弱さ

茂木さんのつぶやき
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茂木健一郎 @kenichiromogi

弱さ(11)自分の弱さを、許容せよ。弱さを、他者にさらけだすことを恐れるな。他人の弱さに、寛容であれ。弱さこそが、美や魅力の源泉になり得ることを見据えよ。「弱さ」の豊饒な文化を育め。時に涙せよ。

2010-08-20 07:17:05
茂木健一郎 @kenichiromogi

弱さ(10)恋愛は、お互い弱い存在でなければ成立しない。強者は他者を必要としない。お互いに弱い存在であり、お互いに傷つけられうるからこそ、あこがれ、惹きつけられ、そしてかけがえのない関係となりうるのだ。

2010-08-20 07:15:18
茂木健一郎 @kenichiromogi

弱さ(9)すぐれた芸術作品は、人の心を傷つける。「あっ、やられちまった」。その感動が、生きることの意味を確認させる。傷が癒えるプロセスにおいて、私たちは最も創造的になるのである。

2010-08-20 07:14:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

弱さ(8)弱い人は、周囲と自分の関係に敏感になる。スピードスケートの清水宏保さんは、子どもの頃ぜんそくで、部屋の空気が変わっただけで発作が起きるのではないかとびくびくした。その経験が、指のすみずみまで神経が行き届く清水さんを作った。

2010-08-20 07:13:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

弱さ(7)ジョン・アーヴィングの小説を貫く重要なモティーフは人間の「傷つけられやすさ」である。『ホテル・ニューハンプシャー』では、「開いている窓を通り過ぎ続けること」、『ガープの世界』では、「引き潮に注意!」が傷つけられやすさのメタファーとして使われた。

2010-08-20 07:12:10
茂木健一郎 @kenichiromogi

弱さ(6)小林秀雄は、ある講演の中で、「君子欺くべし」という言葉に触れ、君子というものは、簡単にあざむかれるものだ、だまされないと警戒ばかりしているような人は、大きな人ではないと言っている。

2010-08-20 07:10:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

弱さ(5)美は、弱いものが自分を守る手段の一つである。「モナリザ」は、自分を守る術をもたない。悪意のあるものが破壊し、燃やしてしまおうとすればそれを防ぐことはできない。「モナリザ」が美しいからこそ、みながそれを大切に思い、人類の文化遺産として守っていこうとするのだ。

2010-08-20 07:09:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

弱さ(4)強いだけの人に、心はなかなか動かされない。男でも女でも、この人にはこんな弱いところが、という発見が、その存在を愛しいものへと変える。

2010-08-20 07:08:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

弱さ(3)赤ちゃんは、弱いからこそ、強い。赤ちゃんがいるだけで、皆、そこから目が離せなくなる。泣き出せば、なんとかしなければという気持ちになる。赤ちゃんは、自分では生きていけない弱い存在だからこそ、周囲の人たちに強い感化力を持つ。

2010-08-20 07:07:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

弱さ(2)脆弱性、傷つけられうること(vulnerablity)こそは、生命の本質である。生きているからこそ、弱さが必然的に存在しなければならないのだ。

2010-08-20 07:06:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

弱さ(1)海老蔵は、あるとき、人生で挫折があったとか、逆境があったとか、そういう人でないと興味が持てないと言った。今朝は人間の「弱さ」について考えてみたいと思う。

2010-08-20 07:05:45