合成するとき、役に立つのです。単純なことですがかなり大事。

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト第２部撮影方法あれこれ。つづき。 参考用ちゃら回し。 これは合成カットの時は、可能な限り、完成予想のレイアウトにキャラクターや物を置いて、同じライティングでちゃらっ、と短くカメラを回します。合成班に説明するときや、合成前に編集する時は、とても便利に使えます。

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト第２部撮影方法あれこれ。つづき。 参考用ちゃら回し。 その時、大きさが違うので、フレームに等身大のキャラクターを置けない場合もあります。小さなピグモンとか。 そんなときはフィギュア人形を使います。現場には、登場キャラのソフビが用意されていて、色々とよく使います。

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト第２部撮影方法あれこれ。 ソフビ人形は後半、コンテ作成にも使いました。ウルトラアクトというのはポーズを取りやすいので、ワンカットづつ配置して、デジカメで撮影し、パソコンに取り込み、コンテ用紙に張り付け、手を加え、コメントを書き込み、みんなに配りました。

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト第２部撮影方法あれこれ。撮影にはスケジュールというものがあります。まず第７話まで撮影しました。５日間です。事前に全カットコンテを用意しているので、それをチーフ助監督の石川さんがばらして割り振ります。プロジェクター投影のカットから始めて、最終日にグリーンバックでした。

アベユーイチ @abe_yu1

ゼロファイト第２部撮影方法あれこれ。つづき。撮影順は現場でどんどん変わります。効率優先で調整するのです。前後のカットの繋がり、例えば、アングルやライティング、芝居のテンションなど、とことん全スタッフが気をつけます。慣れていないとついてこられない撮影スピードで、そこがプロの証。