法律家・高嶌先生による「原発事故 進まない"不動産賠償"」
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![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
.@uchida_kawasaki さんの「福島第一原発事故損害賠償の実例」をお気に入りにしました。 http://t.co/mOwflMLk
2013-01-01 21:40:26![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
原発被害者弁護団から得た情報。紛争解決センターが,和解提案理由書と和解事例を追加で公表している。 http://t.co/YPreLaw8
2013-01-28 11:49:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
このうち,和解提案理由書13番は必読である。自宅がある場所は帰還困難区域に指定されない可能性があっても,そこで生活するのに不可欠な施設等は帰還困難区域に指定されることが明らかな状況であるとして,帰還困難区域外の自宅不動産について「全損」と評価すべきであるとした和解案である。
2013-01-28 11:53:52![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
NHKクローズアップ現代「原発事故 進まない“不動産賠償”」を見ましたが,内容は従来から新聞記事等で報道されている情報にとどまり,新しい動きは紹介されていませんでした。
2013-01-30 20:04:00![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
以下は昨年7月の私のツイートですが,この時点からほとんど状況は変わっていないことがよく分かります。→https://t.co/SgSDVsTL https://t.co/sMTbqez8
2013-01-30 20:08:10![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
根本的な問題は,東電ができるだけ一律の基準で賠償を進めたいと考えており,客観的基準から外れる請求にはほとんど応じてこなかった点にあります。
2013-01-30 20:10:56![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
東電の立場からすれば,できるだけ一律の基準を用いた方が事務手続きの費用が安く済みます。また,東電は,いったん例外を認めるとそれが和解交渉の新たな基準になってしまうことを恐れているのです。
2013-01-30 20:12:51![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
むしろ,個別対応として画期的な基準は,数日前のこのニュースに現れています。→http://t.co/ZGn66D3U
2013-01-30 20:16:33![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
このニュースによると,不動産賠償の新たな個別評価枠組みは,次のとおりです。「固定資産税評 価額などに基づかない「個別評価」については、土地や建物を購入した際の契約書など書類で評価する方法とし、専門家が現地調査する方法は「現地評価」とし て切り離す。」
2013-01-30 20:17:55![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
なお,もう一つの根本的な問題点は,政府が示したこの不動産賠償基準→http://t.co/RjHjOrW7そのものが,帰還困難区域,居住制限区域,避難指示解除準備区域の3区域わけを前提としている点です。
2013-01-30 20:22:05![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
クローズアップ現代でも指摘されていたように,「帰還困難区域」は全額を一括に前払いするが,「居住制限」は約半額、「避難指示解除準備」は約3分の1を事前に払うとされています。
2013-01-30 20:22:42![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
しかし,まだ将来の健康被害の可能性も充分に解明されていない段階で,居住制限区域や避難指示解除準備区域にある不動産にどれだけの資産価値があるか判断することはできません。
2013-01-30 20:25:57![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
むしろ,通常の損害論からすれば,居住制限区域・避難指示解除準備区域にある不動産もまた,ほとんどすべての財産価値を失っていると評価されるのが自然だと思われます。
2013-01-30 20:27:42![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
このように見ると,政府の示した賠償基準自体が,被害の実態に合わない不適切なものであったために,ますます被害の回復が遅れていると言えます。
2013-01-30 20:32:12![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
クローズアップ現代で除本さんが指摘されていたように,損害賠償という制度は,過去に被った被害の補填を目的としており,本来は将来の生活再建とは異なった目的を有しているはずです。
2013-01-30 20:35:35![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
それにもかかわらず,被害者が「生活再建のために損害賠償を早くして欲しい」と訴えているのは,とりもなおさず,今回の被害が単なる個別損害としては捉えきれず,むしろ被害者の生活自体の破壊を伴うものであったことを明確に示しています。
2013-01-30 20:37:27![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
このような「生活そのものの場の破壊」に対する損害賠償は,決して個別損害の積み上げで回復できないことを本来は出発点にすべきなのです。
2013-01-30 20:38:36